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幼馴染の紫さんと黄さん。
御本人様には一切関係ありません。
腐、姫、夢意図はありません。
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数年前、家が隣でずっと一緒に遊んでた奴がいた。何をするにしても一緒で、毎朝一緒に学校へ行っていたし、泊まったりもしたし、家族ぐるみで旅行へ行ったこともあった。でも、中学2年生になって少し経ったときにそいつが親の仕事の都合で引っ越すことを知った。正直かなりショックだった。今にも溢れそうな涙を必死こいて我慢しながら見送った記憶が、脳裏にこびりついている。
「じゃあ、な」
震える声を知らんぷりしながら、強気に別れを告げた。こいつの前で泣きたくなかったから。
「うん。また会おう」
強がっている俺を見て、ふっと笑いながら簡潔に言った。震えた声でもなく、変に強がった言葉でもなく、ただいつもより潤った目で俺を見つめて。
「バイバイ」
手を振った。
車に乗ったお前はいつもより低い位置に顔があるから、なんだかすごく小さくみえて、車のドア一枚挟んだだけなのに、何故かすごく離れているように感じて、ずっと鼻の奥がツンとしたまんまだった。
車が進んだ途端、一気に現実的になって本当に遠くに行っちゃうんだって、胸が苦しくなった。
曲がり角を曲がって、車すら見えなくなったときの喪失感はずっと胸に残っている。