テラーノベル
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⚠️ご本人様には一切関係ありません
映画のネタバレ注意
今回最後の方にwki.fzsw×omr要素あります
szk side
危なかった。
急に腰の痛みを感じ、薬を探したが桐山さんの所にあることを思い出して絶望した。
死にそうになりながら電話の向こうの桐山さんに助けを求め、おふたりの力も借りながら何とか予備の薬を飲むことが出来た。
あぁ、なんか疲れたな。
早く元の世界に帰りたい。
家に帰って1人でいた方が気が楽。
誰にも気を使わず、素のままでいられる。
あ、サテツにも迷惑かけてるかも。
早く帰らなきゃ。
早く帰って、ちゃんと計画を練って、
必ず、僕の手で復讐を──────
f「鈴木ちゃん、?」
s「ぁ…、どうしました?」
f「いや、少し雰囲気が……、んーん!やっぱりなんでもない!体調は大丈夫?もうどこも辛くない?」
s「えぇ、もう平気です。」
自分でも笑顔が引き攣ってるなとわかる。
人と話すのは体力がいる。
猫を被るのもだいぶ疲れた。
はぁ、何か胃が気持ち悪い。
帰りたい。
w「…顔色、悪いけど大丈夫か、?」
s「へ、」
w「体調悪いなら横になって。なんか暖かい飲み物でも入れるから。」
s「ぇ、あぁ、ありがとうございます…。」
若井さんが優しい。
急にどうしたんだろう。
頭にはてなマークを浮かべていると藤澤さんがにっこりとした笑顔で近付いてくる。
f「…きっと気にしてるんだよ。さっき鈴木ちゃんに乱暴に当たっちゃったこと。大切な元貴が居なくなって若井も混乱しただろうし。ホントの若井は優しいから、許してあげてね。」
s「はぁ…、」
あやふやな返事になってしまったが藤澤さんはキッチンにいる若井さんのことをにこにこと満足そうに眺めている。
本当の若井さんはこっちなのだろう。
人にやさしく、大切なものの為には全力を出し切れる。
あぁ、なんて眩しいんだろう。
こんな大人に、僕もなれていたら。
w「…はい、ホットミルク。」
s「…ありがとうございます。」
若井さんから受け取ったホットミルクは心から暖まる優しい味がした。
wki side
急に態度変えたから驚かせてしまった。
元貴がいなくて、心配で心配で…どうしようもない不安が心を埋めつくしていた。
そのせいで何も悪くない鈴木に当たってしまった。
どこか体調が悪そうにしている鈴木はマグカップを両手で持ちながらチビチビとホットミルクを飲んでいる。
………なんか、猫みたいだな。
f「……なんか鈴木ちゃん猫みたいだね。」
s「…それ、桐山さんにも言われます。」
f「あ、やっぱり?wなんか黒猫っぽい!」
s「褒め言葉であってます?それ。」
キャッキャとソファで話をしている2人を横目に少し安心する。
無駄に大人びている彼は人との間に何枚もの大きな壁を作っている気がする。
初対面である俺達には勿論、きっと付き合いが長い桐山さんに対しても。
彼の本質が分からない。
プルルルルルルル
唐突にテーブルの上に置かれた鈴木のスマホが音を立てる。
何回か鳴っているのに一向に電話に出る気配がない。
どうしたのかと鈴木の顔を伺うと怯えたようにスマホを見ていた。
s「ひッ…、!ぅ…、」
顔は青ざめ、身体はカタカタと震えている。
f「鈴木ちゃん…?大丈夫?どっか痛い?」
s「ぃえ、…、だいじょ、ぶです…、だいじょうぶ、ぼくはへいき、へいきです……、」
様子がおかしい。
なにかに脅えているような、なにか怖いものを目の当たりにしたような反応に俺と涼ちゃんは目を合わせる。
すると突然鈴木がスマホを持って立ち上がった。
s「…ッ、でんわ、出てきます…。」
リビングの扉を開いて廊下へ出ていく鈴木を俺たちは唖然としながら見ていた。
f「なんか、鈴木ちゃん、怯えてなかった?」
w「……電話の相手に対してか、それとも電話自体に対してなのか……、さっぱりだね。」
f「……ふふ、若井、めっちゃ心配してるでしょ。」
涼ちゃんににやにやしながら言われ、ギクリとする。
w「…そんなことない。」
f「図星だな〜?顔に出てるよ。」
w「涼ちゃんうるさい…。」
涼ちゃんは人の表情をよく見ているからこういう場面での嘘は通用しない。
普段はほんわかしてるのになんでこういう時に限って鋭いんだろう。
f「伊達に長年一緒に居ないからね。すぐわかるよ顔で。…んで、心配なんでしょ。」
w「……まぁ、それなりに。」
f「素直じゃないなぁ…、元貴に対してはあんなに積極的なのに別の人とはこうなっちゃうんだから。」
w「元貴は別。だって恋人だもん。」
f「まぁそうだよね。…でも、僕だって元貴の恋人だけど?」
w「……しょうがないじゃん、元貴がどっちかなんて選べないって言うんだもん。俺だって元貴独り占めしたいのに…、」
f「僕も同じ考えだからね??てか、独占欲強すぎだよ若井は。元貴に嫌われるよ?」
w「元貴が俺の事嫌うなんてことないです〜。」
k「大森くん、愛されてるね…。」
m「ぁ、アイツら……、」
恥ずかしそうにキレている元貴の声が電話越しに聞こえたのは聞かなかったことにしよう。
コメント
6件
えぐ神やん
はー!!続き待ってました!!めっちゃいい…!!
最高すぎます🥲! 続き待ってます🫶🏻🫶🏻