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―side晴美―
うわぁぁぁーーーー!「切られた!真希ちゃんに通話を切られたわ!どうしたらいいの!どうしたらっ」
私はその場で泣き崩れた
「逆探知!!」
「今しています!」
細川捜査官が言う、彼女の眼鏡も曇っている、おそらく興奮しているのだろう
「たぶんもう一回かかってくると思います」
「どうしてわかるのっっ?」
「まだ向こうの用件を聞いていません」
プルルルルッとその時晴美の手にしているスマホが鳴った
ハッと私は細川捜査官を見た、彼女は話をしさないとばかりに頷いた
プっ「真希ちゃんっ!」
『・・・あたしの言う事を聞くつもりないの?』
「ごめんなさい!聞くっ!聞くわ!」
その時細川捜査官がこっちを向くようにコンコンと小さく壁を叩いた、ハッと彼女を見るとスマホの画面を私に見せている、映し出された文字が電光掲示場のように、大きく光って右に流れていく
―容疑者は晴馬ちゃんを自分の子供だと思っています、話を合わせてください―
冷や汗を流しながら私はコクンと頷いた
「ま・・・真希ちゃん・・・晴馬ちゃん・・・元気?」
『元気よ、今日は二回もウンチをしたわ、あたしはとっても良い母親なの、あんたと違って』
私はホッと安堵した警察の言う通り少なくとも真希ちゃんは晴馬に危害を加えようとしていない
「真希ちゃんはとても良いお母さんよ」
『でも・・・昨日からミルクをあんまり飲まないの』
ドクンッと私の血の気が引いた、晴馬がミルクを飲まない?どうして?何か恐ろしい病気にかかったの?
『聞いてる?』
「きっ・・・聞いてるわ、そっそれは良くないわね、熱は?」
『微熱が少し・・・お腹が空いてるみたい、やっぱり母乳がいいのかしら?』
どちらも黙り込む、沈黙は私の心臓に重くのしかかる
「そっ・・・それなら私がお役に立てると思うわ!!私の母乳あげてみる?」
『お願いしてもいい?』
「もちろんよ!」
再び沈黙・・・私は通話を切られるのではとヒヤヒヤする
「ねぇ!どこでもいくわ!それともあなたが晴馬ちゃんをうちに連れてきてくれてもいいし・・・」
『あなたの所は警察がウジャウジャいるでしょ!私を犯罪者にしたのね、友達だったのに!ひどい女!』
私はどうにか叫び出しそうになるのを堪えた
『例のショッピングモール!ロータリー前のバス停で待ってて!そこで晴馬を渡すから』
ドキンッドキンッ・・・ああっ晴馬!涙が溢れる
「わかった!必ず行く!」
真希ちゃんが低い声で言った
『あなた一人で来なさいよ!もし誰かを連れてきたら一生晴馬は渡さない!』