荷物持ちは武器を背負う
とあるダンジョンの深部。
最下層に向かう5人パーティが話し合いをしていた。
「ここまで来ればあとは最下層だ、各自装備の確認をしていてくれ。」
リーダーがそう言うと「了解」と3人はガチャガチャと自分の武器や防具、道具の点検をしていた。
私は荷物持ちだから武器なんて無い。ただ逃げれる様に立ち回るだけ。それが私に出来て迷惑をかけない事だったから。そして今私はAランクの冒険者「白銀の剣」の荷物持ちをしている
「なぁ、お前は荷物持ちやめたらどんな武器を持つんだ?興味があるんだが」
中くらいの短剣。暗殺者の男は不思議そうに私に言った。それに反応したからか、休憩していた残りの2人も
「俺も興味あるな」
「私も見てみたいですね!」
などと尋ねてくる。
なんか困る。私は武器を持つのがあまり好きじゃない。だから荷物持ちを選んでいると言うのに。
「いいんです。私は戦うって苦手だし足引っ張ったらやだからコレでいいんだよ」
私がそう言うと魔法使いの女性は
「そんな事無いって!!1ヶ月お試しで入って貰ってるけど足手まといだなとか感じてないし、なんなら私のフォローまでマジックスクロールでフォローしてるし大助かりだよ?自信持った方がいいよ?」
そんな事は、、
「重たい荷物も軽々と持って歩いてるし身軽さ重視で見たら暗殺系武器とかいいのかもな?」
「……」
「キミには長い事助けられていたりするからもしかしたら武器を持ったら俺たちのパーティーはもっと上が行けるんじゃ無いかとか思っただけなんだ。気にしないでくれ。」
「はい、。」
彼はリーダーでいつもというか毎回フォローしてくれている。ちなみに彼の武器は大きめなバスタードソード。
「……」
さっきからずっと無言で話して来ない彼はタンクで丸い盾と鋭い刺突武器がメインだ。
そしてこのパーティに唯一いる女性は魔法使いで主に補助魔法だが攻撃も出来るというサブリーダーの立ち位置なんだそうだ。
「点検も休憩ももういいぜ?いつでも行ける!」
そうタンクの人が言うと皆顔を合わせて目で会話してる様だった。
「よし!行くぞ!最深部攻略だ!」
「「「「おおー!!」」」」
これがこのパーティーの最後の冒険であり、始まりである
この日、パーティが全滅した。生き残ったのは私だけだった
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