コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
申し訳ございません‼またもや遅くなってしまいました!ですが、これからはこのペースで投稿していくと思います‼ご了承ください!
それでは、どうぞ‼
ミ「システムコール‼…トランスファー・ヒューマンユニット・デュラビリティ・ライト・トゥ・レフト‼」
式句を唱えた直後、私を中心として光の柱が現れた。なにこれ…‼
あまりの眩しさに、キリトも目を細める。そして、不思議な感覚を覚えた。キリトの手を掴んでいる右手から、ユージオの手を掴んでいる左手へなにか熱いものが流れ出しているような感覚だ。しかし、ユージオの体から多少は少なくなったが、血は流れ続けていく。しかも、結構キ・ツ・イ‼痛みとかは無いけど、かなりだるくなってきた。でも、キリトの方が苦痛を味わっているに違いない。私は、より一層手に力を込めながら、キリトに声を掛けた。
ミ「キリト…、大丈夫…?」
キ「ああ…問題ない…もっとユージオに、やってくれ……‼」
ミ「でも…視力…失ってるんでしょ?」
キ「はは…ミオには…お見通しか」
キリトは観念したように笑うが、その笑みにはいつもの覇気がない。しかも、キリトの天命が今にも尽きそうなことを直感で悟った。
ミ「だめ、これ以上は…!キリトも…ユージオも…死んじゃう…」
キ「…ぁ…」
何か言おうとしたキリトだったが、口が上手く動かないのか掠れた声しか出ない。私の感覚もほぼ無くなっており、確かに分かるのはキリトとユージオを繋ぐ私の手のひらを熱い何かが流れる感覚だけだった。これまでかと思った時。急にキリトから流れてくる何かが、勢いを増した。思わずキリトの方を見ると、何か黄金色の光に包まれていて、目を見開いていた。
ミ「これ…、アリスちゃんの…記憶の欠片…?」
そうだ。この時、キリトにアリスちゃんの記憶の欠片が呼びかけそうだ。この時、キリトにアリスちゃんの記憶の欠片が呼びかけて、キリトの天命を満たしたんだ。さらに、私を導線として流れていく天命のおかげで、ユージオの傷がほぼ塞がってきていた。良かった…!!このまましていること数分。
ユ「…..う」
キ「ユージオッ!!」
うっすら開かれたエメラルドの瞳。眼が開いた事に思わず、私とキリトは手を離して立ち上がる。遅れてユージオも起き上がると、周りのゴブリンの惨状を見た。ゴブリン隊長ことウガチの事を思い出した様子のユージオは、私とキリトの肩を大きく揺らした。
ユ「そ、そういえば、ゴブリン達の親玉みたいな奴は!?」
キ「しっかり倒したぞ。ほら」
そういって、キリトはそばに落ちていたウガチの首をユージオに見せる。最初こそ気持ち悪そうに首を見ていたユージオだったが、慣れるとユージオは淡い笑みを浮かべた。え、好き。イケメン。かっこいい。
ユ「そっか……僕達、勝ったんだね」
ミ「うん。お疲れ様、キリト、ユージオ」
そう言うと、キリトとユージオは呆れ顔を返してきた。え、何かしたっけ、私。
キ「ミオこそ、お疲れ様」
ユ「ミオが居なかったら、僕達今頃死んでいたんだから」
ミ「……ありがとう。でも、私は本物の命を奪った…」
あのウガチを斬ったときに波紋のように広がった黒い気持ちは、今も心のなかで渦巻いていた。しかし、キリトは真剣な顔で言った。
キ「君は悪くない。しかも、トドメを刺したのは俺なんだし、ミオが落ち込むことはないよ」
ミ「そうかな…」
キ「ああ。今度こういう事があったら、お互いに出来るだけ傷つけず制圧すればいい話だろ?まぁ金輪際こんな経験はゴメンだけどな」
ユ「確かにそうだね」
ミ「本当に…ありがとう」
顔を俯かせ、控えめにお礼を言ったが顔は緩みきっている。いや、推しに褒められたんだぞ!?ニヤけなくて何が悪い!気絶しなかった私を褒めるんだな!!さて、もう考えない考えない!!!ウガチには申し訳ないけど、不可抗力ということで。私、ヒドイな。キ「さぁ、帰るか」
ミ「そうだね〜」
ユ「でも、このゴブリン達はどうするんだい?」
ユージオは眉を下げながら言う。私は、最推しにそう言われてを再度見回す。それは結構グロテスクな現状で、まぁ、首無し死体や、血飛沫が透明な水塊に飛び散っている訳ですが。
