テラーノベル
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『実力派って言う割には歌上手くねぇな。いふって言うやつのせいで余計に下手に聞こえる』
──分かっとるよ……そんなこと
『英語で歌ってみたとか調子乗ってるな』
──俺にはそれしか取り柄がないから
『女声とかぽえ声もいい大人がだしてもキモイだけ』
──知っとる。でも…この声出さへんと俺の存在意義がないから
『いふ民もこんな幼児退行のどこがいいんやら』
──やめて。いふ民まで悪く言わんとって
『ね、まろ。りうらにクソガキって言ってるけど実際はまろの方がクソガキじゃない?』
『正直いふくんとビジネス不仲演じてるけど内心では本当にウザイって思ってるんだよ?』
『まろちゃん。いい加減現実受け止めたらどうや?ここ、いれいすにはまろちゃんは必要とされてないねん』
『まろ。俺の事アニキ、アニキって抱きついてくるけど正味きついわ。』
『まろ』
──やめて、がんばる…がんばるから……おれッ。ないこ……みんなっ!!
『もうファンミも会議も来なくていいよ。いれいすから…ううん、VOISING自体から抜けて』
──やだ、嫌や…なんで…誰もとめてくれへんの..なんで……なんでっ!!!なんでよ……………
「ヒュッ…ぁ”あ”ぁぁあ!!やめてや……もう…やめてよ。みんなが!!リスナーが!!言わんってこと分かっとる……わかっとるけど…──こわいんよ……」
誰にも言えない、誰にも聞こえない声で弱音をはいた。半年前からずっとこの夢をみる。自分の動画のアンチ、いれいすの動画でのアンチ…気にしなければいい……そう思ってたけど無理だった。日に日に弱っていく体がそれを語っている。
ご飯を食べれば吐いて、寝れば悪夢をみて、少しの散歩でも息が上がってしまう。
こんな姿をみんなに見られたらどうなるんやろうな……
あは…あははは、もう疲れたな。今の時間は4時過ぎか………寝てもいいがどうせ寝れるわけないし仕事と編集をやって時間を潰しておこう…ご飯も要らない…
今日はないこの家で8時から会議だから3時間後に用意して行けば間に合うぐらいやから念の為タイマーを設定しとけば安心やな…
あ、隈も隠さへんとコンシーラーで全部隠せるわけないから薄く残す感じにしてみんなに聞かれたら”最近仕事忙しくって、寝る暇ないんよ”って言えばええだけやから大丈夫やろ。
納期まで先の仕事や編集だらけやけど先にやっといても何も問題は無い……ないよ、ね…?
───♢ ♢ ───
スマホのタイマーの音でもうそんな時間が経ったのかと思い、重い腰を上げみんなにバレないようにうっすらと化粧をする。少しばかりないことお揃いで買った香水を手首につける。そうすればいつもの俺の完成。いつもと出る時間を少し早めないこの家に向かう。いつもと同じ道なりなのに長く感じる…やっぱり早めに出てきて正解やった。ないこの家のチャイムを押しチャイム越しに声を掛け家に入る。
「Welcome to Theないこハーウス!!!!!」
「いらっしゃ〜い。まろいつもより早く来たね?どっしたの?」
「んー?なんかいつもより早く目覚めたから今急ぎの仕事と編集もないし暇やから早めに来た〜」
「そういう心意気ほとけにも持って欲しいな。コーヒー入れるけど飲む?」
「ほとけには無理やろww。入れんくてええよ」
「おっけー。それと、まろー?隈すごいけどみんなが来るまで寝てれば?」
「最近仕事忙しいから寝る暇ないからかなwww」
寝たくないけどここで寝なきゃ怪しまれるから目を瞑って寝たフリをしぃひんと…勘がええからな、ないこは………
[newpage]
桃side
まろを見た瞬間、違和感しか感じなかった。いや、違和感しかなかった。いつもはしない化粧をしてライブとか後は俺らと出かける時しかしない香水をつけて俺の家に来た時点で怪しんでたんだけどまろの言葉に矛盾が生んだ瞬間違和感から確信に変わった。
急ぎの仕事がないなら寝れるはずなのに隈が凄いことを言ったら”最近仕事が忙しくて”矛盾しかない。まろを問い詰めるのには1人だと厳しいからみんなに個人で連絡をして早めに来てもらうことにした。みんなからは困惑した様な感じだったけど了承を貰った。
まろがソファに寝そべってから数十分後にぴよにき、いむしょーの順で来た。
「みんな、ごめんね…早めに来るの推奨しちゃって」
「別にええけど。まろはどしたん??」
「まろならもう来てるよ。さっきまで寝そべって携帯いじってたけど少し前に寝ちゃった」
「なー、ないちゃん?なんでみんなに個人で連絡したん??」
「いふくん来てるならグループの方で連絡した方が早かったんじゃないの?」
「その事なんだけど……まぁ、ここで話すのもあれだからみんな中入って。まろ寝てるから静かにね」
