TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

〜ぼっちの月の神様の使徒〜

一覧ページ

「〜ぼっちの月の神様の使徒〜」のメインビジュアル

〜ぼっちの月の神様の使徒〜

210 - 46話 奴が帰ってきた…早く口を塞がないと。

♥

30

2024年05月11日

シェアするシェアする
報告する




「はぁ…こんなに時間がかかるとは…みんな正気か?」

俺は何とか指輪を予約・・出来た。

そう。まだ手元にないのだ。

みんなには当たり前なのかもしれないが、俺には寝耳に水だった。

いやまあ…ちゃんと起きて話は聞いてたよ?

「まぁ1週間で出来るからいいけど…」

宝石店で指輪を注文して支払いを済ませるのに3時間も掛かり、げんなりした俺はその時予約したホテルへと来ていた。



「あれ?聖奈はマンションに帰ってないのか…まぁ都合が良いからいいけど」

ホテルからマンションに転移した俺は、貴重品入れに指輪を戻した。

もちろん俺は旅行中の為、見つかる前にホテルへと転移で戻り、あるのかないのかわからない微妙な時差ボケの中、眠りへとついた。






「ふぁー。よく寝た。夜に異世界に行こうかと思ったけど、あの時間にマンションにいないなら、聖奈と鉢合わせるかもしれないと気付いたのは正解だったかもな…」

あれ?俺は聖奈と鬼ごっこをしていたんだっけ?

まぁいい……

「とりあえず今後の予定は、プロポーズについてだ。指輪は完璧だし、次は場所かな?」

どうせなら全て100点を貰いたい。

「大学は…迷惑になるし、そもそも恥ずかしいからなしだな。

異世界……はなんか違うよな。あっちでしたらあっちのプロポーズにされそうだし。それはめんどい。

聖奈のお婆さんの墓前は…何だか罰当たりだしな…」

くそっ!俺の頭は何の為についてんだ!!

酒を飲むためだけか!?

それなら口だけでいいから違うな。

まて…また思考放棄しているぞ……

そんな思考放棄ならぬ現実逃避していた俺の携帯が鳴る。

プルルルルップルルルルッ

「知らない番号だな。まぁこっちにいることが稀だから出てみるか」

ガチャ

「もしも…『聖っ!?やっと出たわね!!』げっ…」

『げって何よ!?愛しのお姉様からの電話よ!』

何が愛しのだ……

聖奈をビッグボスと呼ぶのなら東雲 由奈アネキは元ボスだぞ……

「…なんだよ」

『ふんっ。まぁいいわ。貴方今どこにいるのよ?お姉ちゃんは何と日本よ!!空港に着いたから迎えにきなさい』

お姉ちゃんって…もうあんた30だぞ?

「忙しいんだよ…」

『あら?私のいうことが聞けないなんて…貴方社長になったからって、態度まで変わったのかしら?

いいの?貴方といい仲だっていう聖奈って子に、昔の話を『行くっ!』…口まで悪くなったのかしら?』

「お迎えに行かせていただきます…」

ピッ。ツーツー

くそっ!!旦那に頼めよ…なんで弟の俺が……

あっ。弟だからか。

小学校低学年の時にウ◯コを漏らしたことは、家族(姉貴以外)にも秘密なんだ……

聖奈にバラされればこれまでの俺の威厳…は、元々ないな。

何にせよ!好きな女にバラされる訳にはいかん!!

マンションにあるア◯ファード(2台目)は使ったら聖奈にバレるので、貸ガレージに転移して渋々フェ◯ーリを出した俺は、空港へと向かった。






「貴方…悪趣味になったわね…」

いいだろっ!!車くらい好きなやつに乗らせろよ!!

そんなことも言えず……

「姉貴はどこに行っていたんだ?」

「出血熱がまた流行ったからアフリカよ」

おい…間違っても持って帰ってくるなよ?

