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これは、つい最近…数年前の話
あるところに、自我のある人形がありました
その人形は
「白」
と名付けられていました
数年前…単なる誰かの気まぐれで作られました
姿も中身も…その作った人に決められました
「黒」という人形の複製として…作られました
白は全てがどうでもよかった
黒が助ける少女も、自分のことも、大切な創作者ですら
どうでもよかった
白は…一方的な愛に飢えていました
だから白は…何もしませんでした
何も取り繕わない
白はありのままの自分を愛してほしかった
だからどんなことにも…気づいては無視
見ても見て見ぬフリ
壊れていくフリ
そんなものばかりしていました
白は…取り繕ろうことをしらなかったから
嘘を付くことを知らなかったから
無慈悲に
無欲に
純粋に
邪気のない…
そんな自分を、見せつけていました
だから、愛される人間のようになりたくても、なれません
そんな人形にも、なれません
ただ…自分を見せつけることだけが、白の使命
白の役割
白の…唯一の欲望を満たす
「自分はこのままでもいい」
「取り繕うより辛くないから」
「みんな、壊れちゃったときも」
「周りに興味がなかったから」
「辛くなかった、胸が締め付けられることもなかった」
「でも、作った人は…ずっと泣いていた」
「悲しそうだった」
「自分は」
「悲しいとか」
「苛つくとか」
「絶望とか」
「怖いとか」
「拒絶とか」
「他にも黒みたいに」
「楽しいとか」
「嬉しいとか」
「愉快だとか」
「そんなものがわかってあげられない」
「だから、ありのままでいてあげる」
「そうしたら、愛してくれる人も…きっと見つかる」
「そうしたら、自分も救われる」
「自分が救われたら…その人の全てになってあげる」
「全てになってあげたら…あの人は自分を手放せなくなる」
「自分と一緒に」
「死ぬまで」
「壊れるまで」
「狂うまで」
「ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと、ずーっと…」
「自分の欲望通りになる」
「感情はあの人にいらない」
「自分が全てになってあげるから」
「だから…ねぇ…」
「自分を…置いていかないで」
「手放さないで」
「自分を捨てるなんて…」
「許さない」
[真逆を埋める二分の一]