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【プロローグ】
女子大生桑原麗華(くわばられいか)は、本を読むのが好きだ。特にファンタジーの小説が好きで、毎日何時間も読んでいる。そんな中、最近ハマっているのは“主様がお見えです”という本。これはシリーズもので、内容も面白く、厚みもあるので、楽しく読めて、かつ満足度が十分に得られるのだ。麗華は現在進行形でその最新作を読んでいる。
「はぁ、面白いなぁ。この世界に行ったら楽しそう…」
そんな言葉を発した時、本のページが光り、麗華は光に包まれた。
「ねぇ、大丈夫?」
その声で、麗華は目を覚ました。目の前には、たくさんの木と1人の女性。麗華は何が起こったのか理解できなかった。先ほどまで、自分は自室に本を読んでいたはずだ。
「あの…ここは…?」
麗華は混乱しながらも口を開いた。
「ここは迷いの森。…あなたは誰?」
“迷いの森”。聞いたことがあった。そう、先ほどまで読んでいた本に出てくる場所だ。
(まさか、本の中の世界に来た…?)
麗華は混乱しながらも、自分が好きな小説の世界にいることに興奮を覚えた。
「えっと…麗華です」
麗華は深呼吸をし、女性の質問に答えた。
「麗華ね。私はベランカ・ロバーツ。よろしくね。…どこから来たの?」
麗華は確信した。やはり、ここは先ほどまで読んでいた本の中の世界なのだ。麗華は興奮を抑え、ベランカからの質問に答えることにした。
「えっと…分かんないんです。気が付いたらここに」
「迷い込んできたの?」
「違うんです。いや、えっと…」
なんと言えばいいのか分からない。正直に言うか、隠すか。麗華は意を決して話した。
「さっきまで自分の部屋で本を読んでたんですけど、いきなり本が光って、気が付いたらここに…」
「…別の世界から来たの?」
「はい。そうなんです」
麗華はベランカの顔を見た。どんな反応をされるだろうか。数秒の間のあの、ベランカは口を開いた。
「…分かったわ。とりあえず、元の世界に戻る方法を探しつつ、ここで暮らしなさい。私が案内するわ」
麗華は自分を受け入れてくれたということに安心しながらベランカについて行った。
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