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だけど、一つ、問題があった。
「あぁ。高校、行かなきゃ、な。今日から新学期だっけ。あ、そうだ。今日は入学式だ。行く意味、あるのかな」
私は神校に入学した。本当はすごく行きたくなかった。今は誰とも関わりたくなかったから。人と関わってもいいことなんかない。お父さんと一緒にいたのに私はお父さんを苦しめた。それなのに他の人と一緒にいたら迷惑をかけてしまうかもしれない。そして、ある決断に至った。
「屋上で時間を潰そう」
と。もちろん、時折授業に出なければいけない。でも、できれば屋上で、誰もいない場所で一人になりたかった。きっと私が屋上に行ったって誰も気づかないから。
「ー。じゃあ、屋上、行こ。」
私は屋上に来ていた。そこは風が気持ちよく感じた。もちろん、誰もいない。
「ここは、いいな。風が気持ちいいや。ずっとこうしてたい、な。」
そんな時、だった。屋上のドアが開かれたんだ。
「本当に授業、だるいな。」
そこにいたのは、すごく可愛い子だった。私はバレないように息を潜めてた。でも、そんな努力は虚しく終わった。
「あれ、今日は人がいるじゃん!」
すぐにその子は笑顔を見せた。でも、その笑顔は、明らかに作り物だった。直前まで沈んでたのに。まあ、私には関係ないけど。
「え、えっと、。その、。」
「あ、ごめんね!ぼくは暁山瑞稀。君は?」
「わ、私は宵崎、奏です。」
すると瑞稀は、私の目を見るなり、顔を顰めた。
「奏、なんかあった?」
「え?」
「奏の目、すっごく暗いよ。希望なんか一つもないって顔、してる」
バレた。その思いが私の中を駆け巡った。逃げなきゃ。反射的にそう思った。
「ごめんなさい!私、授業が、あるので、。」
「あ、奏!」
そして私は屋上から、逃げるように走り去った。逃げた方が苦しい。隠した方が苦しいのは分かってる。でも、どうしても誰にも知られたくなかった。話したら後悔してしまいそうだから。その後、私は授業を受けたが、屋上でのことがあって、全く頭に入ってこなかった。そして、気づいたら放課後になっていた。
「家に帰ってもすることなんか、何もないけど。帰ろ」
そんな時だった。
「あ!奏じゃん!一緒に帰ろー」
瑞稀が声をかけてきたんだ。私は言った。
「あ、えっと。き、今日、用事があるから、。」
「あ、奏。待ってよ。」
「何?急いでるんだけど」
「いつでもいいからね」
「え?」
「悩んでるなら、何か辛いことがあるなら、いつでも話していいからね。ぼくはいつでも聞くからさ」
そう、瑞稀は行った。いつでも聞く、と。
ー瑞稀なら、私の気持ちをわかってくれるのかな。いや、ダメだ。迷惑をかけちゃう。
「ありがとう、瑞稀。話そうって思えたら話すよ。」
そう言い残し、私は学校を後にした。
ー嘘、吐いちゃった。話さないのに。話す日なんか、来ないのに、。
虚しい気持ちで家に帰り、そのまま眠りに ついた。ご飯も食べず。何も、しないまま。
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