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ちくわ(多忙過ぎて投稿できん!
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緑色のパーカーの少年は紫色のヘルメットの少年の少し前を歩いていた。フードを深く被り、周囲に視線を配りながら。その横顔は穏やかだったが、ナイフの柄に添えた手は一度も離れなかった。
🟩:……なぁ、あそこのビルの陰、
なんか動いてへん?
顎でしゃくって示した先、崩れかけたビルとビルの間の路地裏。影がゆらりと揺れた。風のせいか、それとも――
🟩の目が細くなった。軍にいた頃の癖が抜けない。一瞬で距離と地形を読み、退路を確認する。それから振り返って🟪を見た。口元にはいつもの軽い笑みが浮かんでいる。
🟩:まぁ、焦んなや。いざとなったら俺がおるし。
そう言いながらも、ホルスターの銃に手をかける動作に一切の無駄がなかった。
🟪:あそこなら、…ワイのスナイパーライフルで行けます。
🟪の呟きに、🟩は小さく口笛を吹いた。
🟩:さっすがァ。ショッピ頼りになるわ。
壁に背を預け、片目だけで路地の奥を覗き込む。翡翠色の瞳が暗がりを射抜くように細められた。
🟩:ほな、俺が囮やるから。もし人間やったら手ぇ振るやろし、振らんかったら――
言い終わる前に、路地から影がのそりと這い出てきた。片腕がだらんと垂れ下がった、見慣れた姿。目は白く濁り切っていて、こちらを向いた瞬間、ぐちゃりと口が開いた。
🟩:……ほらな。
感染者が一体、こちらに気づいた。腐りかけの脚を引きずりながら、それでも驚くほどの速さで迫ってくる。通常体の執念深さは、生前の本能が歪んだ形で残っているからだ。呻き声が乾いた空気に染みた。
🟩が素早く身を翻しショッピから離れた位置に立つ。案の定、感染者の注意が🟩へ向く。ぎこちない足取りで方向を変えたその頭部を、ショッピが撃ち抜ける射線上にしっかりと誘導していた。
🟩:今や、いけッ!
🟪:…
ショッピはコープを開かず両目を開いたままヘッドショットを綺麗に決め込む。
乾いた銃声が街路に反響した。感染者の頭が弾けるように後方へ仰け反り、そのまま糸が切れた人形みたいに地面へ倒れ込んだ。痙攣すら一瞬だった。頭蓋を正確に撃ち抜かれれば、通常体は二度と起き上がれない。
🟩がぱちぱちと拍手しながら戻ってきた。
🟩:うっわ、コープも開かんと一発かよ。
バケモンやん。w
からかうような口調だが、目元は本気で感心していた。倒れた感染者を一瞥し、靴の先でつついて完全に動かないことを確かめる。
🟩:…綺麗に抜いとるなぁ。 さすが俺の相棒!
🟪:このくらい当たり前っす。
ぽん、と🟩はショッピの肩を叩いて歩き出す。だが数歩進んだところで足を止め、鼻をひくつかせた。
🟩:ん……ショッピ、なんか匂わへん? 燃えとるんちゃう、これ。
確かに、風向きの変わった空気に微かな焦げた臭いが混じっていた。どこかで火が使われている。人間がいる証拠だ…それが味方とは限らないが。
🟪:…さぁどうでしょうね、…ガソリンの匂いもするから……人間の可能性が高いかもしれないっす…ゾムさんどうします?…行きます?
スナイパーライフルを左腕に通し肩にかけ右手に短剣を構える。
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