神域の存在を教皇から知らされた狩り手たちは、これまで以上に緊張感を漂わせながら集まっていた。だが、そんな緊張感もどこ吹く風といった態度で、石動は冗談を飛ばしている。
「神域ってさ、なんだろうな? まさか全員で寺参りとかしないよな?」
石動が笑いながら話すと、港が微妙な顔で肩をすくめる。
「寺参りなら平和だけど、そんなわけないでしょ…。絶対何かある。」
観音が微笑みながら手を合わせる。
「石動くん、神域って名前なんだからきっとご利益がある場所だと思わない?」
石動はにっこり笑って返す。
「そういうのを平気で信じてる観音さんが一番怖いよ。」
渋谷がテーブルに肘をついて、苛立ったように口を開く。
「神域とかどうでもいい。早く終わらせて、牛丼食べに行こう。」
南無がその発言を聞いて、深いため息をつく。
「本当におめえらは緊張感がない。神域はただの場所じゃない。零がいる。教皇も動いている。狩り手の存亡に関わる問題だ。」
全員が静かになり、南無の言葉に耳を傾ける。いつもなら冗談の一つでも飛び交う場面だが、彼女の鋭い目つきと低い声が、狩り手全員に緊張感を強いる。
「神域には、お前たち全員が揃って向かえ。」
教皇の言葉が脳裏に蘇る。彼の存在感が未だ消えず、狩り手たちは全員がその使命を重く受け止めている。
だが、石動だけはどこか違う空気をまとっている。
「本当に全員必要かな?」
彼がボソッと言うと、法師が静かに口を開いた。
「教皇様がそうおっしゃる以上、その意図には深い意味があるのでしょう。」
「法師さんさあ、いつも思うんだけど、その敬語癖、なんとかならない? 今回ぐらい砕けた感じで行こうよ。」
石動が苦笑するが、法師は目を閉じたまま微笑むだけだった。
「さて、行くぞ。」
南無が短く告げると、狩り手たちはそれぞれの装備を手に取り、神域へ向けて動き出した。
観音は相変わらずマイペースで、鞄からキャンディを取り出して口に放り込む。
「南無ちゃん、何か怖いものでも見たの?」
「予感だ。」
南無が険しい表情で答える。
渋谷は無言で拳を握りしめている。普段の自己中な態度が影を潜め、その横顔には不安と覚悟が混じっていた。
港はまだ全身の痛みが癒え切らない様子だったが、笑顔を見せる。
「こういう時こそ、明るくいこうよ。」
「本当に君たち…。」
南無はあきれたように呟くが、その顔にはどこか安心した表情が浮かんでいた。
狩り手キャラのモチーフ
教皇→お館様(鬼滅)
南無→真面目なラプ様(ホロライブ)
法師→糸目×敬語が癖
石動→The 主人公
観音→癒月ちょこ(ホロライブ)
渋谷→芥川龍之介(文スト)
港→谷崎潤一郎(文スト)
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