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ガラガラガラと歌蓮が教室のドアを開けた。新しい教室は新鮮だった。
歌蓮の後ろに隠れているようにいるのは司。歌蓮にとってそれは日常同然だった。
教室の前にある黒板には大きな白い紙にそれぞれの出席番号が書かれた席があった。
「司は〜19番だから前から三番目だね。私は〜25番だから一番うしろ」
歌蓮はそう言った。
「歌蓮ちゃん隣じゃないの?」寂しそうに司は話した。
「うん。席替えがあるからこれからに期待しよ?」
元気づけるように歌蓮は言った。
教室内はざっと15人ほど児童がいた。どうやらこのクラスは全員で32人らしい。二人がそれぞれの席についたとき。教室の前のドアがガラガラガラと乱暴に開いた。そしてそこには白い半袖のシャツに紺色のネクタイをした男の中年ぐらいの先生がいた。
「8:15から始業式が始まる。5分前には体育館にいるようにしろよ〜」
そう言い放って先生はこの教室を離れた。きっとまだ担任が発表されていないためあの先生が来たのだろうと歌蓮は予想した。歌蓮は赤色のランドセルから連絡帳や筆記用具などを出し、持ってきた引き出しに入れた。そして空っぽになったランドセルを後ろにあるロッカーにしまった。そして、司のところへ向かった。
「司〜片付け終わった?」
「うん」
「ねえねえ!担任誰かな?」
歌蓮はそう興奮気味に話した。
「さっきの先生はどう?」
「ええ〜?近藤先生でしょ?あの人はな〜…」
「僕は後藤先生がいいな〜」
「えっ!?それほんと?私も!私も!」
「歌蓮ちゃんも?」
「うん。いいよね〜後藤先生。ほんっと優しい!そしてイケメン!」
後藤先生とはこの学校に5年前からいる先生で今年で28歳。フルネームで後藤翼(ごとうつばさ)。人気のある先生である。
「日高さんと鳥島さん。並んでください」
歌蓮の肩をポンと叩きそう言ったのは島田舞(しまだまい)。いつも明るいが嫌な人には態度が悪い。歌蓮もその一人なのだろか…。
二人は言われるがまま廊下に並んだ。そしてその列は体育館へと向かった。
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