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その日から変な夢を見るようになった。
いや…”悪夢”と云う方が正しいのか。
?「誰もお前を助けたりしない。」
?「貴方は誰にも助けてもらえない…」
?「君なんか、どうでも良いね」
?「誰も貴方を信用しない」
その”信用”って言葉が一番…
一番…心に残ったままだ。
誰かは判らない。
でも暗闇から声を発して来る。
太「はっ…」
…安吾家の天井。
もう何回見ただろうか。
これで何日目なのだろうか。
起きる度に憂鬱になる
太「はぁ…」
重い体を起き上がらせる
最近は雨なのか、空が曇っている。
低気圧頭痛だから、雨が降ると困るのよね…
安「太宰くーん?起きましたか?」
ドアの向こうから声が聞こえる
安吾って凄いね…
早い時間に起きられるなんて
太「起きたよ」
私はそう返事する
安「着替えたら朝ご飯ですよ」
太「了解〜」
いつもの服に袖を通す。
そんな時、探偵社の事を思う。
私を信用してくれているのだろうか?
私は信用出来ているのか。
その二文字だけが、ずっと……
ずっと。頭の中で浮かぶ。
その日から悪夢はエスカレートしていった。
?「お前は要らない」
?「貴方なんていなくなってしまえば良いのに…」
?「元居た場所に帰ってもらおうか」
どんどん、どんどん…
そして、私の心に突き刺さったのは、これだった。
敦「もう…貴方なんて要らない。」
それは…信用していた筈の探偵社員からの言葉。
太「ああああああああああああああああ!!」
何故、何故…
その疑問しか頭に出てこなかった。
そして_私は安吾の隙を見計らって外に出た。
あの足枷はピッキングで解除出来た。
どんより空の中を歩く。
私は今、どんな顔をしているのだろうか?
きっと…酷い顔なのだろうな。
その時、ある一つの影が私の前に現れる。
森「やあ、太宰くん」
太「森さん…」
ポートマフィア首領、森鴎外。
森「こんな処でどうしたんだい?」
太「貴方には関係無いです」
森「坂口くんの家を抜けてかい?」
その言葉で足が止まった。
何故、と云おうとしたが、ポートマフィアだったらこれぐらい知っているかと思って、聞くのを諦めた。
森「何故、君は家を抜けたんだい?」
太「関係無いでしょう。」
その次の言葉が私の嫌な予感を的中させた
”探偵社員の皆に裏切られたからかい?”
太「違う」
思わず声を出していた。
森「でも、太宰くんは云われたのだろう?君は必要無いって_
太「違うッ!」
僕は声を荒げた
太「皆は僕を必要としてくれていて_
森「でも、君は裏切られた。」
それが、ずっと…深くに突き刺さった。
森「酷い話だねぇ…福沢殿もここまでやるようになってしまったのか」
太「…何が云いたい」
僕はあまりのショックから思考が回転していなかったのだろうか。
この後来るセリフなんて判っていた。
でも聞いてしまった。
もう後戻りは出来ないのに_
”ポートマフィアに来るかい?”
太「…ポートマフィアに来れば、皆必要としてくれる?」
森「ああ、勿論。皆、太宰くんが大切だよ」
ああ…もう駄目だね。
私は”こっち側”に手を取ってしまった。
その瞬間、大雨が一気に降る。
太「ポートマフィアに…戻らさせて下さい」
その不気味な笑顔。
森「ああ、勿論。歓迎するよ」
その大雨は僕の気持ちを知っているかのように降ってくる。
今更…
ピッピッピッ…
ピー
夜「…太宰?」