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#原因は自分にある。
宇空#🎹,🐈⬛
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#原因は自分にある。
バディ乃杜バディ子
26,254
医師たちが病室を出たあと。
かなめは不思議そうにりょうたを見た。
「りょうた。」
「ん?」
「事故の日、俺たちってどこへ行こうとしてたんだっけ?」
りょうたは息をのんだ。
本当は、公園へ返事をしに行く途中だった。
かなめが告白してくれた、その返事を伝えるために。
でも――。
かなめは、そのことを覚えていない。
「……。」
りょうたは少しだけ目を伏せた。
「散歩、かな。」
精一杯笑って答える。
かなめは疑うことなく笑った。
「そっか。」
「俺、何か大事なこと忘れてる気がするんだけどな。」
その何気ない一言が、りょうたの胸に深く刺さる。
病室を出たあと、じゅんたちが心配そうに集まってきた。
「どうだった?」
りょうたは小さく首を振る。
「……かなめ。」
「俺に告白してくれたことだけ、忘れてる。」
その場が静まり返る。
「え……。」
まさやが思わず声を漏らした。
たかとはゆっくり息をつく。
「そんなことって……。」
りょうたは壁にもたれ、静かに目を閉じた。
「やっと……。」
「やっと『俺も好き』って伝えられると思ったのに。」
「かなめは、その約束ごと忘れちゃった……。」
じゅんは何も言わず、りょうたの肩にそっと手を置いた。
りょうたは涙をこらえながら、小さくつぶやく。
「今、伝えたら……。」
「事故のあとだから言ったって思われるかもしれない。」
「それに、記憶が戻る前に言うのは……ずるい気がする。」
そう言って笑おうとしたが、笑顔は作れなかった。
病室の窓から差し込む光は明るいのに、りょうたの心には、また新しい迷いが生まれていた。
コメント
1件
ああもう、第20話、心にじわじわ来ました……。 りょうたが「散歩かな」って精一杯笑って答えるところ、胸がぎゅっとなりました。かなめ自身が「何か大事なこと忘れてる気がする」って言うのがまた切なくて。覚えてないほうも、覚えてるほうも、どっちも苦しいんだなって。 「今伝えたらずるい」って思うりょうたの優しさが、痛いほど伝わってきました。次が気になります。ゆっくりでいいから、2人にちゃんと届いてほしいな……。