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あの日から数日後
あんなことなんともないと思ってたけど、思いのほか深く心に刺さったらしく、
まだ、寮の部屋から出られていない。
外に出るのが怖かった。
寮の同じ部屋の子も察してくれたのか、ほかのとこで寝泊まりしてくれているらしい。
迷惑かけてる。
早く、出なきゃ。こんなん、アタシらしくないし。
コンコンッ
、、
「ゴールドシップ。シンボリルドルフだ。無理強いはしないが、今からなら外に出るのに付き添えるぞ。」
迷惑、、かけたくないな
「大丈夫です、。明日には出ます。」
「、そうか。」
制服に袖を通すのは嫌だったから事前にメールをして、私服を着ることを許可してもらった。
スカート履くの、何日ぶりだろ。
ヘッドギアは、、
『僕のものに…』
ガタッ
無理だ。付けれるわけない。
学園のみんな以外に、アタシがゴールドシップだとわからないようにしなきゃ。
ガチャッ
「…。」
部屋を出て、学園へ歩いた。
「、おはようございます、。たづなさん、。」
「ゴールドシップさん!!先日は大変申し訳ありませんでしたっ!!」
「え、?」
「わたしが鍵を閉めるのを忘れてしまったらあんなことに…」
「、大丈夫です。気にしてないので、。では。」
逃げるようにその場を去った。
「あの、ゴールドシップさん、、ですよね。」
「、え。」
「え、っと、事件のことを聞いて、心配だったんですけど、、」
「、ありがとな。」
その子の頭を撫でて、ふっと微笑んだ。
「っ!レースへの復帰、待ってます!!」
「、っ、、あぁ。こんなんでゴルシちゃんは億劫にならないからなっ。」
「、!よかったぁ、、!ありがとうございました!」
その子が去っていって、
アタシはレースから逃げようとしていたと気づいた
でも、、もう、アタシは、、
「レースにはもう出ない?それは本当か?」
「はい、もう、走れる気がしなくて。」
「、本当にすまなかった。私がもう少し早く来ていたら、。」
「いや、会長のせいじゃないし、、」
「とりあえず、トレーナーには伝えておく。」
「ありがとうございます。では。」
「、、、。」
「ゴールドシップさん、?」
「、、マックイーン、。」
「、無事そうでよかったですわ、。」
「、、アタシのこと見捨てといてよく言えるな。」
「、!それは、っ」
「もう、レースには出ない。スピカからも抜けるし、トレセン学園にももう来ないかもな。」
「、なんでですの!あなたには才能が、、」
「あの時マックイーンが助けなかったから、もう怖くなった。違うか?」
「、、申し訳ありません、、っ」
「…。」
マックイーンに背を向けて立ち去った。
トレーナーとスピカのあいつらに最後の挨拶しなきゃな。
「だから、アタシはもうレースには出ない。」
「、、、わかった。だがな、ゴルシ。」
「、?」
「戻りたかったら、いつでも戻ってこい。」
「、はは、っ。いつまでゴルシちゃんに夢見てんだよ。もう、戻ってこれねぇんだよ、。」
ボロボロ涙がこぼれる。もう諦めて欲しい。期待しないで欲しい。もうほんとのゴルシちゃんはいないんだよ。
「そうだな。ゆっくり休め。」
「、ありがとな。トレーナー。」
「どういうこと!?」
「だから、もうスピカを抜けるって何回も言ってんだろ?」
「わけわかんないよ!!なんでゴルシが抜けるの!?」
「テイオー。ゴルシにも事情があるのよ。」
「、っっ」
「そうだぞ。最後くらい、笑顔でおくろうぜ。」
「あんた…いいこと言うじゃない。」
「仲間が悩んでんだぞ?真面目にもなるさ。」
「ゴルシさぁぁあん!!」
「…ほんとに抜けるの?」
「あぁ、スズカ。ほんとだ。嘘じゃない。」
「本音なのかはわからないけど、それでいいの?」
「、、いいんだ。もう。」
「、、」
「じゃあな」
半ば強引に部屋を出ようとする。
「ゴールドシップ?」
「あぁ、マックイーン。アタシもうスピカから抜けたから。じゃあな。」
涙をこらえるように走り出す。
「___!」
なにか言っていたが、聞こえないようにした。