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葉っぱ
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榎本くもり
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「好きな人でもできた?」
急にそんなことを言ってきたのは、幼馴染の『彼』だった。
「は?なんで急に」
「だって、最近なんか楽しそうじゃん?中学の時はずっと仏頂面でムスッとしてたのに、最近はなんか雰囲気が柔らかくなったというか、優しくなったというか」
「それ、ちょっと貶してない?」
『彼』とは保育園から一緒でクラスも中学時代からずっと一緒。
所謂「腐れ縁」というやつだ。
成程、長年一緒にいるとそんなとこまで気付かれてしまうのか。
「さすが、幼馴染さま。隠し事は無理ってか」
そう茶化しながら言ってやると、『彼』は目をひん剥きながら後ずさった。
「素直なお前気持ち悪っ!!てか、え?マジで好きな人いるのかよ!!?」
「うるせぇ!声がでかいんだよ、お前は!!」
「だって、恋愛なんか興味ありませんって感じだったじゃんずっと!!ついに幼馴染に春が来た!」
大声ではしゃぎまくっている『彼』。なんなんだこいつは。
「別に、いつ恋愛しようが勝手だろ。いちいち大袈裟な奴だな」
「いいや、違うね。初恋もまだだった幼馴染に好きな人ができたんだ。これはビッグニュースだろ!!」
「いや、初恋はしたことあるけど」
「は!?それも聞かせろ!!」
本当に五月蠅い。動きも大きいし暑苦しい奴。
でも、自然体でいさせてくれるのがこいつのいいところだ。
本人に自覚はないのだろうけど。
「また今度、な。気分になったら聞かせてやるよ」
「絶対教えてくれねぇヤツじゃんか~」
やっぱさっきの無しで。ただただ五月蠅い。
ブーブー文句を言っている『彼』を無視して、今日の放課後に思いを馳せることにした。
「ねぇ、好きな人いないのぉ?」
部活終わりの放課後、昼間の『彼』のようなことを、今度は『彼女』に言われた。
「は?え、なんで急に、、、?」
まさか、この気持ちがばれたのか?それならまずい、どうはぐらかそうか。
必死に脳みそを働かせていると、『彼女』が急に笑い出した。
「ははははっ!!目線めっちゃ動いてるよぉ!隠せてないって!ははっ!」
、、、目線?あぁ、成程。慌て様が可笑しかっただけか。
納得した後も、『彼女』は笑い続けている。
「ちょっと、笑いすぎだって。そんなに面白かった?」
『彼女』があまりに笑うので、少し怪訝に思い、聞いてみる。
「いや、面白いっていうかぁ、なんか新鮮だなって。いつもは慌てたり感情が表に出ることないでしょ?だから、心を許してくれたのかなって、嬉しかったの」
『彼女』は、笑いすぎて出てきた目じりの涙を拭いながら、心底嬉しそうに微笑んだ。
「それで、好きな人、いるんだね?誰?何組?」
『彼女』は興味津々!といった様子で質問してくる。
「別に、教える義理はないから。ほら、練習するよ。分からないところあるんだろ?」
「えぇ、ちょっとくらいいいでしょぉ。時間はまだあるし。ね?」
身長は『彼女』のほうがだいぶ小さいので上目遣いになる。
可愛い。いやいや、流されては駄目だ。
「限られた時間をどう使うかが大事なんだよ。ほら、どこ分からないの」
顔をそらして何とか耐える。
「え~、ケチ!ちょっとくらいいいじゃん!」
『彼女』は少し頬を膨らませる。
可愛い。
これで無意識はいささか問題があるんじゃないだろうか。
あぁ、もうこっちの負けでいい。
「、、、同級生だよ」
小さい声でそう言ってみる。
「え、ほんとぉ!!?同級生ってことは、、、人多すぎ!ほかにヒント無いのぉ?」
「言うわけないでしょ。練習するよ」
そう言って楽譜を用意する。