みんなを家にあげ、まろが寝てるソファの近くのテーブルにみんなを座らしさっき思ってたことを俺は話し始めた。俺が話終えると一斉にまろのほうをみる。
「ねぇ、まろの目元さ……肌の色おかしくない………?」
りうらがまろの目元にそっと触れると指先に肌色の着色が付き、まろの目元が顕になった。まろの目元は酷いものだった。
何日…いや何週間寝てなければこんな隈の色ができるのだろうか……
みんなして黙り込んでしまう…
ふと、まろの唸り声が聞こえた。
「ぅ”、ぁあ”…いや、ゃ…だ、ヒッ…」
「!?まろ!?!」
「ごめ…んなさ、ぃ…ごめん…ぃゃだよ、が、んば…る…がんッばるッか……ら」
「何に謝ってるんや、まろ……」
「まろちゃん起こさんと……ずっと魘されたままや、よ…な」
「いふくん!!!!起きてッ!!!!!!!!」
「まろ!!!!起きろ!!!!!!!!」
俺といむでまろの肩を揺らす。
うっすらとまろの蒼い目が開かれる。俺といむの顔が近くにあって少しばかりびっくりしてるまろを置いといて涙で濡れてる頬を拭ってあげた。
「……なぃこ?ほとけもどうしたん??」
「まろ………なにか悩んでることない」
「…んふっ、急になんやねんww。なんもあらへんよ」
あぁ…こんな簡単な嘘に……助け舟に気づかなかったなんてリーダーとして相棒として情けなさすぎる…
「ね、まろ。まろが嘘つく時の癖って知ってる?」
「嘘なんてついとらんよ……」
「ほら、また嘘ついた。まろが嘘つく時、視線を斜め下にしてこっちを見ようとしない。あと……手に力入れすぎだよ、まろ」
「…………気のせいやってw。なにぃ、ないこぉ?俺のこと見すぎやってww。てか、みんな来とったんなら起こしてや」
ごめんな、みんなと言ってソファから逃れようとするまろを捕まえソファに押さえつけた。突然の出来事にまろの目がテンになったり他の4人の視線が右往左往しているが関係ない。今ここでこいつを手放したら救えないから
「な、ないこ???急にどうしたん……?はよ、どいてや」
「やだ。絶対どかない。」
「何ふざけたことほざいとるん。さっさと離して会議しようや」
「ふざけてないし俺は至って普通だし絶対に離さない」
「は??ええからどけや」
普段のまろなら俺を振りほどいて逆にやり返すぐらいの元気なのにそれも出来ないくらい衰弱してる。
「…………まろ。そんなに俺は…俺らは頼りないの………。まろが苦しんでるのに放っておけるわけないじゃん。何に苦しんでるの?俺らには話せないことなの……?」
泣くな。泣くなよ、おれ。泣きたいのはまろだ。逃げ出したかったのに今まで頑張ってきたのはまろなのに涙が止まらない。
[newpage]
みんなを心配させたくない一心だった。ただ、それだけだったのに………。
でも、今はどうだ…。ないこが泣いてる、みんなが俺を心配してる。
本当のこと言いたいよ…でも怖いよ。
やだよ。
嫌われたくないよ。
ごめん。ごめんなさい…弱虫でごめんなさい。
───頬に温もりを感じた。ないこの手だった。
「まろ、泣いてるよ…?」
「え?違う違う、泣いとらん…泣いとらんよ。これは…その、ぁの……」
「……………泣いていい。泣いていいんだよ、まろ。まろはずっと頑張ってる…えらこだよ。まろが頑張ってる姿は俺らやリスナー、スタッフ、VOISINGメンバー全員が知ってる」
「そ、ん…なのッ口だけなら言えるやろ」
「口だけやないで……。ないこ、まろ急に口挟んでごめんな」
「あにき……」
「わかんない……わかんないよッ!!!!!!口だけやないって何がわかんの!!!!何処に書いてあるん!!!!動画のコメント??SNSのコメント??DM??どれもこれもアンチまみれ!!!!俺が…おれが……なにしたっていうん……。」
「口だけやないってこと証明したるよ。今から聞け」
「…………」
聞いたって何になるん……どうせ……どーせ…何もかもムリなんャかラ……
あきらめさせてよ…
コメント
1件
読んだ読んだ!!😭💦 もうね、まろくんの心の中のアンチの声がリアルすぎて胸がギュウウウってなったよ…「分かっとるよ…そんなこと」って最初の一行で既に泣きそうだったし、悪夢の中で叫んでるシーンはもう無理、こっちまで息できなくなるかと思った…。 ないこが「絶対どかない」って言い張って、まろの嘘の癖を指摘するところ、すごく好き。相棒だからこそ気づける違和感、ちゃんと向き合おうとしてるのが伝わってきてグッときた。まろが「わかんないよ!!!!!!」って感情爆発させたところ、読んでるこっちも一緒に叫びたくなったよ… 千桜さん、キャラの心情の書き方が本当に上手すぎて、まろの苦しみがダイレクトに刺さる…続きめっちゃ気になる!!😭✨
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