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#長編
結愛
329
#地雷系
#夏休み
トド村
44
「じゃあさ、私にガチ恋してみる? 厄介客になられるのは困るけれどさ――さっきミィと話している内容が聞こえたんだよね。ラブコメ小説を書くために推しを探しているんでしょ。じゃあさ、私の事を推してよ。」
マイさんは巨乳ギャルで顔立ちも美人、話しをしていて楽しい。推したくなる要素が満載の女性だ。
それにニヤニヤと笑う彼女の瞳からは、何か得体の知れないミステリアスな魅力を感じる。まだ彼女のことをよく知らないが、もし、彼女をメインヒロインとして完璧に表現できれば小説に様々な広がりを持たせることができるような気がする。
ただこれはあくまで直感であり、実際のところは分からないが……。
「マイさんを推すと、どんな良いことがあるの?」
マイさんはニヤニヤとした表情のまま顎に手を当てて考える。そして、カウンターから少し離れて俺の事を舐めるように眺めた。なんだか、服のセンスや身に着けているもの……顔立ち等を評価されているような気分だ……。
ある程度、俺の事を眺めてからマイさんは「よし!」と呟いてウーロンハイを飲み干す。そして、再びカウンターから身を乗り出すようにして、俺に顔を近づけた。
アルコールの香りに混じり、シトラスの香りが俺の鼻腔をくすぐる。
「私は男性経験が豊富だから、色々な恋愛事情を教えてあげられるよ。ラブコメに活用できないかな?」
「あんまり生々しいのはちょっと……。」
マイさんはニヤニヤとした目を更に細め、カウンターの下から名刺大のカードを取り出す。そのカードはスタンプカードで表にはMelty Loveと記載されており、裏はスタンプの台帳になっている。18ポイントまで貯められるようだ。
「生々しいの嫌? 私、も〜っと生々しい話をしようと思ったんだけれどな~。」
「まあ、参考までに聞いておくよ。」
「OK! じゃあこれ、うちのお店のスタンプカード。3,000円で1ポイント、6ポイントでキャストとチェキが取れるの。12ポイントまで貯めると1分間の動画撮影、18ポイントで会計から1,000円引きなんだ。」
カウンターに置かれたスタンプカードを眺める。さすが夜のお店……値段設定がリーズナブルだとはいえ、3,000円で1ポイントとは……普段使っている200円で1ポイントのカードとは全然違うな。
「それでここからが本題、このお店って、席料+1ドリンク、あとキャスドリ1杯で、大体3,000円程度から遊べるの。だから毎回私を指名してキャスドリをおごってよ。」
先程見たメニュー表によれば、ここのお店は、飲み放題なしのカウンター席+1ドリンクで2,200円、キャスドリは確か1,100円だったはず……確かにマイの言う通り約3,000円でも遊ぶことができる。
マイはポイントカードの12ポイントの所をトントンと叩く。
「そ・し・て、12ポイントの動画撮影まで貯まったら私と動画撮影しよ……。」
さらに俺に顔を寄せ、耳元に手を当てて囁いた。今までの、どこか遊び心のあるような明るい声ではなく、耳に絡みつくような……静かな声色で……。
「動画撮影の間ベロチューしてあげる。」
一瞬、全身が氷漬けになったように固まり、身体を動かすことができなかった。聞き間違えかと思いマイに聞き返そうとしたところ、マイは俺から少し離れ、目の前で大きく口を開いてベロを出す。
「私ねベロが長くて肉厚なんだって、だから、私とのチューは気持ち良いんだよ。」
先程までの明るい雰囲気をまとった彼女とは、まるで別物の生き物のようだ。ニヤニヤと目を細めながら指で輪っかを作り、まるで男性のモノを舐めまわすように、長い舌をレロレロと動かしながら笑みを浮かべる。
その切れ長なその瞳の奥は情欲という炎で静かに燃えており、俺はその瞳に捕らえられた獲物のように、彼女から目を逸らす事ができない。そして縦横無尽に動くその舌は蠱惑的で、冗談なのか本気なのか分からなかった。
ただ間違いないのは、マイがベロチューの話を切り出してくるということは、先程の言葉は俺の聞き間違いではないということだ。そして彼女とキスをしたら、もう元に戻ることはできず、ズブズブと底無し沼にハマるように彼女を推し続けることになる気がする。
そんなやり取りを横目で見ていたアイさんが、笑みを浮かべながら咳払いをする。口角が上がり笑顔を浮かべてはいるのだが……何というか目が笑っていない。むしろ物凄い威圧感を感じる……。
「マイちゃん、このお店ってお客様にそういうことして良いんだっけ?」
マイの顔からは先程までの蠱惑的な笑みが消え、額に冷や汗を浮かべている。タジタジになりながら半笑で否定をした。
「嫌だな~アイさん、本気でそんなことするわけないじゃないですか……。冗談ですよ冗談……。」
「そうよね~。でも、ユウト君が本気にしたらどうするの? それに、他のお客さんが聞いていたらどう思うのかしらね?」
「ハハッ……すみません。ちょっと、調子に乗っちゃいましたね~。」
「後で裏でお話しをしましょうね。」
マイはガックリと肩を落とすが、俺の視線に気が付いたのか元の明るくニヤニヤとした表情に戻り、空になったグラスを俺のグラスにカチャリとぶつけた。
「次の女の子が来ちゃったから、またね!」
そう言うと俺に彼女は手を振って、ウインクをしながらバックヤードへと入っていった。
コメント
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うわあ第6話、めっちゃアツかった……!🔥 マイさんのキャラが急にガラッと変わって、ベロチュー提案のシーンはマジでドキドキしたよ〜!「冗談ですよ」ってアイさんに注意されてからの切り替えも、なんか人間っぽくて逆に惹かれるというか…。ギャルなのにミステリアスな魅力があるのズルすぎる😭💕 ユウトくんが「沼にハマる」って予感してるのも、読んでるこっちまでゾクゾクする展開だね…!次の女の子も気になるし、アイさんの威圧感もめっちゃ気になる〜!!続き待ってます📚✨