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ミィがおもむろに手を挙げる。
「じゃあユウトさんに推してもらえるように、まずは私が自己紹介をします。私はミィ、じゅ……二十歳(ハタチ)。メルラブでは半年くらい働いています。他のコンカフェでは働いたことがない素人系です。このお店はアイさんに誘って貰ったんだよね。」
ミィがアイさんの方を見てニコリと笑うと、アイさんもミィに微笑み返した。
今、年齢を言うときに少し詰まっていたけれど、最近誕生日だったのだろうか……。それに、まだ半年と言っていたが立ち振る舞いはどこか洗練されているように見える。もっとベテランだと思っていた。
「好きなものは――アニメとか海外ドラマとか――サブスクで配信されている作品を見るのが好き。だから、私のおススメするラブコメ作品とかを、ユウトさんに紹介してあげることが出来ます。」
そういうと、ミィはおもむろにスマホを取り出してスワイプをする。そしてカウンター越しに、俺に画面を見せた。画面の中には最近話題になったラブコメ作品や、往年の名作まで様々な作品がお気に入り登録されている。
ミィはカウンターから身を乗り出して、スマホの画面をスワイプしながらおススメの作品の説明を行う――って顔が近い。先程のメニューの説明をするときも感じたのだが、この子、物理的な距離感がバグっているのだろうか……。
ミィは一通りの作品の説明をした後で、元の位置に戻り自己紹介を続ける。
「あとは、この大きなツインテールが特徴です。」
ミィは大きくてモフモフのウェーブ掛かったツインテールを両手で持ち、くるくると回る。確かに覚えて貰いやすそうだし、あれ程の毛量であれば他の人がすぐに真似をすることは困難だろう。それに、地雷系の雰囲気が彼女に良く似合っている。
「後は……えーっと……。」
ミィは顎に指をあて、天井を見て考える。そして何か閃いたようで、ニンマリとした表情で手招きをした。俺がカウンターに身を乗り出すと、耳元に唇を近づけてそっと囁いた。
「私、おっぱいがGカップあるんだ♡ さっきからチラチラと見ていたでしょ♡ アイさん程じゃないけれど、私の谷間だったら堂々と見ても良いよ♡」
くそっ……胸の谷間をチラ見していたことに気が付かれていたのか……物凄く恥ずかしい……。しかし目の前に無防備な谷間があれば、そこに目線が吸い寄せられることは仕方がないだろう。自然の摂理と言っても差し支えない――というか、見ない方が失礼まである。
ミィはわざと谷間を見せつけるように前かがみになり、胸の下で腕を組むようにして両胸の谷間を見せてくる。Gカップだと知ってから見ると、何というか、さらに破壊力が増したように感じる……。待てよ……ミィ以上の大きさのアイさんは一体何カップなんだ……!?
そんな話をしていると、アッシュゴールドのストレートヘアーのキャストが俺の席の前に立ち話を始める。少しギャルっぽい見た目と話し方だ。
「こんばんは~! 私、マイって言います。お名前、なんてお呼びすれば良いですか?」
「ユウトさんか、ユウト君でお願いします。」
「じゃあ、ユウト君って呼ばせてもらおうかな。ユウト君、申し訳ないんだけれどミィちゃん、今入って来たお客様に呼ばれちゃって、代わりに、ここからは私がお相手させてもらうね。」
マイはミィに、今入ってきたボックス席のお客様を担当するよう指示をして空になったグラスを回収する。
「確か、飲み放題だったよね。何か飲みたいものある?」
「同じやつ……ウーロンハイで。あと、マイさんにもキャストドリンクを。」
「分かってるじゃん。でも、本当に大丈夫? 初回コースのキャスドリは1杯までだよ?」
「別料金で大丈夫です。」
「マジで良いの? コンカフェ初めてなのに無理をして嫌いにならない?」
「大丈夫ですよ。」
「流石作家先生!」
「勘弁して下さい。今はただのフリーターです。」
マイと俺は示し合わせたように見つめ合うと、くすくすと笑い、俺の前にグラスを置き乾杯をする。マイは切れ長の目を細めて、常にニヤニヤとしたような表情を浮かべていた。
何を考えているか分からないが、そこがミステリアスで魅力的だ。それに彼女もミィと同じくらいか、一回り大きな山脈を持っている。このお店では、巨乳以外は働いてはいけないという決まりでもあるのだろうか……?
ミィに渡された雑誌でマイのことを確認しようとしたところ、マイは「あっ、それ――。」と言って俺から雑誌を取り上げて表紙を見せた。
「これ、私だよ~。」
アイさんの右隣りにはミィ、そして左隣にいるギャルっぽい女性は確かにマイだ。マイは雑誌の表紙と同じポーズをとる。
「どう? 雑誌の中の私可愛い?」
「実物の方がギリ可愛いかな?」
「え~、本当に~? この写真、重加工しているんだけどな~。例えば目を大きくしてもらったり、顔を小さくしてもらったり……。」
確かに言われてみれば表紙の写真のマイの方が、少しだけ目が大きいようにも見える……気がする……。ただ、重加工という程の違いは無い。街行く人に、この写真の彼女と実物の彼女を見せれば全員が同一人物だと判断出来るだろう。
俺としては酒が回っている為か、少し頬を赤らめている実物のマイの方がどこかセクシーに見える。
「重加工という程じゃ無いんじゃない? この写真を見てマイちゃんに会いに来た人が、パネマジ(※)だと言う人は居ないと思うよ。」
(※)パネルマジックの略:写真と実物があまりにも乖離している事を指す。
マイはニヤニヤとした表情を蕩けさせながら、カウンターに身を乗り出す。
#ラブコメ
モノクロナツキ
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#AIイラスト
コメント
3件
うわ、第5話読み終わったよ!ミィの自己紹介からのGカップ暴露、めっちゃ不意打ちで笑ったわw 「チラチラ見てたでしょ」って確かに見ちゃうよね、自然の摂理だわそれ。アイさんのカップ数がますます気になる展開だし、マイさんの登場でまた空気変わったな。実物の方が可愛いって返すユウト君、うまいこと言うな~。コンカフェの空気感がリアルで、つい自分もその場にいる気分になったよ!続き気になる~!