テラーノベル
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(共同生活を送る一軒家のダイニング。昼食時。テーブルには大皿に盛られた唐揚げが並んでいる)
りゅうき
(唐揚げを山盛りに皿に取る)
うおー!今日の唐揚げ、最高だぜ!キュウリと唐揚げがあれば、俺は無敵だ!
かいと
(りゅうきの隣に座っていたはずが、いつの間にか透明になり、唐揚げの山に手を伸ばしている)
(モグモグ)ん~、揚げたては最高だねぇ。
れあ
(かいとが透明なまま唐揚げを食べていることに気づき、フォークでかいとのいるはずの空間を突く)
おい、透明デブ。お前、また透明になって食い逃げしようとしてんじゃねぇだろうな。ちゃんと見えてんだよ、その食欲の塊が。
かいと
(フォークが当たる音)
いてっ!れあ、なんで分かったんだよ!
りこ
(呆れ顔)
そりゃ、あんたが透明になっても、唐揚げの減り方が異常なんだから、誰だって気づくでしょ。
みさき
(椅子の上で膝立ちになり、テーブルの上の唐揚げに手を伸ばすが、なかなか届かない)
もう!なんで私だけ届かないのよ!身長が足りないって、こんな時ばっかり実感するんだから!
かずき
(みさきの隣で、自分も背伸びをして唐揚げを見上げる)
みさきちゃん、がんばれー!僕も届かないや……。
すいれん
(笑顔で、みさきとかずきの皿に唐揚げを取ってあげる)
はい、どうぞ!ちゃんとみんなの分はあるからね。
ひでゆき
(唐揚げを頬張りながら)
うめぇ!この唐揚げ、野球で言うなら満塁ホームラン級の破壊力だぜ!
ひろふみ
(静かに食事をしながら、心の声:『かいとくんの食欲は底なし沼のようだ。みさきさんの身長コンプレックスも、能力の原動力になっているのだろうか……』)
【シーン2】 街の異変 - 消える物、消える人影
(SE: ざわめき、風の音)
(午後。佐世保の街。最近、奇妙な現象が報告されている。物が突然消えたり、人影が一瞬で消えたりする)
(かいと、みさき、かずきの3人。クロードの指示で、最近報告の多いエリアを巡回している)
かいと
(透明になりながら、街角の掲示板を指差す)
クロードさんの情報だと、この辺で『物が消える』って報告が多いんだよな。
みさき
(周囲を警戒しながら)
もしかして、悪霊が透明になって、物を盗んでるのかも。
かずき
(不安そうに、周囲をキョロキョロ見回す)
なんか、ゾクゾクするね……。
(その時、目の前の公園で、子供が持っていた風船が、突然フワリと消える!)
子供
えー!僕の風船が消えたー!
通行人C
まただわ!最近、こんなことばっかり!
かいと
(風船が消えた場所を凝視する)
……見えないけど、何かいる。
(かいとが透明になったまま、風船が消えた場所にゆっくりと近づいていく。すると、彼の体が、まるで何かにぶつかったかのように、一瞬揺らぐ)
かいと
(小声で)
いた!やっぱり透明な悪霊だ!
(悪霊は、かいとの存在に気づき、彼に向かって不可視の攻撃を仕掛けてくる!かいとは透明なまま、その攻撃をかわす)
みさき
(状況を察し、無線に)
クロードさん、かいとが透明な悪霊と接触!姿が見えません!
クロード(無線)
(声のみ)
了解した。みさき、かずき、君たちの能力で、かいとを援護しろ。特に、かずき、君の『飛ぶ』能力が重要になる。
かずき
(緊張した面持ちで)
僕が……?
【シーン3】 公園の攻防 - 見えない敵との戦い
(SE: 風の音、不可視の衝撃音)
(公園。透明な悪霊と、透明なかいとの攻防が続く。悪霊は、姿が見えないのをいいことに、子供たちや通行人を狙って、物を消したり、足元を崩したりしている)
かいと
(透明なまま、悪霊の攻撃をかわしながら)
くっそ、見えないとやっぱやりづらいな!どこにいるんだ、このデブ悪霊!
れあ(無線)
(声のみ)
デブはお前だ、透明デブ。視界を遮るものがないなら、お前がぶつかって場所を特定しろ、この脳筋!
かいと
(ムッとするが、れあの言葉にハッとする)
そっか!ぶつかればいいのか!
(かいとは、透明な悪霊に向かって、透明なまま体当たりする!)
(SE: ドン!という鈍い衝突音)
悪霊(隠形型)
(衝突した場所で、一瞬、空間が歪むような現象が起こる。その姿が、わずかに、しかし確実に露わになる)**
みさき
(その隙を見逃さず、近くにあった小さな石に触れ、一気に巨大化させる!巨大な石が悪霊の姿が歪んだ場所に直撃する!)**
そこよ!くらえ!
悪霊(隠形型)
(攻撃を受け、再び姿を消そうとするが、その動きが鈍る)**
ひでゆき(無線)
(声のみ)
よし!今だ、かずき!野球で言うなら、ここはスクイズだ!思いっきり飛んで、悪霊の頭上から何か落とせ!
かずき
(ひでゆきの言葉に、緊張しながらも頷く)
う、うん!
(かずき、小さな体で、フワリと空中に浮かび上がる。まだ不安定で、風に流されそうになるが、必死にバランスを取る)
すいれん(無線)
(優しい声で)
かずきくん、大丈夫!落ち着いて、できるよ!
ひろふみ(無線)
(心の声:『かずきくんの心に、恐怖と、それを乗り越えようとする強い意志が……!』)
(かずきは、上空から悪霊のいる場所を見下ろす。悪霊はまだ透明になりきれていない)
かずき
(意を決して、公園の木から落ちていた小さな枝を掴む。そして、それを悪霊の頭上めがけて、渾身の力で投げつける!)**
(SE: ヒュッという風切り音、パシッという軽い衝突音)
(小さな枝は、悪霊の頭部に命中する!悪霊は、透明化がさらに不安定になり、その姿が、まるで水面に油を垂らしたように、ゆらゆらと揺らぎ始める)
悪霊(隠形型)
(苦悶の唸り声を上げる)
かいと
(悪霊の姿が揺らいだのを見て、再び体当たり!今度は、悪霊の体が完全に実体化する!)**
実体化したぞ!みんな!
りこ
(実体化した悪霊に向かって、地面に触れ、その硬度を最大限に高める!悪霊の足元が地面に縫い付けられる!)**
動けないわよ!
ともか
(冷静に、時計を見ながら)
動きが完全に止まったわ。今よ!
りゅうき
(悪霊に向かって、巨大なゴミ箱を念動で浮かせる)
くらえ!キュウリの怨念がこもったゴミ箱だ!
(巨大なゴミ箱が悪霊に直撃する!)
悪霊(隠形型)
(断末魔の叫びを上げ、黒い煙となって消滅する)**
ひでゆき
(ガッツポーズ)
よっしゃぁ!ナイスプレイ!かずき、お前、最高のスクイズだったぜ!
かずき
(地面に降り立ち、ホッと息をつく)
僕、できた……!
みさき
(かずきの頭を撫でる)
かずき、すごいよ!よくやったね!
かいと
(透明化を解き、再び唐揚げを探し始める)
あ~、腹減った。戦うとすぐ腹減るんだよなぁ。
れあ
(無線から)
お前は戦ってなくても腹減ってんだろ、透明デブ。
りゅうき
(ゴミ箱が消滅した跡を見て)
あ、俺のゴミ箱が……。
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