「絶対に幸せにする。」
「〇〇大好き!」
「俺は、〇〇だけだよ、」
こんなこと、言ってくれたのに全部嘘だったのかな、
でも、しょうがないや、笑
だって、彼は”アイドル”だから
私と彼は、同じ高校でずっと席が近く、仲良くなった。
それから、私が告白され付き合うこととなった。
確かに、なんで私なんかが彼と付き合えたんだろう。
絶対釣り合うはずないのに、
それから、翔太との日々は毎日が楽しく、話さない日もあったが、そばにいるだけで嬉しかった。その時は、何もかもが、いとおしく感じた。
約5年が経ち、だんだんと会話が減っていった。家でも顔を会わせる日も少なく、次第には、翔太が帰ってこない日もあった。でも、私は心配もせず、声も掛けなかった。
付き合って、8年程が経ったある日、久しぶりに出掛けようと言われた。昼間は、アクセサリー屋で、お揃いの指輪を買った。2人の手には、金色に輝く輪がはめられた。夜は、高そうなレストランで食べることになった。
「景色綺麗だね、」
そんなことを言う彼の目は、涙ぐんでいた。
私はようやく察した、振られるんだ。そのために、こんな豪華なものを用意し、今日1日”別れ”を考えながら、私を楽しませてくれたんだ。辛かっただろうな、
なのに、私はなんの記念日もない今日の突然のデートに、疑問を1つも持たず、勝手にドキドキしてたんだ。
「あの、さ、、、
俺ら、別れよう、、」
感が当たった。翔太はこんな私といて、疲れただろう。
「、わかった、笑」
「ごめん、」
私は、悔いが残らぬよう、笑顔で言ったのに対し、彼は涙を流していた。私は涙なんか、1ミリも出ないのに、、
そして、彼は最後にこう言った。
「幸せになってね、」
だったら、翔太が幸せにしてよ!なんて、言う資格私にはないな。別れの理由も聞かずに、私たちは終わった。
少し、近くの公園でボーッとしていると、時計の針は10時を指していた。
翔太いるのかな。少し期待して、家に帰ると、翔太はいなくて、元々少なかった彼の荷物もなくなっていた。
さすが翔太、行動が早いな。
私、勘違いしすぎじゃん。バカみたい。
次の日の朝、昨日、帰ってすぐ寝てしまい、化粧をつけたまま寝てしまっていることに気づいた。
翔太がいたら、「肌に悪いから、落としてから寝ないとダメだよ!」って言うんだろうな。
なんて思いながら、シャワーを浴びた。私って、思ったより翔太に依存してたんだ。
身支度を整え、誰もいない部屋に向かって「行ってきます」と言い、仕事場へ向かった。
「おはようございます!」
「〇〇、おはよー!」
私の仕事は、美容師だ。そして、こちらは高校も同じで親友の塚越心海(つかごしここみ)だ。同じ高校の人は私と翔太のことを知っている人が、ほとんどである。
「心海、あのね話があるんだ、」
「、、了解!昼休みね!」
心海は何かを察している。私って、そんな分かりやすいのかな?
それから、仕事はいつも通りこなし、お昼休憩となった。
「おまたせ!何があったの?」
「別れた、翔太と、」
「、、、そっか、〇〇はそれでいいの?」
「なんか、わかんないや、笑」
急に涙が出そうになり、それを止めるのに必死だった。
「辛かったね、」
心海はそう言って、私の背中を擦ってくれる。しばらくして、ようやく落ち着くと、心海が口を開いた。
「合コン行かない?」
「えっ、 笑」
急に突拍子のないことを言うな、私は心海のこういうところが好きだ。
「やっと笑った、笑
よし、今日は飲もう!」
「うん、ありがとう、笑」
午後も働き、仕事が終わると、2人で私の家へ帰った。
お酒を飲みながら、2人で愚痴を言ったり、思い出話をしたり、気づくと時刻は23時になりそうだった。
「早く寝るんだよ!」
「はーい、」
「また明日!」
心海は帰り、家の中は急に静かになった。シャワーを浴びて、今日は寝よう。
翔太side
俺は昨日、8年付き合った彼女と別れた。理由は、俺のデビューのためだ。決して、彼女を嫌いになったわけではない。
社長に「デビューをしたければ、彼女と別れろ」と言われ、どちらが正しいのかもわからないまま、デビューを選んだ。
バカだな、俺。好きなヤツ守れないなんて、、
ん?あれ、ピアスがない。もしかして、忘れた、?
あれは、〇〇に初めて貰った大事なものなのに、、
今は、23時〇〇はもう寝てるはず。そっと取りに行こう。
着いたけど、起きてたらどうしよう。けじめをつけたのに、
そもそも、こんなこと考えてる時点で、未練タラタラじゃんか。ダメだな、、
ガチャ
〇〇はソファーの上でぐっすり寝ていた。机には、何本も開いた缶がある。
飲みすぎだろ、笑
あ、あった。捨ててなくてよかった!
「〇〇ごめんね、ボソッ」
「ん、しょった、、」
「、、!」
「スースー」
あぶねー、起きるとこだった。
もう忘れ物はなし!今度こそ、この家とは最後だ。
、、、〇〇、さよなら、
そして、俺は心の中で願った。
〇〇が俺らを応援してくれること
もう一つ、また会えること。