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#創作
りお
104
漬物🥒
300
ボンドン
282
音色*
315
桜の花が綺麗に咲き誇る時期、そう入学式。オレは儚く、今にも消えてしまいそうな女の子を見かけた。端麗な容姿、風になびく髪を未だに覚えている。今までの人生で出会ったことのない、とても綺麗な人だった。
入学式…先生の話など耳に入ってこなかった。君の横顔があまりにも美しいせいだ。
あぁ、あの横顔がもう一度見たい。ずっと君の隣で居たかったなんて。叶わない願いだ。
指定された教室に入った時、君がいないかなって少し期待したんだ。少女漫画みたく君と同じクラスで、隣の席で、なんて夢を見たんだよ。もちろん現実は厳しいらしくクラスは違ったね。少し、いやかなり悲しかったよ。
そんなオレと君の出会いは図書室だったね。オレは友達がいなくて休み時間、毎日図書室で時間を潰していた。あぁ、昨日の事のように思い出すよ。『銀河鉄道の夜』この本を同時に取ろうとしたよね。君の手が触れた時、オレは動悸が激しくなって顔が真っ赤になっちゃったんだ。そんなオレの目を見ながら「どうぞ」そう言って本を渡す君の瞳に自分が映る。恥ずかしさと、君を身近で感じられるこの感覚に嬉しさが混じっていたんだ。
そこからオレ達は毎日図書室で話すような仲になった。君は『ミナミ』という名前だと教えてくれたよね。今でもこの名前を口に出す度に君のことを思い出すよ。
月日は流れて高校2年生。新学期早々オレはとっても嬉しかったんだ、君と同じクラスになれたから。ねぇ、覚えてる?君が太陽のような笑顔でオレに「貴方と同じクラスだなんて夢見たい」って言ってくれたこと。本当に、本当に。嬉しかったんだ。オレも君と同じことを思っていたんだから。
高校2年生の夏。オレが「映画行こう」って言ったら君は「もちろん」って、言ってくれたね。デートだって揶揄う君がとっても可愛くて、今にも抱きついてしまいそうだった。そこからだろうか、いや、もっと前からだろう。オレが君に恋をしていたのは。大好きで大好きで、こんなに人を好きになったのは初めてだったんだよ。そんな事、君に言えるわけないのにね。
いつからだろう、君が他の人と話していると『嫉妬』をしてしまうようになったのは。オレを一番にして欲しい、オレだけ見ていて欲しい。そんな願いが叶うわけないのにね。辛いよ、痛い。大好きでたまらないのに。あぁ、ダメだよね、こんな重いオレ。忘れてください。
少し肌寒くなって夏が過ぎてしまう頃、君はオレに「助けて」そう連絡をくれた。オレは君のために裸足で、パジャマで、無心で走ったんだ。石を沢山蹴って、踏んで、足が真っ赤になるまで走った。オレが駆けつけた時、君はストーカーに襲われていたよね。
そこから少し記憶がないんだ。目が覚めたらストーカーが息をしていなかった。ねぇ、なんでそんな目をするの?ミナミ。ねぇ、なんでこの人は倒れているの。離れないでよ、ねぇ、どこに行くの?
君はまるで死刑囚を見るような目でオレを見つめる。離れないで、行かないで、そんな気持ちがオレを襲った。
君を助けたかったんだ。どうしても、どうしても君の笑顔を守りたかった。大好きだよ、ねぇ行かないで。そう願ったってもう遅いらしい。サイレンの音が二人の間に鳴り響く。そんな軽蔑の目を向けないで。君のためにしたことだ。あーあ、大好きだったのに。そんな事をするんだ?もう一度君の笑顔を見せてよ、最後にオレのことを好きと言って欲しかった。
君をずっと傍に置いていたい。そんな気持ちに狩られたオレは君と死ぬことにしたんだ。ねぇ、いいでしょ。ずっと一緒にいようよ。思わせぶりとかじゃないよね?オレ達は絶対に両思いだったんだ。
親愛なる君へ。
オレは君に恋をしていた。君の隣で痛かった。この想いは、ずっと消えることが無いように、ここに手紙を残します。ありがとう、そしてさようなら。これからはずっと一緒だからね。
このお話はフィクションです
コメント
1件
うわっ…重くて、それでいてすごく綺麗な話だった…。 最初の桜から全部がフラッシュバックみたいに流れてきて、最後の「大好きだよ」の大きさに胸が締め付けられたよ。 「忘れてください」って書くところがまた切なくて、ミナミの「助けて」の意味を考えると涙出そう。 1話でこんなに引き込まれるなんて思わなかった。続き、すごく気になるよ…。