今日はロスサントスの夏祭りが開催される日だ。警察署員皆で浴衣を買って準備万端、浮かれて浴衣で事件対応をしながら時間が来るのを待った。
「お、そろそろ時間だ。行くか!」
車を出すとどこからともなく現れた青井がスッと隣に乗ってきた。
「お願いしまーす。」
「いやどっから出てきたんすか。」
「いーからいーから、ほら早く行かないと始まっちゃうぞ。」
「しゃーないな、行くかー。」
「祭りとか久しぶりだわー楽しみ。」
「日本にいた時は行ってたんすか?」
「いや、基本用事ある時しか外出なかったからな…つぼ浦は?」
「俺はまぁそれなりに地元の祭りとか行ってたすよ。」
「へぇー誰と?」
「仲良い友達と。久々に会いてーなー。」
「ふーん…」
つぼ浦に他意が無い事は分かっているが、少しだけ嫉妬してしまう。夜風に当たって気持ちを切り替えた。
「おし到着ー!もう皆来てるのか。」
「2人とも遅いぞー!今ここで飲み物頼んでるよ、なんと酒もある!」
「イトセンも飲んでるんすか?俺もたまには酒飲もっかなー。」
「いや、お前はダメ。」
「え?なんですか?」
「なんでってお前すぐ酔っ払ってフラフラになるだろ。」
「別に平気すよ、アオセン心配しすぎ。」
「いややめとけって。俺もジュースにするから。」
「まったくアオセンは過保護なんだから…じゃコーラで。」
「ん?お前の為を思って言ってるんだけど?」
「へいへーい、ありがとうございまーす。」
「お前ら仲良いのは良いけどあんまりイチャつくなw」
「別にイチャついてなんかないすよ…あ、奇肉屋だ!」
飲食店やゲームコーナーを回っていると署員皆で射的で勝負しようとなった。
「絶対アオセンには勝つ!」
「いーや?遊園地では負けたからな、リベンジさせてもらいましょうかねぇ。」
同時にスタートして次々的を射っていく。結果はまさかの同点だった。
「同点とか1番シャバいわ …てかこれ猫君異次元すぎるだろ。」
「うーわあそこ外さなければ勝てたのになー悔しい。」
「同点は流石に仲良すぎでしょ。なにこれ見せつけられてる?」
「成瀬?お口チャックな。」
「ハイッ!」
ワイワイ騒ぎながらお店を回って楽しんでいるとお祭りももう終盤、花火が上がる時間になった。ドーン!と大きな音と共に夜空に咲く。
「おぉー!」「キレ〜!」「すごーい!」
その場にいる全員が空に釘付けになっている。つぼ浦も端のほうで見ていると、急に腕を引っ張られた。
「おわっ!?アオセン!?」
「シー、静かに。ちょっとだけ抜けよう。」
バイクを走らせ、花火がよく見える建物の屋上に登った。
「うぉー!ここ穴場だな、すげぇ!」
「おぉー予想大当たり。座るか。」
青井は短時間でも2人きりの時はなるべく鬼面を外すと決めている。外してからつぼ浦の手を握り、共に空を見上げた。
「ここ音もすげぇな!体に響くぜ、大迫力だ。」
「ね、体震えるわw」
「おぉーこれでけぇ!キレーだなー…」
「つぼ浦浴衣似合ってるな。」
「おぉサンキュ!アオセンもかっこ良いぜ。」
横目でチラッとこっちを見るが、またすぐに花火に夢中になっている。少し寂しい気もするが、無邪気に今目の前のものを全力で楽しむ姿に心が暖まる。青井は花火よりもそんなつぼ浦に見とれてしまう。
「楽しかったな。」
「そうだな、この街でこんな祭りに来れるなんて思ってなかったぜ。」
「つぼ浦ちょっとだけこっち見て?」
「ん?なんだ?」
頬に手を添えてキスをした。不意打ちに弱いつぼ浦の頬が赤く染まる。
「///アオセンそれはずるいっすよ…」
「だってしたくなっちゃったから。なんか俺らこの歳になってめっちゃ青春してるな。」
「恥ずい事言わないでくれ…」
「そんな恥ずいか?ごめんごめん。そろそろ戻らないと抜けてる事バレちゃうか。」
バイクの後ろに乗り、青井にギュッと掴まりながらニヤけてる顔を必死に戻した。
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