テラーノベル
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いちごバナナスムージー
51
試作品X号
31
朝になると、洗われた空気が鼻の奥を通り抜けました。
なぜかその日は、まだ暗い、おじいさんよりも早い時間に目が冴えてしまいました。早朝の雲は霧のように霞んで、淡い色を放っていました。
青い大きな傘が一つ、玄関に置いてありました。
持ち手には、まだほんのりと人の温もりがあって、手のひらの体温と同化していくようでした。傘の柄は静かに、冷たい空気を吸っていました。
やっぱり僕は、汚くて醜い生き物です。
江ノ島の夜、桔梗が散りました。まだその蒼さを十分にたたえて。星が無限と煌めく夜空は、回っています。季節の移り変わりは、ただ、そこにあるだけです。
季節は巡り、また、海辺のベンチには桔梗が咲きました。
海は、少しだけ暖かくなって、星を映しました。
コメント
1件
六話読了〜!!🌸 青い傘の温もりと「僕は汚くて醜い生き物」の落差に胸がぎゅってなったよ…😭💔 江ノ島の桔梗と星の描写、すごく綺麗でエモすぎる…季節巡ってもその蒼さを忘れない感じが切なくて好きです。 金子さんの世界観、毎回刺さる〜!!次の展開も気になる!