ミ「まぁ、そのうち光になるでしょう..」
異界戦争ではそうだったからね!!セルカちゃんを拘束したことを許すつもりはないけど、それでも私は首無し死体に向かって両手を合わせた後、数秒目を閉じる。そして、待っていてくれた二人に改めて言った。
ミ「よしっ、帰ろう。ルーリッドの村へ」
私達が帰ってきたのはもう月(アンダーワールドではルナリアだけど)が昇り始めている時だった。原作よりも大人が落ち着いていたのは、きっとセルカちゃんが事のあらましを話してくれたからなのだろう。村の広場にひょっこり現れた私達に一番先に駆け寄ってきてくれたのは、涙目のセルカちゃんだった。
セ「良かった…‼3人が戻ってきてくれて…‼」
なんて言われちゃったら、2時間歩いた脚の疲れも吹き飛んだ。ざわざわしている中でも、村長のガスフトさんとシスター・アザリヤの雷はすっごく怖かった。いや怖すぎでしょ。私のお母さんの最終形態よりも怖かったぞ。え、最終形態って?私がフローリングに正座、お母さんがソファに座って、お説教何時間コースだよ。時々、右手になにが持ってた。それを投げられたことはないけど投げる用だった。絶対に。でも、村長達の豪雷のようなお説教もあのウガチの驚愕に満ちたままの生首を見せた途端、怒号が悲鳴に変わった。悲鳴上げない方がヤバイよね。あの顔は。しかもゴブリンだぞ?悲鳴を上げないほうがおかしい。ユージオとキリトは、村の大人達に詳しいことの説明をするからと広場に残った。私も説明しようとしたが、ユージオに
ユ「君は寝て!」
と言われてしまえば従うほか無いだろう、ということでお言葉に甘えて教会に帰ることにした。その後は、教会で夕飯も食べずに死んだように眠った。そして、次の日はしっかりお休みを買って、とにかく寝た。寝まくった。惰眠を謳歌したよ!
――ゴブリンを撃退してから2日が経った。
ソルスがまだ顔を出して数時間が経った頃、私はギガスシダーの根本に来ていた。もうその時にはユージオもキリトも来ていて、二人共 『竜骨の斧』を軽々振っていた。
ミ「キリト、ユージオ、おはよう」
私がそう声をかけるとユージオは満面の笑みで、キリトもニヤリとした笑みでそれぞれ声を返してくれる。いややっぱりイケポだね。
ユ「ミオ、おはよう!調子はどうだい?」
キ「おはよう。俺らは完全に回復したそ」
ミ「おはよ〜。私も万全だよ!」
キ「教会での仕事はどうなったんだ?サポってるとか無いよな?」
ミ「いやいやサボる訳無いじゃん。ちゃんとやってきたよ」
そう。この私、セルカちゃんのように見習いシスターって訳じゃないけど、セルカちゃんやシスター・アザリヤの仕事を手伝っているのだ。その仕事の合間にキリト達の様子を見に来たりしている。ここは、風通しが良くて休憩にはうってつけだからね!!そしていつも通り、根本に座り込んでいるとふとキリトとユージオの会話が聞こえた。
キ「そういえば、ユージオ。ミオが神聖術を使っていた時、覚えてるか?」
ユ「うん。覚えてるけど」
キ「その時、誰かの声を聞いたか?」
ユ「声?ごめん、僕、意識が無かったから覚えてないんだ。キリトは何か聞いたのかい?」
キ「いや、なんでもない。忘れてくれ」
原作通りの絡みだ…!!感動!そう思って、感無量の表情で眼を閉じようとした時だった。
ミ「あ、そろそろ戻らなきゃ」
まだ残っていた仕事を思い出したのだ。名残惜しいが、私はキリトとユージオと別れると、ユージオが今使っている物置小屋、畑を通り、教会に戻った。
ミ「そろそろ青薔薇の剣でギガスシダーを斬る頃かなぁ」
そんな言葉を零しながら。
おはようこんにちこんばんわぁ。ミオだ〜よ〜。今何時か分からないけど朝です〜。私は今、ベクタの迷子として教会でセルカちゃゃんやシスターの手伝いをしています。いやぁ、意外とバソコンが無くても生きていけるもんだね。お母さん元気かな〜。私は元気〜。
さて、どうしてこんなにノットハイテンションじゃないのか、それは…!
ミ「ね、眠い・・」
セ「寝不足気味ね、ミオ」
苦笑いのセルカちゃんに心配されてしまった。だって!!なんかソワソワしちゃって眠れないからである!だって、そろそろキリト達旅に出るでしょう!ついさっきキリトとユージオの所行ってみたら、ユージオが青薔薇の剣を振ってたし!
