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昼休憩が終わった。慎也と、少しギスギスした空気で別れてしまった。
ひより「次に会った時には…きっと大丈夫だよね」
自主学習が終わり、席を立つ。
そして、慎也のクラスまで歩いて行く。
ひより「慎也…居る?」
クラスに居た全員が私に視線を向ける。幸い殺し合い中じゃなくて良かった…。
慎也「ひより…なに」
ひより「まだ勉強してた?なら別に良いわよ」
慎也「別に…大丈夫だけど。何か用?」
ひより「一緒に帰らない?約束とかないなら」
私がそう言うと、慎也は驚いているような、喜んでいるような顔で荷物を持って急いで私に駆け寄ってくる。
慎也「早く行こ!」
ひより「うん」
さっきまで拗ねてたのに…変なヤツ。
帰り道、私たちは話すこともないからただ並んで歩くだけ。
ひより「…ねえ」
慎也「ん〜?」
ひより「あんたってさ、あの学園のあの状況…どう思ってるのよ」
私は慎也と会った時から、呑気な慎也の態度を不思議に思っていた。何となく、聞く勇気が無かったから、今まで聞けなかった。
慎也「なんで?どしたの急に」
慎也は私の質問に、質問で返してきた。それに少し腹が立ったが、我慢してもう一度言う。
ひより「だから、殺し合いについてあんたは何も思わないの?」
慎也「いや…俺も結構楽しんでるし…別に何も思わないけど」
まさかの返答に、私は思わず立ち止まってしまう。そんな私を置いて、少しゆっくり歩きながら慎也は続ける。
慎也「ていうか、ひよりあの状況にまだ慣れてないの?他の人は全員ノリノリで殺りあってるけど」
仲間だと思っていた慎也が、本当はあの状況を楽しんでいたなんて…
ひより「見損なった 」
慎也「え?」
ひより「私、殺し合いなんてするつもり無いから。あんたも、殺したいなら殺せば良いじゃない」
ひより「私のことだって、いつでも殺せるんだから」
少しスピードをあげ歩きながら、今度は私が慎也を置いて続ける。
ひより「けど覚えておいて、私、殺すようなやつなんかと一緒に居るつもりないから」
ひより「もう話しかけてこないで」
私は小走りで帰っていく。
一人残された慎也は、ひよりの反応に驚きと焦りを隠せないままつぶやく。
慎也「ごめん、環奈」