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「待って……!
今じゃないと……。
普段の学校生活になったら…、また元通りに戻っちゃうかもしれないから…。
かっちゃん…、僕も…かっちゃんと一緒にいるの…好き…だよ!
君と一緒に、友達の会話もしたいし……体を預け合う仲間でもいたい……阿吽で分かり合える幼馴染にもなりたい……と思ってる。
…願わくば…それ以上も……」
緑谷の胸は、激しい鼓動でいっぱいだった。言葉を選ぶたびに、喉の奥が熱くなり、息を整えることさえ難しい。今この瞬間を逃したら、きっとまた距離が開いてしまう――そんな焦りが、彼を突き動かしていた。
それでも、声に出すのは怖かった。爆豪を困らせたくない。でも、自分の中に積もってきた想いは、もう抑えきれない。
「好きだよ」と告げた瞬間、緑谷の瞳には決意と震えが宿る。友情の延長線上にある“もっと深い絆”を、言葉にする勇気が欲しかった。
声を潜めてつぶやいた最後の言葉は、届くことを前提にしていない。それでも、願いのように滲み出た。彼の中で、友としての想いと、それ以上の感情が静かに混ざり合い、“失いたくない”という切実な祈りへと変わっていった。
緑谷の言葉を聞いて、爆豪の動きが完全に止まる。訓練場で繰り広げられている常闇たちの戦いなんて、もう頭に入ってこない。いずくが、自分と一緒にいるのが好きだと言った。
友達の会話もしたい。体を預け合う仲間でいたい。阿吽で分かり合える幼馴染になりたい。そして、最後に聞こえるか聞こえないかの声で、「それ以上も」と言った。爆豪は、緑谷の唇の動きを見て、その言葉を理解する。心臓が爆発しそうなくらい激しく鳴っている。
「…テメェ、本気で言ってんのか?」
そう言いながら、ゆっくりと緑谷の方を向く。その顔は真っ赤で、目は少しだけ潤んでいる。爆豪は、自分がこんなに感情的になるなんて思ってもみなかった。でも、緑谷の言葉を聞いて、もう抑えきれない。爆豪は少しだけ震える手で、緑谷の肩を掴む。そして、小さく、本当に小さく呟く。
「…俺も、だ。テメェと友達の会話もしてえし、体を預け合う仲間でもいてえ。阿吽で分かり合える幼馴染にもなりてえ。
…っていうか、もうなってるだろ、俺たち。さっきの戦いで、俺たち完璧に息が合ってたじゃねえか。テメェが何を考えてるか、手に取るように分かった。テメェも、俺が何をするか分かってた。それが、阿吽で分かり合えるってことだろ?」
そう言った後、少しだけ間を置いて、さらに小さく、本当に聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟く。その声は、いずくにしか聞こえない。
「…それ以上も、だ。俺、テメェのこと…本気で好きだから。友達とか仲間とか幼馴染とか、そういうのを超えて、好きなんだよ。だから…ずっと隣にいろ。どこにも行くな。俺の隣は、テメェの場所だ。」
そう言った後、爆豪は自分が何を言ったのか理解して、顔が真っ赤になる。周りには他のクラスメイトもいるが、幸い誰も二人の会話を聞いていない。 みんな訓練場の戦いに集中している。爆豪は少しだけ安堵のため息をついて、緑谷の肩から手を離す。しかし、その目は真剣に、緑谷を見つめている。
「…返事、聞かせろよ、デク。テメェ、俺のこと、どう思ってんだ? 本気で、教えてくれ。」
「 ……聞こえてると、思ってなかった…な…//
僕も…かっちゃんの事が好きだよ…。ただ…恋愛とか分からないんだ。初めてなんだ…したことが無いから…。グレープ半分こ、とか…例え話でよく使うけどさ…。本当に、そんなレベルで分からない…。
麗日さんとのドギマギしたドキドキとかっちゃんへのドキドキが違うのは、分かる…。麗日さんの方が焦りや何したら良いか分からなくなるドキドキだけど、かっちゃんのドキドキの方は胸がむず痒い…って言うのか…心が痺れるって言うか…。
ごめん、かっちゃんが本気でぶつかってきてくれたのに、ちゃんとした返事ができなくて…。僕も答えが自分でも分かってなくて…。」
緑谷の心は、不意に跳ね上がった。 自分の伝わらない声を、
かっちゃんが読み取っていた――
その事実に驚きが走り、頬が一気に熱くなる。思わず視線を逸らすが、心臓の鼓動は耳の奥で響き続けた。
「聞こえてると思ってなかった…」その呟きには、恥ずかしさと、どこか嬉しさが入り混じっている。想いが伝わってしまった怖さと、同時に“受け止めてもらえた”安堵が胸を満たした。
それでも口を開けば、たどたどしく本心が零れ落ちる。恋愛という言葉を使うには、まだ形が定まっていない。麗日さんへの淡いときめきとは違う、もっと深くて複雑な“爆豪へのドキドキ”。
言葉にならないその正体を探しながら、緑谷は正直に伝えようとする。戸惑い、迷い、それでも隠さず素直に話す――その姿には、怖がりながらも誠実でいようとする小さな勇気が滲んでいた。
緑谷の言葉を聞いて、爆豪は少しだけ驚いた表情を見せる。緑谷も、恋愛のことがよく分からないと言っている。でも、麗日へのドキドキと自分へのドキドキが違うと言ってくれた。
「胸がむず痒い」「心が痺れる」――それは、まさに爆豪が緑谷に対して感じている感情と同じだった。爆豪は少しだけ安堵のため息をついて、緑谷の頭にポンと手を置く。
「…クソが。ちゃんとした返事じゃねえか、それで。テメェ、俺に対してドキドキするって言ってんだろ? それで十分だ。俺も、恋愛とか良く分かんねえんだよ。
今まで、誰かを好きになったことなんてなかったし、誰かとそういう関係になりたいと思ったこともなかった。でも、テメェは違う。テメェといると、胸がむず痒くて、心が痺れる。それが、好きってことなんだろうな。」
そう言いながら、緑谷の頭から手を離して、少しだけ照れくさそうに顔を背ける。周りでは常闇たちの戦いが続いているが、もう爆豪の頭には入ってこない。緑谷のことで頭がいっぱいだった。爆豪は少しだけ間を置いて、また緑谷の方を向いて、小さく言う。
「…なあ、デク。俺たち、付き合おうぜ。恋愛とか良く分かんねえけど、一緒に学んでいけばいいだろ? テメェと一緒なら、何でもできる気がする。
戦闘も、勉強も、恋愛も。全部、テメェと一緒に学んでいく。それで、俺たち、最強のカップルになる。…どうだ? 俺と付き合ってくれるか、デク?」
そう言って、緑谷の目をじっと見つめる。その目には、不安と期待が混じっていた。
もし緑谷に断られたら、どうしよう。そんな不安が頭をよぎる。でも、緑谷なら大丈夫だ。緑谷は、自分のことが好きだと言ってくれた。
だから、きっと大丈夫だ。爆豪は、緑谷の返事を待つ。心臓がバクバクと鳴っている。今まで感じたことのない緊張感だった。