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こんにちは、一ノ瀬。です。遅れましたがいいね100ありがとうございます!この話はもう完結できてるので一気にあげようと思います。それではどうぞ〜




なんと、着ぐるみさん達が来たのだ。


その瞬間えむは涙を流しながら

「遅いっ遅いよっ!着ぐるみさん!!」

と着ぐるみの一人をぽこぽこと叩いた。


「すみません、お嬢様。ですが、今はコイツらの拘束と、皆様の手当てが先です。」


そう言うと、着ぐるみは手際よく男達を拘束し、警察に通報した。


「あの……撃ってしまって大丈夫なんですか?」

「ええ、急所は外しましたんで。」


やっぱりえむくんと着ぐるみさんには敵わないね…。そんなことを思っていると、


「類くんは司くんをお願いっ!!司くん、ナイフが抜けなくて……!!あたしが寧々ちゃんを手当てするからっ」

とすごく慌てた様子で僕に指示を出した。


そうだ、安心してはいけない。司くんが危険だ!


「司くんっ!!」


そこには両手両足にナイフが刺さり、血まみれの司くんがいた。目は開いているのか開いていないのかもわからない。


「しっかりしてくれっ!もう大丈夫だ!着ぐるみさんが来てくれたからね!」


必死に声をかけるも、返事はない。僕は不安に煽られる。


「類様、ここは私にお任せ下さい。」


着ぐるみがやってきて、司くんのナイフを抜こうと試みていた。でも、ここで抜けばより失血してしまい、命の危険がある。だからといって抜かずに救急車を今から呼ぼうとしても間に合わないだろう。


「くっ…どうすれば……」


そのとき、司くんから声が聞こえた。


「………け」


「え……?」


「ぬ…け……」

「えっ…!?司くんっ!?……それは正気かい?ここで抜いたら…絶対痛いし…でも、意識を保ってくれないと、司くんの命が…」


「お…れは大丈夫……だか…ら。耐えれ……るだって…みら……のス……ー…からな」


そういって司くんは弱々しく、でも決意に満ちた表情で笑った。


あぁ、なんて綺麗な表情なんだろう。なんて強い意志なんだろう。


「本当にいいのかい?」


「あぁ…たのんだ…る……い…着ぐるみ…」


「……わかったよ。絶対耐えてくれ。着ぐるみさん…」


「はい、承知致しました。」


そういって着ぐるみさん達は車を用意したり、止血用の布やらなんやらを用意したりすると、刺さっているナイフに手をかけた。


いつの間にか治療の済んだ寧々とえむくんが涙目で傍にいた。寧々はぎゅっと僕の服の裾を握っている。


「いきます。………シュッ」


「うぅ゛あ゛あああ…ッ」


到底彼の声とは思えない程の叫び声が聞こえる。


「司っ…司……耐えてっお願いだからぁっ」


「司ぐん゛っヒグッまたショーをしだい゛よっ」


寧々とえむくんは大声で泣いている。そんな二人の背中を擦ることしか僕にはできなかった。


「司くんっ…僕の……スター…ッ絶対…に耐えてくれっ…君なら…それくらいできるだろう?」


僕はひたすらに願った。司くんを救ってくれ。頼むから。




もう三個目のナイフに手をかけていた。彼の周りには大量の血が溢れていた。荒い呼吸を繰り返し、涙と血でぐしゃぐしゃになった顔の彼を見ると心が傷んだ。でも、それでも彼は必死に耐えようと、爪をたてながら拳をつくり、唇を痛いくらいに噛み締めて我慢している。


もう、彼の叫び声を三回聞いた頃、僕達は目を閉じかけている彼に叫んだ。


「司くんっ…!!耐えてくれっ!!耐えなきゃ、君の妹くんや、後輩、僕達はどうするつもりなんだっ!!置いて行くなんて、君らしくないっ!!」


「そうよ司っ…!!死んだら…寧々ロボのパンチ食らわすからねっ!!だから…だから……っ絶対死んじゃダメっ……!!」」


「司くんっ!!約束してくれたよねっみんなを笑顔にするって…!!なのに、司くん死んじゃったら笑顔なくなっちゃうよっ!!」


僕達は必死に呼びかけた。その声が届いたのかは知らないが、また、司くんは目を開いた。でも、そろそろ限界なのだろう。目を開いても拳に籠る力はあからさまに弱くなっている。


「最後です…!司様、頑張ってくださいっ」


ザシュッ


「ぐあ゛ぁぁ…あ…ッ」


最後のナイフが抜けて気が緩んだのか、司くんはそのまま横に倒れ込んだ。僕は慌てて司くんに近寄る。


「司くんっ…!!しっかりして…!!」

「司っ…!!」

「司くん……グスッ」


「皆様、車にのってください。急いで病院へいきます。後処理は残りの者に任せますから。」


着ぐるみはそういって血まみれの司くんに急いで応急処置をして、車に乗った。僕達もそれに続いた。

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