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第13話:絆が壊れる瞬間
 先輩の手が、オレの体を貪るように撫でている。

 その手のひらがオレの体を追い詰め、心をさらけ出す。


 「葵、俺のことを拒むなよ」


 その声に、オレは震えながら首を振った。

 拒むことなんて、もうできなかった。

 先輩が望むことに、自然と従ってしまう自分が怖いけれど、

 その恐怖を感じるたびに、逆に欲しさが湧いてきてしまう。


 「でも……先輩、オレは……」


 言葉にしようとするけれど、先輩の指がオレの唇を塞ぐ。


 「言わなくていい。お前は俺のものだって、もうわかってるだろ?」


 その一言で、オレの体がまた動き出した。

 抵抗する暇もなく、先輩の支配がどんどん深く、強くなっていく。


 「俺がいないと、お前はどうなっちゃうんだろうな?」


 先輩がその言葉を言った瞬間、オレの心に恐怖が走った。

 本当に、もう戻れないのか?


 「怖いか?」


 その問いかけに、オレは首を振った。

 怖くないと言った瞬間、先輩は再びその冷徹な目でオレを見つめた。


 「なら、もっとお前を感じさせてやる」


 その手がオレの体をさらに追い詰め、オレは逃げることができなかった。

 身体が欲しがると同時に、心の中で何かが壊れる音が聞こえた。


 「先輩、お願い……」


 そのお願いが、まるで反抗しているかのように思えた。

 でも、オレはもう止められなかった。

 先輩の手が再びオレを押し倒し、重なり合うと、

 その瞬間、二人の間に言葉以上の絆ができた気がした。


 「葵、お前は俺を必要としてるんだろ?」


 その問いかけに、オレはただ無言で頷くしかなかった。

 先輩の手がオレを支配し、オレはその手のひらの中で溺れていく。


『指先でほどける、キミの嘘』

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