そんな土産はいらんぞ……

「そうか。相変わらず旦那さんを放ったらかしか」

「あら?やっぱり再教育が必要なのかしらね?」

この女は東雲由奈…俺の姉で天敵だ。

前にも紹介だけしたが、職業は看護師で既婚・小梨だ。

見た目は子供の時から美人と言われている。

俺はそれを『東雲家の七不思議の一つ』と人知れず呼んでいた。

「いえ…あっ!そうだ!」

「どうしたのよ?昔みたいにお姉ちゃんに甘えたくなったの?」

馬鹿言え…甘えたことなんてねーよ。

おもちゃにしてただけだろっ!

この女は悪魔だが…モテていた。

つまり経験豊富で、この手の話は得意なはずだ。

借りを作るのは嫌だが、背に腹は変えられん。

「いや…実は悩みがあってな。・・・」

俺はダメ元で相談してみた。

もし困っている弟にも交換条件を出してくるような鬼畜なら……条件にもよるかな……

「迎えにきてくれたのだから教えても良いわよ」

「じゃ、じゃあ!」

「但し」

何だよ…何もないのを少しでも期待した俺が馬鹿だったよ……

「プロポーズが終わったら、必ず二人で挨拶に来なさい」

「…親かよ」

「なんか言った?」

「イエ、ナニモ」

まぁ簡単なことだったからいいか。


とりあえず聖奈の趣味趣向を教えてみた。


「簡単ね」

「その心は…?」

簡単なのか……

「デ◯ズニーで決まりね」

「聞いた俺が馬鹿だった」

「は?アンタ私の意見に文句あるっていうの!?」

「いや、ディズ◯ーはないだろ!?聖奈は大勢の前とかは好きじゃないんだぞ?教えたろ?」

「はぁ…これだからシスコンはダメね…」

待て。シスコンではない。

アンタの記憶は捏造されているぞ?

「その子はミーハーよね?で、アンタは金持ちよね?」

確かに少しミーハーな所はあるけど…今時言うか?ミーハー。

海外暮らしが長すぎなんだよ。

「間違ってはいないな」

「出来れば貸切りなさい。他人は入れずにアンタ達とキャストだけでするのよ。

プロポーズは一生に一度よ?でもアンタは2回目。

普通は女子に嫌われるキャストといえど他人がいるサプライズだけど、アンタの場合はすでに成功しているようなものだから他人がいるサプライズでも問題ないわ。

後一つ付け足すけどディ◯ニーといっても海外のディ◯ニーよ」

なるほどな……

「なんで海外なんだ?」

「その子は人見知りではないけど、恐らく知り合いにばったり会うのは嫌がる気質よ。大勢が嫌だといったのは『知り合いが』という意味で『他人』は大丈夫よ。貸切りに出来たとしても、そこまで行くのにもそれまでのデート先のことも考えると、最高の場所は知り合いに会う可能性が低い海外。

さらになんだかんだ言っても、特別な場所で特別な扱いを受けるのは女の子全般、特に|ミーハーそういう子には刺さるわよ」

確かに…くそっ…ムカつくけど…認めよう。

確か残金が600万くらいか……

いざとなれば貯金を下ろせばいいが、あくまでも奥の手だ。

「わかった。実の姉の言うことだ。信用しよう」

べしっ

「あいたっ!?」

「アンタ、誰に向かって言ってんのよ?」

おいっ!運転中だぞ!?

「…すみません」

くっ…お漏らしヒミツが人質に取られていなければ……

無事に姉貴アクマを送り届けた後、車を戻しホテルへと戻ったのだった。






「やはり何度調べても一日貸切りは無理だな…全財産を現金化すればいけるかもしれないが、そんなことをしても聖奈は喜ばない」

電話を掛けまくったが貸切りはダメだった。

ただパリのディ◯ニーにある、眠れる森◯美女の城の一部を時間帯指定で貸し切らせてくれることになった!

一万ユーロで1時間だけだけど、頑張って交渉したから熱意が伝わったようだ。

伊達に何年も商人してねーぜ!!

「指輪も場所も完璧だ。後は…一番の難関か…」

俺の一番苦手な奴が残ってしまった。

うん。まぁ目を逸らしていただけだが。


「言葉ね…」

プロポーズの言葉を考えていたら、寝付けずいつの間にか朝方に。


「眠れる森はどこにあるんだ?」

脱線しまくっていた。

loading

この作品はいかがでしたか?

30

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