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#極道
鷹槻れん

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世羅 鈴🎨🎤
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繭ネ
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「……ごめんっ!」 私と目をを合わせた途端に顔を歪めた麗華は、パッと背けて走っていく。
は、速い!
「ま、待って、麗華!」
一緒に歩いた商店街を走って追いかけるけど、あの俊敏さに追いつけるはずもなく、曲がり角の先に消えてしまった。
圧倒的な違いに気が抜けてしまった私は、足がもつれて膝から転けてしまい、そのまま立ち上がることが出来なかった。
結局、私は変われないんだ。
誰かに依存して、拒否られたらこうやって身動きが取れなくなってしまう、弱い自分。
変わりたいのに、強くなりたいのに。
私は、このまま……
「大丈夫?」
駆け足のように近付いてきた音と、心落ち着く声に顔を上げると麗華が居て、手を伸ばしてくれている。
「麗華……」
戻って来てくれたの? 私が転けたから?
麗華の優しい手に、私の弱さを乗せようとして、手を止める。
「ありがとう。でも、大丈夫」
足に力を入れて立ち上がると、麗華と近い目線となる。
私が莉乃に責められていて麗華が庇うように前に立ってくれた時、背中が震えている姿を見て、守ってもらってばかりなんてダメだと気付いたんだ。
友達は平等な関係。手を貸してもらうんじゃなくて、自分で立ち上がらなければならない。
だってそれは友達じゃなくて、依存の関係になってしまうから。
「あれからイヤなことされてない?」
「うん、私のこと避けてるから。麗華のおかげだよ」
「く、クラス……では?」
あっ。
麗華の苦しそうな表情でようやく気付いた。
麗華は呆れたわけでも、クラスに見切りをつけたわけでもない。
ただ、苦しかったんだ。
確かに日常も平穏も戻ってきてくれたけど、全てが元通りなんてあるはずなかった。
あれからの私は、授業終わりのチャイムが鳴るたびに教室を出て行き、四限目のチャイムが鳴った時なんて膝元にスタンバイさせていた保冷バックを抱えて、一番に教室を出ていくようになった。
だってウカウカとしていたら、授業が終わって廊下から出て来た他クラス生徒たちの雑音が聞こえてくるから。
今日はカレーパンを買うとか、お弁当を食べたら動画撮ろうとか。
キラキラとした生徒たちが明るい場所に向かっているのに反して、私が向かうのは薄暗くジメジメとした屋上に続く階段。その現実を突き付けられたくないから、他の子が出てくるまでに自分にピッタリな居場所まで向かうという、新たな悪習慣が出来てしまった。
中学生のころ、イジメが終われば全てが解決すると思っていたけど、現実はそんなに甘くなかった。
確かに日常も平穏も取り戻せたよ。不意に聞こえる自分への悪口も、危害を加えられることに身をすくめることもなくなったよ。だけど。
私は完全に、クラスで浮く存在となってしまった。
理由はただ一つ。厄介ごとに巻き込まれたくないからだろう。
私と関わって何かあったら、イジメだ、嫌がらせだ、と騒がれるかもしれない。そんな厄介な相手である私に、わざわざ関わろうとするクラスメイトなんかいるはずないもんね。
これがイジメられていた側に残った現実なのだろう。
一方、傍観者であり加担させられた田口さんと笹原さんは、どうなんだろう?
心を痛めて泣いてくれたし、直接謝ってくれたから「二人は何も悪くないよ」と本心からそう返したけど、いまだに私を見る目は辛そうで、後ろめたさみたいなのが伝わってくる。
ある意味、イジメられていた私より辛かったのかもしれない。
そして、イジメを公にした麗華。
イジメられている子を助けようとしたとは言え、仲良くするフリをして相手をダマすようなことをして、それを相談として先生に話した。
結果三人は自宅謹慎、厳重注意を受けた子もいて、学校中にイジメを知られることになってしまった。
その重圧に耐えられるか? ……私にはムリだ。
それなのに麗華はここまでしてくれた。
「どうして、ここまでしてくれるの?」
ねえ、どうして? 私、すごくイヤなやつだったよね?
転校してきた麗華を知らないフリして、クラスで浮いても助けようとしなくて、それなのに麗華は泣いている私に優しくしてくれた。
それから麗華がイジメられても先生とかに相談とか出来なかったのに、麗華は勇気を出してやってくれた。
頭が良くて、冷静な麗華なら、この先の自分の立場とか分かっていたよね?
それなのに、どうして?
「文は、私を一人の人間として関わろうとしてくれた、初めての人、だから」
「……え、人間、として?」
「私はいつも人形扱い、だったから……」
麗華の言っている意味が分からなかった。
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