長い夢を見ていた。
深くて暗い水の中で、泣いている自分に話しかけてくれた女の子の夢だった
その声は優しく、美しかった
1人でいた僕を前に進ませてくれた優しい声、記憶の無い中から溢れ出てくる感じであった
「ニア、そいつに水を飲ませてやってくれ、俺は用事があるんだ」
「わかったよオル兄、頑張ってねぇー」
幼女の声と少年の声が聞こえた
「ぁーうっ…ここは?」
俺はゆっくりと目を開けた
天井がある、腹も痛くない、吐き気もしない
「治ったのか…?」
俺はそう呟きゆっくりベットから起き上がった
横にはまだ小さい女の子がいた
「君は?」
俺は、そう少し目を大きくさせ驚いている女の子に問いかけた
すると、
「お兄ーちゃんー!!」
と大きな声で叫び部屋から逃げてしまった。
俺は確か絶対食べたらダメそうなキノコを食べて死にかけ…
部屋の扉がゆっくりと開いた
兄の服を握る妹と少し怯えながらも力強く進む兄
「お前、森で死にかけてたから救ってあげた、感謝しろ」
そう言い少年は部屋から出ていった。
妹さんの方は死人でも見るような目で俺を見ていた。
俺はベットから起き上がり完全には抜け切っていない毒を無視し歩き始めた。
ドアを開けた先は木の丸机と4つの椅子が置かれておりその2つには先程の少年少女が座っていた。
少年は俺を見てこう言った。
「お前、デクロングキノコ食ってなんで生きてんの?」と言い飯を食っていた
妹はゆっくりと俺の顔を見てから死んだ人を見る目でこっちを見て、また食事を始めた。
「あのキノコデクロングキノコって言うのか、やっぱり危ねぇキノコ何だな」
と言うと
「あのキノコかなり猛毒なんだぞ?食ってから五分ぐらいで死んじまうよ」
と少年が返してきた
(あのキノコ食った後から寝たのが毒を遅らせたのか?)と疑問を持ちながら用意された食事を食べ始めたのであった
まともな食事は多分記憶内では初めてである