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第90話「神なき世界の希望」
――爆音とともに広がる《アポカリプス》の渦。
世界が崩壊していく音すら、やがて無音へと変わっていく。
サタンの放った冥界融合の力は、空間そのものを飲み込み、闇の奔流が地と空を切り裂いていた。
リオン「まだだ……まだ終わらせねえ……!」
立ち上がるリオンの体は、すでに限界を超えていた。
それでも、拳に宿る加護の残響が、わずかに光っていた。
その光が――かすかな希望の炎となる。
ゲズ「お前ら、まだ動けるか……?」
セレナ「当然……兄さんたちの想いが、この中にあるから」
ウカビル「……あいつらが命懸けで託したもんを、無駄にできるかよ」
四人は、死にゆく世界の中心で、なおも立ち続けていた。
サタン「愚かなる者たちよ……なぜ抗う? 神は滅び、理は失われた。今こそ、全ての存在が“無”へと還るべきときだ」
その声は、まるで哀れみすら含んだ静けさ。
だが――
ゲズ「……違う。神がいなくても……世界は終わらねぇ」
セレナ「私たちが、ここにいる。それが証拠よ!」
ウカビル「もう、守られるだけの子供じゃねぇ。俺たちが、この世界を背負うんだ!」
リオン「サタン……答えてやるよ。“命”ってのは、誰かの想いを継いで、生きることだ!」
その瞬間――
彼らの体から、神々の加護が一斉に輝き始める。
アテナの加護からは「叡智と守護」
アポロンの加護からは「希望と光明」
アレスの加護からは「勇気と戦意」
ポセイドンの加護からは「誓いと破壊」
アルテミスの加護からは「静寂と必中」
アフロディーテの加護からは「愛と美」
オーディンの加護からは「戦略と視野」
神々の力が、四人の中で一つに織り合わされる――。
ゲズ「ここが……俺たちの始まりだ!」
四人はサタンの放つ冥界の渦へと飛び込んでいく。
サタン「ほう……貴様ら、自ら闇の核へ踏み込むか」
リオン「もう、お前の舞台じゃねえ。ここからは……俺たちの“決戦”だ!」
⸻
神なき世界の中、星の英雄たちが“新たな希望”として立ち上がる。
世界の命運を賭けた、最後の戦いが今、始まろうとしていた。