💙×💛 ※付き合ってます
💙視点
机上に置かれた缶ビールを一気に傾けて飲み干す涼ちゃんを見つめる。今日は久しぶりに宅飲みをしよう、と言うことで3人で集まったのは良いものの、酔ったらめんどくさいからという理由で少しずつでしか飲ませて貰えない。
「無理だよ若井には。」
隣にいた元貴が突然呟く。俺の視線を観察していたのか、心当たりしかないセリフにむっ、とする。
「ちがーうよ。飲みたいから見てたんじゃないの、涼ちゃんがかわいいから見てたんだよ。」
「もう酔ってんじゃん。はい没収ー。」
目の前に置かれていた缶チューハイを元貴に取られ、流れるようなスピードで飲み干されてしまう。そんな様子に、ふと思ったことを口にする。
「もときと関節キスーー!!涼ちゃん嫉妬したぁ!?!?」
「ん〜…?あ、それ僕も飲みたかったやつ。新発売だよね。」
「そう、後ちょっと残ってるよ。飲む?」
思っていた反応よりも薄く、逆に元貴と関節キスをしようとする姿に嫉妬しそうになる。
「だー!!!!だめです!犯罪です!」
「何今の、だー!って。」
「べつに良いだろって!!!!!」
思考がふわふわしていて、正直自分でも何を言っているか分からない。元貴と軽い口論が始まりそうになった時、頬に冷たい何かが触れた。
「水飲んで、若井。」
冷えた水が入ったグラスを俺の頬に当てる涼ちゃんが居た。そんな様子がいつもより輝いて見えて思わず涼ちゃんに抱きつきそうになる。
「俺の天使ー!!♡♡」
「酔い冷めるまでハグ禁止。」
ぴしゃりと言い放たれ、そっと肩を押されて制止されてしまった。何故だか、酔った時の涼ちゃんは毎回冷たい。それに不満があるという訳では無いと言ったら嘘になるだろう。甘えたい、そんな思いが溢れ出しそうになった時、変なことを口走ってしまった。
「…おれが浮気したら、りょーちゃんどうする?」
飲み物に口を付けようとしていた涼ちゃんの手が止まった。少し考え込んだ後、いつもより感情を感じさせない冷たい瞳が向けられる。
「僕の前に浮気相手呼んで、若井に殴ってもらう。」
「え……?」
サーッと血の気が引くのが分かる。俺の頭の中の涼ちゃんは浮気されて泣いていたはずなんだけれど。
思っていた以上の答えに怯えていれば、そっと元貴が肩に触れる。
「軽率な発言はするもんじゃないよ。」
そう言った元貴の顔が同情味に溢れていた。絶対に涼ちゃんを怒らせないでおこう、と心に誓った。
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