「………え、さもさんどうしたの」
梅雨時、俺の家の前でさもさんがずぶ濡れのまま泣いてた。
「……………人を殺したんだ」
夏は始まったばかりだというのに、真冬の中にいるかのように、さもさんは酷く震えてた。
「殺したのは隣の席のいつも虐めてくるアイツ」
「もう嫌になって…肩を突き飛ばして…」
「打ち所が…悪かったんだ」
「………もうここには居られないと思うしさ、どっか遠いところで死んでくるよ」
そんな君に、俺は言った。
「それじゃ俺も連れてってよ」
─────これはそんな一言で始まった。あの夏の記憶だ。
コメント
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あの夏が飽和するだ、、、期待が高まる