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nagi.
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李和
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2016年6月1日
「やあ、久しぶりやネ、花音チャン」
「えっ?
バチッ
「ふんふふーん」
上機嫌な鼻歌と何かの物音で目が覚める
「……か、篝さん…………?」
「おはよう、花音チャン」
いつの間にか椅子に座らせられていたようだ
ここは…どこだ?
いつもの事務所じゃない
誰かの家?
篝さんに答えを求め立ち上がろうとする
「へっ?」
身体に力が入らない
床へ倒れることしかできなかった
「ああ、アカンよ花音ちゃん。まだ回復してないねんから」
斜め上から声が降ってくる
「アンタ…ウチに何を……」
「いや特に何も?ちょっとスタンガンを…ネ」
そう言って自慢げにスタンガンを見せつけてくる
「なんで…」
「うーん…まあ。仕事?」
スタンガンを弄びながら答える
「…仕事!?」
「ウン。キミを殺さなアカンねん」
「…は?」
未だ地面に這いつくばったまま精一杯の声で聞く
「恨み買っちゃったみたいやね。残念」
は?ウチが?
「僕の仕事は悪を殺すこと。」
淡々と喋るその様は自分たちが見てきた篝さんの仕事をするときの姿そのものだった
「あはっでも安心して。そんな残酷な殺し方せえへんで」
更に近寄って目が合う程の距離まで屈む
「ホンマに残念やわア」
どこかから取り出した銃に弾を込め、再び立ち上がる。
「…アンタ…人じゃねえな…」
弱々しく吐き捨てる言葉はもはや届いてるのかすら怪しかった
「でも安心して、キミもお父さんのところに行ける」
「な、んで…」
なんでこんなことになっちゃったかなあ
乾いた音が部屋に響く
最期に聞こえた音は何か呟くような声だった
2016年6月2日
何かの匂いで意識が覚醒する
…これは血だ
それも大量の
「周クン」
「ぁ…篝さん?」
「やア。元気?」
目の前に写った篝さんはいつもと同じように張り付けた笑みを浮かべている
それでなんとなく察した。篝さんと僕がここにいる意味を
「仕事、終わったんですか」
篝さんの手に付いた大量の血を見ながら聞く
「いや、まだ。あといっこある」
「ああ、そうですか」
どうやら自分は椅子に座らせられてるらしい
立ち上がる気力も無い
「僕も…貴方に…」
諦念が混じった独り言を漏らすと篝さんは一瞬驚いたような顔をする
「嫌じゃないん?」
「…あれからずっと考えてたんです。」
「僕が本当にしたかったことってなんだったんだろうって」
「毎晩夢に出る兄にも聞いたんです」
「…でも返事はこなかった」
「それでようやくわかりました」
「僕ってなにもしたくなかったんだ。って」
ふうっと背にもたれ掛かる
「でも、なんでこんなことになったんだろう」
「ああ。そう」
「悲しいな。人っていつか死ぬもんな」
そういって僕に銃口を向けてくる
「それだけに残念や。さえせえへんかったら…」
「キミは頑張ったと思う」
「さよならや」
2016年6月3日
「急に呼び出してごめんなア」
この前、話をした花園に呼び出されていた
「いえ。大丈夫です」
「それで、話って?」
「ああ、そのことなんやけど」
篝さんがにこやかに笑ったまま近づいてくる
その瞬間腹の辺りに強い衝撃が走った
「まア。立ってるのもなんやし、な」
「か、がり…さ──」
「──ん」
追い付こうと手を伸ばす
だが手の先にはもう篝さんはいなかった
「やあ依鈴くん」
篝さんは椅子に座っていた
「あれ?ここは…」
「ふむ…まあ僕の家?かな」
僕の方へ歩きながら答える
「な…なんのため、に」
「うーん…まあ、殺す為?」
さらりと言ってのける
「…は?」
「まあ、キミらも順番が回ってきたんやね」
可哀想に。と付け足す
それは僕が人を殺したから、という意味だろうか
「うーん、合ってるけど違うな」
そんな僕の考えを見透かしたかのように篝さんは続ける
「まあ、サ。しょうがない」
ポン、と肩に手を置く
最期に見た篝さんの笑顔は剥がれることなくそのままだった
2016年6月4日
「辞めます」
唐突に告げられた辞職の報告は自分でも驚くほど簡素だった
「ちなみに理由は?」
「もう、私の役目は終わりました。気づくのが遅かった」
自虐気味に笑う
「そう。」
篝さんは何か考えた素振りをして
「…じゃア、さいごについてきて欲しいところがある」
と話を切り出す
「え?」
「ウン。すぐ終わるから。さあ」
どこに?なんで?今さら?
急に言われたことに戸惑いつつも篝さんに着いていった
目的地は案外すぐそこだった
ここは屋上。自分も何度か行ったことがある
「…ここで、何を?」
「…………………………」
しかし篝さんは何も言わない。見たことがないほど感情が読めない顔だった
「…篝さん?」
「ウン。何?」
「何って…篝さんがここに連れてきたんじゃないですか」
「ああ!そやった!ごめんな」
やけに大きな声を出す
「いえ…」
「そうやねん、キミを連れてきた理由」
いつもと同じように笑みを浮かべてまた話し出す。
「そうや。そう。もう機会無いし今しかないねん」
なにやら意味が分からないことを言ってこちらに向き直る
その手には、いつのまにか拳銃が握られていた
「え──」
声を発する間もなく放たれた弾は──
「──なんで」
胸に一筋の赤い液体が流れる
それはだんだん多くなり地面を赤く染める
「ああ、ようやく分かった」
あの子も、なんでって言ってたんや
この物語はすべてフィクションです。実際の人物、団体、事件とは一切関係ありません
「被告篝秀一、死刑」
コメント
13件
タイトルの時点で察した私がいたんですよね えっまだ続くんですか いつまでこの地獄を見ろと……(戦慄) 明日香さぁん!!助けて明日香さぁん!!助かりようないですけど
一人一人が違う形で♡♡♡れてくの大好き…… 周の♡♡♡れ方が綺麗でめっちゃ好き
とりま今の被害を教えてクレメンス