「桜坂さん、この宿泊リストを確認してください」
律はごく自然に書類を差し出した。
「は、はいっ!」
華は慌てて受け取り、視線を落とす。
(え……普通……? 全然、普通……?)
昨夜のあの言葉を聞いていないのか、それとも聞いたうえで流しているのか。
律の落ち着いた態度が、逆に華を追い詰めていた。
「フロントのチェックイン対応、次は任せますから」
「えっ……わ、わかりました!」
(なんでそんな普通に接するの……! 私だけ恥ずかしいじゃん……!)
華の顔は真っ赤に染まり、手元のリストを持つ手まで震えていた。
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