「年上派だと思ってたけど、同級生なのかぁ。賢くて落ち着いた人が似合うし、、、3組のあの人とか、、、」
『彼女』は楽譜や楽器の準備をするでもなく、何やらボソボソとつぶやいている。
「ねぇ、練習すr「もしかして、吹奏楽部の人?」
『彼女』は目を輝かせながら被せるように聞いてきた。
「、、、なんでそう思ったの?」
内心冷や汗をかきながら冷静を装って聞いてみる。
「え、だって吹奏楽は人が多いし、落ち着いた雰囲気の人も多いじゃん?ほらクラリネットのあの子とか」
「確かに、落ち着いた人も好きだけど、、、」
本当に好きなのは、全然落ち着きのない子なんだけど。
そんなことは言えるはずもなく。
「とにかく、この話は終わり。練習するよ」
「えぇ~もうちょっと!あとちょっと!!」
「もうそろそろ、下校時間になるよ?練習しなくていいの?」
「うわ、ほんとだぁ!急がないと!!」
慌てて楽譜や楽器を準備する『彼女』。
いつか、この想いを打ち明けられる日は来るのだろうか。
きっと無いだろう。
でも、少しくらいは、夢を見たい。
ありもしない未来を想い描きながら、『彼女』の準備が終わるのを待っていた。
「なぁ、今度の祭りって誰かと行ったりするのか?」
昼休みの窓際で、唐突に『彼』が言い出した。
「祭り?あぁ、もうそんな時期か」
確かに、最近はセミの声が五月蠅いし、少し、いやかなり汗をかくようになってきた。
「コンクールも近づいてきたしな、どうしようか」
コンクールまではあと一ヵ月を切っている。
こんな大事な時期に遊んでもいいのだろうか。
「そっか、吹奏楽はコンクール8月だもんな。でも、これまで頑張ってきたんだろ?息抜きくらいしてもいいんじゃねぇの?」
「それもそうだな、、、」
コンクールが近づいてきて、部活内の空気はさらにピリピリしている。
正直、常時気を張っているのでかなり疲れている。
これは気分転換が必要かもしれないな。
「祭り行こうかな。最近疲れたまってるし、遊ばなきゃやってらんねぇ!」
「さすが幼馴染、そう来なくっちゃ!せっかくだし、何人か友達誘って一緒に行かねぇ?大人数のほうが楽しいだろ」
「お前と一緒に行くのかよ。まぁ別にいいけど」
今更こいつと夏祭りに行くのはなんか気恥ずかしい気もするが。
「でも、友達誘うって、誰誘えばいいんだよ。友達少ないの知ってるだろ」
そう、誰か誘いたくても友達が少ないと誘いようがないのだ。
『彼』はその人懐っこい性格のおかげか、友達が多いようだが。
「お前にはあの子がいるだろ。ほら、吹奏楽のトランペット吹いてる」
、、、まさか、『彼女』を誘えと?
「なんでだよ」
こいつ、気づいて、、、?
「いや、お前あの子以外に仲いい子いるのかよ。あの子以外と仲良さそうに喋ってるの見たことないぞ」
、、、少し心に刺さるな。
「そういうことか。でも、『彼女』はもう他の人と約束してるかもしれないぞ?」
「そんなの聞いてみないと分からないだろ。俺は他に誰か誘えないか声かけてくるから。じゃ、よろしくー」
適当に流しながら『彼』は友達を誘いに行ってしまった。本当に適当な奴だ。
でも、まぁ、『彼女』を誘うきっかけを作ってくれたことには感謝してもいい、かも、しれないな。
さて、どう誘おうか。
放課後のシミュレーションをしながら、チャイムが鳴るのを待つことにした。
コメント
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うわあ、第2話読んだよ…!🥀 幼馴染の彼と彼女、両方に「好きな人いる?」って聞かれる主人公、めっちゃ慌ててて可愛かった🤍笑 特に彼女の前で内心ドキドキしつつも冷静ぶってるところ、わかるわかる~ってなった。上目遣いには耐えられないよね…(共感) 最後の夏祭りの誘い、どうなるんだろう?二人の距離が動きそうな予感がして、続きがすごく気になる🌙