テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ある仕事の日。
mtk side
休憩中、一人でトイレへ向かった。
そこで、以前から苦手意識のあった
業界の重鎮に声をかけられた。
「あれ、大森くんじゃないか」
話しかけられたらもう最後。
続けるしかない。
「あ、○○さんこんにちは。
奇遇ですね。先日はどうも。」
出来るだけ無難に簡潔に返答する。
これですぐ終わる、そう思ったが
そんな簡単な相手ではなかった。
「今夜一緒にご飯でもどうかな。
君と話したいことがあるんだよ」
断りきれない空気。
立場の差。
「、ほんとですか。是非お願いします。」
嫌な予感がした。
きっと気の所為だ。大丈夫。
そう言い聞かせ、すぐに楽屋へ戻っていった。
〜
mtk side
月明かりに照らされる夜
個室のある居酒屋へ二人で入る。
今更ながら、メンバー二人には
話しておけばよかったと後悔する。
もう個室に入ってしまっては
そんな時間もなく。
「いやぁ、来てくれるとは思わなかったよ」
「いえいえ、せっかくお誘い頂いたので」
柔らかく笑って見せれば
相手は嬉しそうにニヤつく。
「それで、お話とはなんですか?」
「… あぁ、君に聞きたいことがあってさ。
大森くん、Subでしょ?」
会話の途中、相手の態度が変わった。
「ッ……ぇ、と、?」
視線、言葉、圧。
僕の体は過去の記憶に引きずられ、
思考が白くなる。
『Kneel(跪け)』
「ッぁ、、あ…ッ 」
学生時代以来、聞きたくなかった
Domの声。
拒否したかった。
逃げ出したかった。
だが、声が出なかった。
気づいた時、せめてもの抵抗をしようと
震えながらスマホを握っていた。
画面に映るのは、
“ 藤澤涼架 “の文字。
片手で操作し電話を掛けるが
○○さんにはバレてしまったようで。
〜
その後の記憶は断片的だ。
ただ、ひどく消耗し、
心も体も限界だった。
相手からは
曖昧な言葉と圧力を受けた
「今日の動画、ちゃーんと残ってるから。
変なことしないようにね?
じゃ、これからもよろしく。
大森くん♡」
脅しという汚いやり方。
これからも、と約束を迫られた。
記録も残され、
逃げ場がないと思い込まされた。
僕はふらふらと外に出て、
そのまま近くにある
涼ちゃんの家へ向かった。
身体は震え
顔は涙でぐちゃぐちゃ
すれ違う人なんて1人か2人。
変な目で見られたって、
そんなこと気にする余裕もない。
そもそも、こんな時間に外を歩く人なんて
そう居ない。
なにをしたか、なんて思い出したくもない
だが、体の中の異物感がまだ残る
同意も何もない。
無理矢理な行為だった。
はやく、はやく涼ちゃんに会いたい。
僕をたすけて。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!