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びび
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支離滅裂とはよく言いますね
広い広い部屋の真ん中に置かれた水槽。その中にぷかぷか浮かんでる自分。それを見てにこにこ笑っている君。
全てが繋がっているようで、でも隔たりを作っていて。ガラスを触れれば割れそうで、でも割れなくて。
君のことが好きなようで、でも、まだわからない。一緒に居る空気は好き、恋かどうかは、また、別。
やることがないので、人間のことを学ぼうと考えた。思い立ったらすぐ行動。
「なー柔太朗ー、なんか本貸してー」
「いいよ、じゃあ水から上がる?」
「うん」
水槽から持ち上げてもらう。1人じゃ全てままならないのが地上の不便なところだ。
部屋の端で机と椅子を出してもらう。そこに時間をかけてゆっくり姿勢を正す。物語を聞くことはあっても、こうやって文章として読むことは海に暮らしているとなかなかない。
字は書けないのでこれから練習しないといけないな、と思いつつ、ページを開いていく。
たくさんの情報量が頭の中に流れ込んでいく感覚。それを少しづつ咀嚼して理解していく過程と瞬間。
ああ、楽しい。今、幸せだ。
俺が一人で楽しんでいるところ、柔太朗は仕事机で公務に追われていた。綺麗な顔に眉に皺を寄せている。もったいない。
手元に目をやると、ペンを使ってサインを書き続けている。
俺の場合、鉛筆の持ち方から勉強しないといけなかった。
コメント
1件
うわ、面白かったです…!水槽で暮らす主人公が「人間を学ぶ」ために本を読むシーン、すごく好きです。情報を咀嚼して「楽しい、幸せ」と感じる瞬間が、まるで世界が広がっていくみたいで。字の練習から始めないといけないっていう視点も新鮮でした。柔太朗との距離感も気になりますね。「好きかどうかまだわからない」って一文に、これからどう変わっていくんだろうってワクワクしました。