ミ「…もうそろそろお別れかな」
ふと、口に出して現実を突きつけられる。そうだよね、あと数日したらギガスシダーを切り倒して、この村を出る。その後、ザッカリアの剣術大会に出場して、セントリア修剣学院に入学、初等練士から上級修剣士になって、セントラル・カセドラルに上って…それで…。
ミ「いやいや、これじゃあユージオが教えないじゃないか!」
セ「え、どうしたの?」
急に言ったからか、セルカちゃんを驚かせてしまう。「ごめん」と一言謝ってから中断していた洗濯を再開する。再開しても、頭の中に留まり続けていた事は、私のこれからの事だった。やっぱり、シスターに「キリトとユージオと一緒に旅に出ます!」って言うしか無いか。でも、それでキリトに断られたらどうしよ。う~ん…。
そうこう悩んでいる間に洗濯が終わってしまった。シスターとセルカちゃんを手伝おうとしても大丈夫の一点張りだし、孤児院の子達も今日はなぜか静かにしている。なんともタイミングが悪い。え、ちょっとタイミングの悪戯?何やってくれちゃってんの?誰が仕事無くせって言った?と、脳内でタイミングの神に愚痴る。しかし、やることがないとなぁんとも落ち着かない。
ミ「…ユージオ達のとこ行くか」
麦畑を通り、巨杉の根本まで歩いていく。これも後何回かで終わりなんだな、と思うとふと寂しくなってくる。黒く、硬い樹皮をなぞりながら歩いていくと、案の定ユージオが青薔薇の剣でソードスキルを練習していた。ああ、時々木の幹に伝わって来る衝撃はこれだったのかと納得する。そのまま、真剣にギガスシダーと向き合っているユージオを見つめた。ユージオの後ろには腕を組んでいるキリトが。あ~‼凄く癒される。真剣な顔をしていても滲み出てしまう可愛さ‼もう神‼
多分、この時の私の顔は気持ち悪い程緩んでたと思う。確信。そのことに気付いた私は、急いで顔を引き締めた。…っていってすぐに真顔になれるなら良かったのにね‼にやけが止まらない…‼少し危機感を感じて、頬を叩く。しかし、その音で私の存在に気付いてしまったらしいユージオとキリトは、笑顔で手を振ってきた。オーノー‼
ユ「ミオじゃないか‼」
キ「どうしたんだ?頬なんて叩いて」
ミ「いや、なんでもないよ‼」
慌てて首を横にブンブン振りまくる。いやいや、これ知られたらただの気持ち悪い奴になっちゃうからな!絶対に知られないようにしなきゃな‼そういえば、私は青薔薇の剣の存在を知らないって設定だよね。設定と言うか…この世界では見た事が無し、ユージオの口からも聞いてないし。
キ「そういえば、どうしてここにいるんだ?」
ミ「…なんかこんな会話前もしなかった?」
ユ「したね」
ミ「やっぱり…じゃなくて、…その剣、綺麗だね」
私は視線を青薔薇の剣に注ぎながら言うと、ユージオはにこやかに笑いながら青薔薇の剣について話してくれる。
ユ「ああ、この剣はおとぎ話に出てくる剣で、僕は《青薔薇の剣》って呼んでる。北の洞窟にあって、一昨年くらいに何か月もかけて運んで来たんだ」
ミ「おとぎ話…へぇ、そんな凄い剣を操れるの?キリト、ユージオ」
キ「きっとミオも持てるはずだぞ」
ミ「え、本当に?」
素直にそう叫ぶと、ユージオはまた眩しく笑って私に青薔薇の剣をゆっくり渡してくれた。おそるおそる受け取り、1人で持ってみる。うおっ、意外と重くてびっくりぃ~‼ユージオあんなに軽々振り回してたよね?
ミ「うわっ、重…」
ユ「ははっ、ミオにはまだ重かったかな。今はその青薔薇の剣でギガスシダーを切り倒そうとしているんだ」
そう言ったユージオの瞳には、強い決意が見えた。あ、そうか。剣士になることを決意した後か。私は頷きながら剣をユージオに返す。
ミ「斧じゃなくなったんだね。でも、その剣の方がより早く切り倒せるかも」
キ「だろ?」
キリトがニヤリと笑う。その後も、最近の調子や教会での出来事、北の洞窟の思い出話をしていたら、いつの間にか夕日が沈み始めていた。私は、そろそろ夕食の準備があるからとキリト達と別れ、教会に戻った。
ミ「まぁ、ギガスシダーは切り倒されてない…、もう少し、待ってみよう」
私の中で一つの言葉が渦巻いていた。
私は、どうしたい…?
ミオ(17歳)
絶賛悩み中。キリトとユージオを送り出すのか、旅についていくのか。普段は目的に一直線に突き進んでいくタイプだけど、今回はかなり運命を変えるかもしれないから悩んでる。
キリト(17歳)
ミオが悩んでるのは気付いてた。何に悩んでいるのかも。旅に付いて来たい?大歓迎だぞ‼の人だけど、ミオから言われるまで待つつもり。
ユージオ(17歳)
ミオが悩んでいるのは分かっているけど、何に悩んでいるのかは分からない。
恐らく次回は最新話の33話を更新します‼読んでくださってありがとうございました!