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ドラムがフィルインを突然はじき出した。それに続いてベース、リズムギターが続く。
手のひらの汗をジーンズで拭く。ピックをもち、ステージ中央に向かう。
観衆がどよめいた。一足早く、バルドゥビーダ氏はすでにステージ中央にいて、ギターの先陣を切ったのだった。
軽やかなカッティングを数回打ったあと、ソロへうつる。
爽やかなギターだ。温かみのあるギターだ。芯のあるギターだ。冒険心のあるギターだ。遊び心のあるギターだ。安定感のあるギターだ。不思議なギターだ。力強い。それでいてガラスが割れるような繊細な、透明感のある音を奏でる。
プリングオフ、プリングオン、チョーキングビブラート、ハーモニクス、ライトハンド、オルタネイトピッキング、ダブルチョーキング、スライド、クラシックビブラート、トーンバイオリン、ミュート、ブロークンコード、トリル……さまざまな技法を駆使して弾いているが、それらはフレーズの中に溶け込み、見えない。技法の域を超え、感性の一部となっている。