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⚠︎紫赤のBL、奇病

基本的に🔞は入れないつもりです(番外編で書くかも、?)

他メンバーはほとんど出てきません。




3月


葉桜の季節。始業式。

モブ「おー紫ーおはよー」

紫「おはー」

モブ「ゴールデンウィークとかあっという間だわw」

紫「だなw」

そんな、なんともない会話をしながら着席する。

今年俺らは進級し、高3になった。

来年はとうとう大学。この一年はとても大切だ。


クラス発表。

俺はB組、あいつも同じだった。

表情が少し緩む。あいつと過ごす日々を想像し、早く5月が来ることを祈る。

紫「ハァ…」

でもまだ来なくて、そばに居なくて、少し悲しくなる気持ちをため息と一緒に吐き出した。


今は眠っているのだろうか、起きているのだろうか。

毎回会いにいく癖がついてしまったのは君のせいなのだろうか。



今日はぐっすり寝ていた。幸せそうなのか悲しいのか…やっぱ真顔じゃわかんねぇよ…。

……早く来いよ。なんて言っても意味ないことくらいわかっていた。



4月


桜はもう全て散り、夏が近づくのがわかる。まだ気温は涼しく、風もある。

学校生活にもだいぶ慣れた。友達も数人できた。でもやっぱりあいつが居ないと足りない。

充実した学校生活とは言えない。

桃「紫ー先生呼んでたよー」

紫「あ、マジ?いくわ」

桃「生徒会長は毎日大変だなぁw」

紫「…あんま煽んな?ニコッ」(圧

桃「スゥ⤴︎………スミマセン」

紫「よろしい」

いつもうるさい桃がいてもやはり物足りないと思うのは、俺の身勝手さが出ているのかもしれない。

俺、生徒会長になったんだよね、

立候補してさ、先生からも強く押してもらって……すごいっしょ?


『すげー!紫なりたいって言ってたしなw』

『おめでとう』

紫『wwwありがと』


そんな話をしたかった。もうすぐ会えるというワクワクと共に、言いたかったことを伝えられるだろうかと不安になる。



結局いつもと一緒だった。

目をつぶって、真顔で、___もしかしたら死んでいるのではないか。

そう思わないのは、君の優しい寝息が、心地いいリズムが、一刻一刻を刻んでいるからだろう。

もうすぐだな。待ってるよ____________。


5月


今日は特別な日。やっと会える日。きっと誕生日の次に大好きな日。

赤「おはよ」

紫「ッッ!赤!はよ!」

赤「紫元気いいなw」

紫「だって赤に会えたしwニカッ」

赤「ッッ!///そういうとこだぞ、」

紫「??」

赤「あ”ー、もういい!」

久しぶりに会った君は、いつも通りの笑顔で笑って挨拶をする。まるで昨日までいたかような笑顔で。______まぁ、本人はその感覚なのか。

話したいこと、伝えたいこと、たくさんあったはずだった…なのに全て君の笑顔でどうでもよくなっていく。

今はこのまま、いつも通りを過ごしていたかった。その方が、楽しい気がした。

笑ったり、怒ったり、拗ねたり、泣いたり…今までずっと真顔だったのに………なんかずりーわ、お前___///。


赤「紫ー!修学旅行どこいく⁉︎俺クレープ食べたい!」

紫「お前クレープ好きすぎだろwそういえば、ここめっちゃ美味しいって教えてもらった」

赤「マジで⁉︎紫ナイスゥ〜♪………めっちゃうまそう⁉︎いこーぜ!ニコッ」

紫「まぁ、教えてもらったし、行くかw」

そんなわけないのに。赤がクレープ好きなの知ってるの俺だけだし。ちゃんと俺が調べたから___なんて、伝わるわけないのに。

やっぱ自分で赤を笑顔にさせたかったんだよね。人のおかげじゃなくて…俺自身の手で。



赤「でけーw写真とろーぜw」

紫「待てw走んなってw」

赤「あっちすごくね⁉︎_____!」

紫「_______⁉︎w」


赤「うんまぁ〜……ニコニコ」

モグモグ

紫「………w」

赤「ッッ!なに、?」

紫「いやwうまそーに食べるなってw」

赤「めっちゃうまい!紫あざっす!」

紫「はいはいw」

よほど美味しかったのだろうか、ハムスターみたいに口いっぱいにクレープを頬張る赤がおかしくて、愛おしくてたまらない。

紫「赤、一口ちょうだい」

赤「?いいけど、あんま食べんなよ?」

そう言って食べかけを差し出してくる君に純粋さと危なっかしさを覚えながら一口食べる。

いちごクレープのクリームの甘さといちごの甘酸っぱさがよくマッチしていて美味しかった。久しぶりに食べるのもなかなかいいものだ。



紫「てか、赤がくれるとは思ってなかったなぁ〜wニヤニヤ」

少し煽り口調で尋ねてみる。

赤「??普通にあげるけど…………ッッ‼︎///違うッッ!そういうんじゃないからッッ!///」

紫「へぇ〜?w」

赤「紫ッッ‼︎」

やっと気づいた。鈍感にも程がある。気にして顔を真っ赤にしている赤。

______この顔は俺だけのもの…なんて。




去年の冬。


2月後半


赤「紫!見て!ドラ◯ンボール!」

紫「芸術センス高っw」

たまたまクラスが一緒になって仲良くなった。そこからだんだん君に惹かれて、親友になって。

久しぶりに雪が降った。外に出て楽しく遊んでいた。雪合戦とか、そりとか。



でも、午後から赤の様子がおかしくなった。

すごく眠そう…というか、記憶が朦朧としていた。

紫「赤??大丈夫?帰る?」

赤「………?うぇ、?なんて………?」

その瞬間だった。一瞬だった。

紫「ほんとに大丈_____」

バタッ(倒)

赤が突然倒れた。

別に熱はなさそうだったし、体調が悪そうなわけでもない。どうすればいいのか分からず親に電話して救急車を呼んでもらった。


その後、赤のお母さんが来て教えてもらった話。


赤は昔から『春眠病』という奇病にかかっているらしい。

『春眠病』とは

春夏秋冬の中で、春の時期だけ眠りにつく奇病で、必要最低限の食事、排泄などは対象者が無意識で行っている状態。

立夏が訪れる五月上旬まで対象者の意識は戻らないと言われた。

赤の場合、風呂なども無意識のうちにしているらしい。春眠病の中ではとても珍しいと言われていた。そして、目覚めるのはいつも5月1日の午前0:00。

赤は毎回5月1日から学校に通い始める。



その日から赤が”いない”生活が始まった。

5月1日が早く来ることを願って______。

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