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暁が単独任務、深琴が雅達とトランプをしている間に兄弟達、黒月達がどうしていたかと言えば────
ー風鳳学園 カフェテラスー
黒月:「あぁぁあぁ、また彼奴に目の前でアップルパイ半分食われる・・・!」
賀樂:「マジでお前勉強出来ねーのね、対策までやったのに」
時刻は正午を回り、二人がいるのは学園のカフェテラス、黒月と賀樂、学年も違う二人が一緒に居るのは都立風上鳳条学園、通称風鳳学園に居るからだ、風鳳と略される事もしばしば
何故こうなったかと言えば、実はこの日五教科五十点満点の小テストがあり、そのテストで赤点をとったら目の前でアップルパイを半分暁に食べられると言う黒月にとっては地獄の所業と言える罰ゲーム、しかしこの小テスト、二ヶ月に一度の頻度で行われるので黒月は二ヶ月に一度確実にアップルパイが半分食べられないと言ってもいい
そこに近づいてくる人影二つ
翠恋:「また小テストで赤点取っちゃったの~?」
瑠征:「あー、ドンマイですね・・・黒兄」
この兄と姉と弟にここまで言われては更に気落ちしてしまいそうだ
黒月:「返ってくんの明後日だから!まだ赤点か分かんねぇから!」
ムキになった黒月を見てケラケラと笑っている賀樂、子供ねーと言う翠恋、今日も元気ですねーと呑気にする瑠征、そして何なんだコイツらと一人拳を握る黒月、この光景は勝手ながらこの学園の風物詩の一つとして扱われ、他の生徒達が見ても「あーまたやってる」とか「朱空兄弟仲良いよねー」とか・・・たまに野次を飛ばしてくる生徒も居るが
──そしてその光景を眺める影が一つ
ー西棟 屋上ー
「あの兄弟は仲が良いねーあの中に鳳凰の宿り人は居ない様だけど」
学園のカフェテラスが見渡せる西棟の屋上出入口の屋根で寝転んで望遠鏡を覗き眺める人物はフード付きのマントを着用しておりフードを深く被っていて顔が見えずパッと見、男か女か分からない
「罪の意識が無さそうでのうのうと過ごしてるって感じの、こういう子達が腹立つんでしょ?君って」
声も中性的、その人物は”そこに居ない誰か”に問い掛けた
「腹ただしい以外に何があると言うのだ、人間などただ己の欲に負け続ける愚かな生物よ、ああ見ただけで虫唾が走る!」
「まぁまぁ落ち着いてよ、之からあの子達に襲撃させるんだから」
「さ、ちょっとしたお祭り騒ぎが始まるよ」
瞬間、学園のあちこちから呻き声、奇声、そして生徒や職員の悲鳴が巻き起こる
「化け物ー!」「こっちに来るな!」「助けてぇ!」
化け物と評されるのは<カルマ>であり、それを眺めるマントの性別不明のヒトと目に見えぬ何か
「ふふふ、このお祭り騒ぎにどこまで着いてこられるのかな?楽しみだね」
この学園でこの様な騒動が起きたのはこれで二度目、この二人とは裏腹にカフェテラスで寛いでいた四人やそれぞれ休みを楽しもうとした生徒達は、叫び、恐怖し、怪我を負う者まで現れる
黒月:「なんだってここに出やがんだよ!!」
今この学園で<カルマ>に対抗出来るのは黒月達兄弟のみ、暁は任務で居らず両親も居ない状況で教職員や他生徒達を守り切れると断言は出来ない、ここは一つ深呼吸をし連合に所属し祓う側として、学園を守らねばなるまい
黒月:「ここにいる奴ら全員逃げろ!死にたくなけりゃな!」
賀樂:「翠と瑠は先生や他生徒の避難誘導任せる!」
翠、瑠:「OK!/分かりました!」
どうする、避難させた所で自分たちが戦って勝てる量か、いや戦える筈だ加入試験の時と同じ様に物理で、しかし何か鈍器があった方が楽かつ痛みも無く殴れるのだが、生憎椅子と机くらいしか無いので辞めようと思った
瑠征:「兄さん達これ使ってくだ、さい!」
そう叫んでぶん投げてきたのは、長めの家庭菜園用の支柱、どこから取ってきた
賀樂:「どっから取ってきたか知らねーけどサンキュー!」
それを受け取り一人で使うには長い支柱を半分に折り黒月へパスすると同時、<カルマを>殴りつけ、戦闘開始
ウガアアアア!? ゲヒャヒャヒャヒャ!!
変わらず奇声をあげ、逃げる生徒や教師を追いかける、二人ではそれなりに厳しい戦いとなりそうだ
黒月:「ッチ誰だこんな量投下した野郎は!」
賀樂:「知らねーよ!さっさと捌かねーと死人出るって!」
その頃主犯はと言えば
ー学園 上空ー
「おー、やってるやってる、けど死人は出てないからつまらない、でしょ?」
「黙れ、貴様の声を聞くだけでも気分が悪くなりそうだ」
「ほーんとツンツンしてるな君って」
この戦場を望遠鏡片手に観察している、それも雑談を織り交ぜつつ、だが傍から見れば宙に浮いて望遠鏡を覗いきながら独り言を話している不思議ちゃん、又は変人と思われるだろう、詰まる所ザ・不審者だ
ー黒月sideー
黒月:「だぁぁぁあ!数多すぎんだよクソか!」
賀樂:「不良が出てんだよ次男坊野郎!」
何か喧嘩しながら支柱で<カルマ>と張り合っている長男と次男、だが数は減らず腹立ち始め黒月も賀樂も口が悪くなっている、あと普通に怪我はしてるけどそれ所じゃない、止まったら餌食になる、喰われる
その時一体の<カルマ>の攻撃が黒月の喉元を掠めた、血は出ているが軽傷である
黒月:「っぶねぇなこんの野郎が!!大人しはよ祓われんかいボケナス!!」
賀樂:「素が出とるでお前ぇ!」
コイツら余裕か?余裕だな?と思う程話しながらの戦闘だ、だが実際の所素の喋りが出ている時点で余裕は無い、次第に訛りも出てくると思われる、京都出身特有のやつが
密かに生徒や教師の避難は終了しているが、恐らくそちらも<カルマ>に襲撃されているだろう
ー翠恋sideー
瑠征:「量がホント嫌になってきます・・・」
翠恋:「あっち大丈夫かしら~、素が出て口喧嘩してそう」
大正解、それは置いておいても現在二人は体育館の入口、勿論<カルマ>が某ゾンビゲーム並に蔓延っている、まず二人は遠距離武器を使いたいと言っていた為、近距離での攻撃は出来ない、そもそも喧嘩などから縁遠かったのだから
さてここからどうしようか、そんな事を考えている間に<カルマ>が忍び寄っていた、その<カルマ>に攻撃を仕掛けられた
ー次回 家族を傷つける奴はー
ーTo be continuedー