「ハァ!?」
俺は思わず叫んだ。金を出すところを見せるというのは、こいつの前でズボンも下着も脱いで、下半身丸出しで…一体こいつは何を考えているのか。
「どんなものでも出どころがものを言う。やはり、実際の光景を見ないといけない。そうしたら君の言うことを信じて、これからも買取を続けよう。このまま通報されるよりはいいんじゃないのかな」
落ち着け。落ち着け、俺。いつの間にか相手の方が上位になっている。いや、たしかにそうだ。金を生み出す特殊能力は、言うなれば世界一のマイノリティだ。世間にバレたら珍獣扱い。毎日テレビ局に取材されたり、迷惑系ユーチューバーに追い回されるのだろう。もはや、安穏な日々は送れない。
今やこの目の前の男と秘密を共有してしまった。まだ実際に金を産むことを証明して見せたわけではないが、弱みは握られてしまった。こいつの前で恥を偲んで金を産み出せる証拠を見せてしまえば、こいつも納得してこれまで通り買い取ってくれる。
この1週間で稼いだ額を考えてみた。日頃汗水流して居酒屋でバイトしているけれど、こんなに多くのカネを稼ぐには何ヶ月かかることか。このしつこい男を黙らせるためにも、ちょっと我慢して見せてやればいい。こいつも驚いてビビるかもしれない。
「よし、わかりました。出してみせますよ、あなたの前で。検便させてあげましょう」
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