「はぁ〜…ただいま〜」
暇72は自宅のドアを開けると、すぐさま自室へ向かった。ベッドに寝転がり、しばらくぼーっとする。いるまの笑顔が頭をよぎる。安心感のある彼の顔。心臓の下あたりが変な感じがする。耳が熱い。
「なんでだろ…」
胸に手を当ててみる。心臓がドキドキと早鐘のように鳴っている。いるまのことを考えるたびに、どうしようもない感情が押し寄せてくる。
「まさか…いるまのことが…」
自分の気持ちに気づいた瞬間、顔がさらに熱くなった。無意識にいるまの姿を思い浮かべて、ますます胸が高鳴る。
「どうしよう…」
暇72はベッドの上でゴロゴロと転がりながら、どうにかしてこの気持ちを整理しようと試みる。しかし、考えれば考えるほど、いるまへの気持ちが強くなっていくのを感じた。
LINE
いるま「今日、どうだった?」
暇72「普通だったよ。そっちは?」
いるま「色々あったけど、なんとか大丈夫。会いたいな」
暇72「じゃあ、明日一緒に帰ろう」
いるま「うん、ありがとう」
スマホを見ながら暇72は息を吐いた。いるまのことを考えていたせいで、時間があっという間に過ぎてしまった。…そろそろ晩御飯作らないと。そう思い立って、暇72はリビングへ向かった。
冷蔵庫を開けて、中にある材料を見渡す。何を作るかを考えながら、手早く準備を始める。野菜を洗って切り、フライパンを熱する。料理をしながら、頭の中にはまだいるまの笑顔が浮かんでいた。
「こんなこと考えてたら、料理に集中できないな…」
暇72は自分に言い聞かせるように呟き、気を引き締めた。料理の音がリビングに響く中、少しずつ気持ちを落ち着ける。
「でも、いつか…ちゃんと話さなきゃ」
心の中で決意しながら、暇72は夕食の準備を進めた。料理をしながら、自然と微笑みがこぼれた。
夢の中。暇72は深い海の中にいた。青緑色の水と砂に囲まれて、周りには何も見当たらない。息が苦しくて、上を見上げるも、体が思うように動かない。息がどんどん苦しくなり、意識が遠のき始めた。
「なつ!」
誰かの叫び声が聞こえた。頬に暖かい感覚が伝わり、その感覚だけがはっきりと感じられた。意識が朦朧とする中で、その声に反応しようとする。
「__、-?」
薄れゆく意識の中で、確かにその名前を口にした。すると、次の瞬間、周囲の海が急に明るくなり、誰かの姿が浮かび上がった。誰かは必死に暇72を抱きしめ、海の上へと引っ張り上げようとしていた。
「大丈夫だ、なつ。俺がいるから」
聞き馴染みのある声がどこか現実感を取り戻させ、暇72は再び息をしようとする意志を感じた。その瞬間、視界が明るくなり、夢の中の海から現実へと戻り始めた。
コメント
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初コメ!この物語めっちゃ好き!頑張ってください!