TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

⚠️ご本人様には一切関係ありません

映画のネタバレ注意

今回は少しkrym×szk要素あり






wki  side



w「どうしたッ!!」



咄嗟に体が動き、鈴木の元へ駆け寄る。



s「ぐッ、はぁッ…ッ……あ”ッ…、!!い”ッっ……、あ”ぁ”ッ……、!!!!」



鈴木は額に汗をかきながら苦しそうな声をだしている。


床に蹲り、腰に手を当てていた。



f「さっきまで普通に話してたんだけど急に苦しそうに腰を押さえだして…ッ!どうしよう若井!」


w「おい!鈴木ッ!!」


s「はーッ、…っ”、!ッ、、く”、り”ッ、とっ、ッう”、…て、、ッ…く”ぁ、”さッ”……、ぅ”ッ、!! 」



申し訳ないが聞き取れない。


そもそも俺は何故か焦っていた。


勿論、鈴木が苦しそうなのも見ていて楽しいものでは無いし早く助けなきゃという思いもある。


ただ、どうしても、


鈴木が元貴の姿と重なって見えてしまう。


別人だと理解はしている。


だが、長年一緒にいる元貴に面影が似ているからかどうしても錯覚してしまう。



k『鈴木ちゃんッ!?!?いつもの発作ッ!?大丈夫ッ!?』


o『えッ、なに、鈴木ちゃん大丈夫…?』



電話の向こうからの桐山さんの声でハッと我に返る。


涼ちゃんも同じような反応をしていたからきっと考えていたことは同じなのだろう。


目の前では未だに苦しそうにもがいてる鈴木がいる。



k『鈴木ちゃんッ!!俺の声聴こえるッ!?』



俺はなるべくスマホを鈴木に近ずける。


鈴木は苦しそうにしながらも桐山さんの言葉に首を縦に降った。



w「桐山さん、声は聞こえているようですが言葉が出ない様子ですッ、なにかすべき事はありますかッ!」


k『薬を早くッ、…、あぁクソッ、俺のところにあるッ…、えっと、……あッ、! 鈴木ちゃんのポケットに予備の薬が入ってるはずッ、 常温の水で2粒飲ませて!』



動けないままの鈴木のポケットに手を突っ込んで中を漁る。


数粒の薬が入った小さな瓶を探し出し、薬を2粒鈴木に差し出す。


鈴木は浅い呼吸をしながら震えた手で薬を受け取った。


涼ちゃんはリビングにあった未開封のペットボトルの水の蓋を開けてからそっと鈴木に渡す。



s「んッぐッ……、はぁッ……げほッ…、はぁッ、はーッ、……すみ、ません、ありがと、ござい…ました、」



まだ整っていない呼吸のまま無理に笑顔をつくってお礼を言う鈴木に何故か心が締め付けられた。



k『鈴木ちゃん落ち着いた?大丈夫?』


s「はい、もう大丈夫、です。きりやまさんも、ありがとうございました。」


k『良かったぁ……、鈴木ちゃんになんかあったら、俺どうしたら………』


s「はは、大袈裟ですね。」


k『いやほんとのことだよ……。無理しないで…ちゃんと俺に頼って。』


s「…善処しますね。」



2人の会話を聞きながら、先程桐山さんが『いつもの発作』と言っていたのを思い出す。


鈴木は頻繁に発作が起きる程の病を患っているという可能性が頭よぎり、自身の顔が青ざめる。


そんな彼を俺はついさっき、咄嗟の怒りの感情に身を任せて壁に押付けた。


俺は不味いことをしてしまったのかもしれない。






krym  side



大森くんの音楽活動の話を聞いていると電話の向こうがなにか騒がしいことに気づく。


よく聞けば鈴木ちゃんの苦しそうな声が聞こえる。


まさか、また若井くんと揉めてる?と悩んだが鈴木ちゃんを心配する若井くんの声に咄嗟にでかい声が出た。


隣にいた大森くんが驚いて肩を揺らすのが目に入った。


大森くんには申し訳ないが、此方は命に関わる大事だ。


薬を飲ませれば症状は緩和するがその肝心な薬が入った入れものは今俺の部屋にある。



s『ぐッ…あ”ぁッ…!!、ふ”ぅ”ッ…ッ…、』



鈴木ちゃんの苦しそうな声は治まりそうにない。


頭をフル回転させ、なにか方法がないか探し出す。



s【一応、予備の薬も持ってるんです。……人生、何があるかわからないですから。】



何故か目を伏せ、悲しそうな顔で言葉を紡ぐ鈴木ちゃんを思い出した。


鈴木ちゃんのポケットに数個入っている予備の薬、それを若井くんに伝えると電話の向こうでバタバタと行動に移す音が聞こえる。


これでひとまず安心だろう。



k「鈴木ちゃん落ち着いた?大丈夫?」


s『はい、もう大丈夫、です。きりやまさんも、ありがとうございました。』



未だ息を荒くしているが先程までの痛みは無いとかみたいで安心した。



【人生、何があるかわからない】



そう言っていた彼の瞳は濁っていて、人生に、生きてるのに疲れているように見えた。


鈴木ちゃんがこれまでどう生きてきたのか、彼に何があったのか、何が彼の考えをそうしたのかわからない。


けれど、俺は鈴木ちゃんにずっと傍に居て欲しい。



o「見せつけてくれますね…。…えーと、これは聞いた方がいいのかな……。」



大森くんが恐る恐る俺に話しかける。


少し小声なのは電話の向こうの人に聞かれないためだろうか。



k「なにか気になる事ある?」


o「えと…、聞くのも失礼なんですけど…。桐山さんと鈴木ちゃんって、どういう関係なんですか?」


k「えッ、関係…?うーーん…、」



そう聞かれ、どう答えればいいか悩む。


鈴木ちゃんは俺の友人。


唯一の親友。


ずっと一緒に居たい人。


大切な存在。



あれ?



o「なんだか、おふたりの間だけ雰囲気が違って見えて…。きっと、桐山さんにとって大切な人なんだなぁって。」



もしかして、



k「ぁ、俺……、鈴木ちゃんのことが好きなんだ……。」


腑に落ちて何となく納得した。






o「え”ッ、……もしかして、今自覚したんですか………?????あんなに見せつけてきたのに…????? 」



















loading

この作品はいかがでしたか?

1,380

loading
チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