「メリー・クリスマス!!」
パァーーーーーン。
扉を開けると同時に‥多方面からクラッカーが鳴り‥思わず耳を塞いでしまう。
巨大なクリスマスツリーを祐希さんと見た翌日‥恋人にとっての一大イベント、25日のクリスマス当日‥‥‥‥
「クリスマスは2人で過ごそう♥」
そう甘く囁いてくれた祐希さんの言葉に喜び‥当日の予定を急いで済ませ、祐希さんの家に駆けつけた‥甘い夜を想像して‥
なのに‥‥‥‥‥
リビングのドアを開けると‥一斉に鳴ったクラッカーと共に‥そこには見慣れたメンツが‥
小川さん‥智さん‥西君‥甲斐‥‥山内さん‥‥いや、ほとんどおるやん!!
これって‥‥‥‥‥‥‥
そんな皆の影に隠れるようにして、後ろにいる祐希さんを見つけ‥視線で圧力をかける‥‥
これは一体どういう状況なのか‥‥と。
しかし、祐希さんが口を開くより早く‥
「藍ちゃーん!クリパするんなら早く言ってよ!もっと人数呼べたのにー♪」
「えっ?」
陽気に話しかけてきた西君の顔を見る‥いまいち状況が飲み込めない‥
「えって‥今日祐希さんが電話で藍にクリスマスだから早く帰るって話してるの聞こえて、クリスマスパーティーやるんすか?って聞いたらそうだって言うから‥呼べる人呼んで集まったわけ♪」
ニコニコ顔の西君の後ろにいる祐希さんを見ると‥
ポリポリと頭を掻いている‥
多分、断れなかったのだろう‥祐希さんらしいが‥
それならば‥せめて先に連絡ぐらいして欲しかった‥
恨みがましく見上げると‥申し訳なさそうな祐希さんの顔に‥仕方ないかと諦めることにした‥。
皆と過ごすクリスマスも悪くはないしな‥楽しもう。
各々用意した豪華な食事を食べ、お酒も入り皆のテンションも徐々に上がる‥
そんな時‥‥‥‥
「あっ、俺、催眠術出来るんだよ!やってみていい?」
急に西君が大声で言い出したので、皆、面白がって集まりだす‥
催眠術?
そんなん出来るん?
内心、出来んやろうなぁと思いながら西君に近づく‥
西田Side
よしっ!こないだ興味本位で覚えた催眠術かけてみよう。
誰がええかな‥‥‥
催眠術にかかりそうな奴‥‥‥
ぐるっと見廻す‥‥‥
皆が興味津々な顔で俺を見ている‥‥そんな中、藍だけが半信半疑みたいな表情‥‥‥
藍か‥‥‥‥‥
いや、めっちゃ催眠術かかりそうだな‥‥
「ちょっと!藍ちゃーん♡こっち来て!」
名指しで呼ぶと‥えっ?とあからさまに嫌な表情をしている‥‥‥
「えっ、俺っすか?嫌ですよー」
「いいじゃん、それとも‥もしかして催眠術にかかるのが怖いとか?笑」
「なっ!んな訳ないやろ!怖くないっすよ、全然!催眠術かけてもええですよ、まぁ、かからないと思うけど‥」
‥やはり乗ってきた笑。藍にはこれが一番手っ取り早い。
それなら来て‥と手招きすると、口調とは裏腹に表情は戸惑っている‥これだから可愛いよな、藍は♡
手招きした藍を椅子に座らせると、後ろからゆっくり言葉をかける‥‥。
催眠術はもう何回も成功している‥これから催眠術をかける準備もあり、藍を信用させるためずっと言葉をかけ続ける。
俺は催眠術が出来るんだと。
そして、
藍の目を見ながら宣言する。
「今から目を閉じる‥そして、目を開けて最初に見た人を貴方は好きになります、OK?」
「はっ?なんでそんな催眠なん?」
「ええやん!どうせ催眠術かからんと思ってるだろ? 」
「ゔ‥ま、まぁ‥エエですよ!どんな催眠術でも俺が勝つから」
催眠術に勝つも負けるもないけどな‥‥。
そう思いながら、藍に目を閉じて貰う‥その後もゆっくりと言葉をかけ続ける‥
「今から3秒カウントして目を開けて最初に見た人をあなたは好きになる‥」
「いいですね‥」
「3‥‥‥」
「2‥‥‥」
「1‥‥‥」
指を藍の顔の前でパチンと鳴らし、肩をポンっと叩く‥
まわりで見ていたメンツは藍が変化するのか気になり、固唾をのんで見守っている‥
そんな中、祐希さんが慌てて前にやってくるのがみえた‥
あれ?祐希さん?
ゆっくりと目を開ける藍‥。そのままいけば、前にやってきた祐希さんを見るかとおもったが‥
前に行こうとする祐希さんが、山内さんにぶつかり‥‥
その弾みで山内さんが藍の前に飛び出してしまった‥
「わっ‥‥‥」
目を開けた藍は‥目の前に飛び出してきた山内さんをじーーっと見ている‥‥。
その後‥静寂‥‥‥。
あれ?かかってない?
おかしいなぁ‥かかると思ったのに‥‥‥
まぁ、仕方ないか‥と思い、飛び出してきた山内さんに‥
「いつまで藍と見つめ合ってるんすか!もういいっすよ」
「山さん!ちょっと離れて!」
祐希さんも山内さんに近付き、グイッと腕をひっぱった‥
その時‥‥‥‥‥‥‥
「触らんといて!!!!」
「えっ?」
それまで何も発せず静かだった藍が急に大声を出して‥‥‥山内さんの腕に手をかけていた祐希さんの腕を振り払う!
突然のことに、祐希さんは勿論、山内さんも藍を見つめ、唖然とする‥。
祐希さんに関しては‥もう泣きそうな顔になっている‥なんでやねん!
「俺の大好きな人には触らんといて!」
そう言うのと同時に山内さんの腕をぎゅっと掴み‥抱きつく藍‥。
そして‥‥‥
自分よりも背の高い山内さんを見上げ、ニコーっと微笑む‥‥。
「ら‥‥藍?」
「?何?西君?」
「いや‥‥山内さんのこと‥好き?」
確認のために聞いてみる。
すると、ニパッと笑顔になり、照れるようにモジモジしながら‥‥‥
「何言うてるんです?好きに決まってるやん♡」
あっ、なるほど‥‥‥‥‥。
「どうやら、催眠術かかったみたい‥いえーい!」
と見守っていたギャラリーに報告する。
何人かはマジで?すげー!と興奮していた。
‥‥‥ただ、何故か祐希さんだけが見たこともないぐらい機嫌が悪くなっている‥‥‥
理由はわからないが‥‥‥
あえて聞くのはやめておこう‥‥‥‥‥。
コメント
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待ってましたー! あはは💦 マジか(笑)