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「お父さん!!」
私が中学生の時、作曲家のお父さんが倒れた。倒れたのは私のせいだ。私がお父さんのためを思って作った曲が、お父さんを苦しめて、苦しめ続けた。その結果、お父さんが倒れてしまった。その時、私は絶望した。
「私のせいで、!くー!もう、曲なんか、曲なんか!」
そんな時、お父さんのある言葉が頭に響いた。
“奏の曲はいい曲だね。これからも奏は奏の音楽を作り続けるんだよ。
「私の音楽を、作り続ける、。」
そしてわたしはある衝動に動かされた。
「作らなきゃ、。誰かを救える曲を作り続けなきゃ。そうじゃなきゃ、私に生きる価値なんかないんだから。」
それから私は、何曲も作り続けた。休むことも忘れて作り続けたこともあった。でもその度に自分に鞭を打って作り続けた。
ー私に休んでる暇なんて、ない。作らなきゃ。作らなきゃいけないの。
その思いが私を動かしていた。そんな日々が続いたある日だった。一通の電話が私の元にかかってきた。病院からだった。
「はい。宵崎です」
「宵崎さん!早く、早く病院に来てください!お父さんが危ないです、!」
「!?」
気づいたら走っていた。体力がないはずなのに、足を止めることはしなかった。
“お父さんが危ない。
その言葉が私を動かした。ここで足を止めたら後悔する。そんな感覚がしてならなかったから、私は病院への足を進めた。
「ーあの!」
「あ!宵崎さんですね!早くこちらへ!」
「はい!」
私は看護師さんに連れられてお父さんの病室に来た。そこには医師がいて、苦しそうにもがいているお父さんの姿があったんだ。
「お父さん!お父さん!大丈夫だよ、私が!そばにいるから!」
「宵崎さん!大丈夫ですか!?私たちの声が聞こえますか!?」
お父さんには私の声が聞こえてない。そう思った。だってずっと苦しそうにしていたから。だから私は、お父さんの手をギュッと握って、願った。
“お父さん、どうか。帰ってきて!お願い、お願いだから!
だけど、そんな私の願いは届かなかった。医師も手は尽くした。心臓マッサージもAEDもやった。だけど、お父さんの心臓は止まった。その事実が分かった時、私は膝から崩れた。
“あぁ。お父さんが、死んじゃった、。私のせいだ。私が曲なんか作ったからだ。私のせいで、お父さんは死んだんだ。
「宵崎さん、大丈夫ですか?」
「あ、大丈夫です。もう、受け止めましたから」
私は必死に笑顔を取り繕った。お父さんは亡くなる直前、私の手を強く握ってくれた。あの感覚が私の手から消えてくれなかった。
「すみません。私はもう、帰ります、ね。ありがとうございました。」
お父さんの死因は心筋梗塞だと医師から聞いた。そんなこと、どうでも良かった。私のせいで亡くなった事実は変わらないから。私は家に帰ってから、ずっと家に引き篭もった。何もせず、ずっとベットの上で横になっていた。
“あぁ。なんかどうでもいいや。もう、お腹も減らない。動かなければお腹って減らないんだ。このまま、何も食べなかったら消えれるのかな。音楽を作れない私なんて生きてる価値がないんだから。
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