冬休みが過ぎ…
俺はいつもどうり、学園の中や外をブラブラ歩いていた
「なんだかんだ、歩きたくなるんだよな」
「ねぇ!あの子ってさ!」
「メジロフレイムだよ!無茶なレースでも勝って、しかもGIIを制覇しているのよ!」
「顔とか声が素敵!」
「…レースに勝つとやたら注目浴びるんだよな」
「あら、すごいことじゃない?」
『この声…』
俺はすぐにわかった。俺が超えたいウマ娘メジロラモーヌだ
「なんだラモーヌか」
「中々いい評判じゃないフレイム、注目が高いじゃない」
「まだ俺の目標は達成してねーのに…トリプルティアラの考えは規模が広い」
ラモーヌは、最初のトリプルティアラの称号を得ている。しかし、この学園ではデアリングダクトという生徒がいて、史上初の無敗のトリプルティアラの称号を得ている。
「あなたは幼少期私たちの走りを見てきた。短距離、マイル、中距離、長距離を見てきたけど、ついにフレイムもその中に入ったか」
「当然さ、俺もメジロとして恥かく訳にはいかねーからな」
「すごい!ラモーヌ先輩とフレイムさんが!!」
「中々見ない組み合わせ!!かっこいい!!」
「相変わらずラモーヌのオーラはすごいな」
「フレイムのオーラもすごいわ。そういえば、フレイムと併走をお願いしたくて」
「構わねーぜ」
「距離はどうする?」
「宝塚でどうかしら?」
「OK!」
ラモーヌとフレイムはスタート地点に並び、スタートした。
「凄い!ラモーヌ先輩が前だ!」
「フレイムさん差し切れるのかな?」
(確かに狙ってくる…けどまぁまぁね)
(さすがだな…けど俺の力舐めんじゃねーぞ!)
「!!!!」
ラモーヌのすぐ後ろについた。あれだけの差を詰めてきたフレイムの末脚はキレている!
そして2人はゴールインした。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「中々やるじゃない、けどまだまだね」
「まだクラシッククラスに入ったばっかだからな、油断してられねーよ」
「…最近のメジロは戦績はまぁまぁ。ここ数年は”メジロ”の名がない、けど、フレイムが唯一の希望…期待は高まるわ」
「…勝って、ラモーヌを超えてみせるからな!」
「期待してるわ…」
ラモーヌはその場を後にした。
(…彼は後から名付けた子、期待は低そうね)
カフェテリア
「姉さんと走ったそうですね」
「まぁな、オーラも全然違ぇからな、見ていた奴らも驚き」
「…大丈夫そうでしたか?」
「え?」
「姉さんとの関係…」
「まだ分からない…大した結果残してねーからなぁ」
(ラモーヌ先輩との関係?)
その後ろを聞いていたローマ。喧嘩でもしたのかと思っていた。
「ローマ?」
「…え?」
「もうローマったら!話聞いてた?」
「ごめんテイオー!考え事しちゃって!」
「…後で併走お願い!」
「ごめん!今日違う併走相手お願いされちゃって!」
「えぇ〜!誰なの〜!!」
「ローマさんとテイオー?」
「…今日もトレセン学園は賑やかですね」
「そう…だな…」
放課後
「1、2、3、4…」
生徒会室
「今日さ!ローマと併走お願いしたのに断られちゃったよ!」
「仕方ないさ、ローマもたまに忙しいことがあるんだ」
「ブーブー!!」
「…僕と?併走?」
「あぁ、あいにくキタサン達は忙しくて、グランなら相手になれると思ってな」
「…いいの?こんな僕と…?」
「気にすんなよ!さてやりますか…?」
「…あれって」
2人の視線の先はスクーデリアローマがいた。その時。
「待たせたかしら?」
「いいえ、ちょうど準備体操してたところですよ!」
「ラモーヌ?!」
「…あれがメジロラモーヌさん!」
「紅き跳ね馬と併走とはな」
「距離どうします?」
「オークス、ダービーと同じ2400で」
「分かりました!」
2人はスタート地点に立ち、走り始めた。
「よーいドン!」
合図と同時にスタートしたローマとラモーヌ。先行はラモーヌだ。
(さて…跳ね馬の走りを堪能しようかしら)
「凄い!ラモーヌ先輩が前だ!」
「いや…ローマさんが差し切るもな」
スクーデリアローマの持ち味の末脚は誰も真似出来ない。まさにウマ娘のF1マシンのような速さを持っている。
その後、最終コーナーを駆け抜けた2人。ここで…
有馬記念で見せた翼が見えた!
「え?今…翼出てない?」
「出てるよ!あの時みたいに!」
(やっぱり来たわね、差し切れるかしら?)
前を行くラモーヌは驚かなかった。それは重々知っている。
しかし…
「!!!!」
「え?!」
後方にいたローマは、瞬間移動したかのようにラモーヌを抜き去った。
ローマが先にゴールイン。その後にラモーヌがゴールインした。
「ねぇ、ローマさん瞬間移動していなかった?」
「してた、凄いなローマさん!」
「私の負けね…」
「いえ、ラモーヌ先輩も凄かったですよ!」
「…憧れの後輩も貴方のようになりたいと思っているわけね」
「憧れの後輩?」
「そのうち分かるはずよ…併走ありがとう」
「あっ…こちらこそありがとうございます!」
(憧れの後輩?分からないな…)
「フレイムさん、憧れの後輩って?」
「…俺のはず、分からないけど、必ず頂点に並ぶようなウマ娘になりたい!グラン、今日は長距離するよ!」
「ちょ…長距離?!」
「いいから付き合え!」
「は…はい!」
翌日
チームスクーデリア トレーナー室
「フレイム、ラモーヌ先輩の事教えてくれない?」
「ラモーヌの?いいですけど…」
「…君の姉さんはトリプルティアラの称号を最初に獲たウマ娘だけど…」
「…オーラが凄い、自分で判断出来る人ですよ」
「そうなの…」
「でもなんでそんな事聞いたんですか?」
「いや…ラモーヌ先輩凄い圧がやばくてね!!」
「それがラモーヌですよ…」
昨日の事がまだ分からないローマ。後にその事が分かるのはまだ先だ…
放課後
「さて、皐月に向けてトレーニングっと…」
三井は、チームインパルのGTテストに向けて鈴鹿に行っており、ローマはチーム一員の資料の片付けを行っているため、フレイム自主トレを行っている。
「フレイム、トレーニングかしら?」
「ラモーヌ?皐月に向けて自主トレ」
「そう…」
「…で、要件は?」
「…併走、お願いできるかしら?」
「また?構わねーけど」
「…どれぐらいフレイムが変わっているか?」
「大して変わるか?」
「確認よ…」
「よーいドン!!」
2人は同時にスタートした。先行はラモーヌ、後方からフレイムという展開。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」
「…前に言ってた事覚えてるかしら?」
「え?」
「君は最初からメジロでは無い事」
「…そうか?」
「…変わったわ、弱々しい貴方が今になったとは」
「変わった事そこかよ…」
「いいえ、まだ変わり始めよ!」
「変わり始めっていつからだよっ!」
2人ははスパートをかけた。名門メジロの2人。そして2人はゴールインした。
「いい走りだったわ」
「変わらず走りのオーラは変わらねぇな」
「…期待してるわ」
「え?」
「…三冠よ、最近のメジロは散々だし、貴方が有望だわ」
「…確かなに、期待に答えられるようになる!」
(期待してるわ…フレイム)
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