テラーノベル
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「さあさあ、みんな遠慮せずにたくさん食べるんねー!」
イタ王が切り分けた焼き立てのマルゲリータピッツァを、リビングの全員が口に運ぶ。イタリア仕込みの絶品ピッツァの美味しさに、現国も旧国も関係なく
「美味い!」
と笑顔が溢れた。そんな中、長男の陸(日帝)は、軍帽子から飛び出た猫耳を美味しそうにピコピコと揺らし、しっぽをパタパタさせながら、アツアツのピッツァをふーふーと上品に食べていた。
「(パシャパシャパシャパシャパシャッ!!!)」
その姿を、にゃぽんが、恐ろしい手付きでスマホに収めていた。看病を終えてリビングに戻ってきた彼女の瞳には、すでに危険なギラつきが宿っている。彼女の限界腐女子脳は、現在のリビングの光景を完全に「別の意味」で捉えていた。
「(あああ……っ! 猫耳をピコピコさせて無防備にピッツァを食べる陸(日帝)お父様……! そしてそのお父様を、ギザギザの歯でピッツァを齧りながら『よく噛んで食べろ』と独占欲たっぷりに見つめるナチス様……! 完璧な【野生の凶暴肉食獣×天然鈍感猫系軍人】の公式最大手CPですありがとうございます……!!)」
にゃぽんの脳内妄想の暴走はこれだけに留まらない。彼女の視線が、その隣のエリアへと移る。そこでは、次男の海(海軍)とナチスが、ピッツァを片手に、先ほど庭で見せ合っていたお互いの「愛銃」について、まだ熱く語り合っていた。「ナチス先輩、やはりこのモーゼルの洗練されたフォルム……銃というよりは、もはや一つの芸術品ですよ」
「フン、分かっているじゃないか海。お前のその九九式短小銃の職人魂も、私の審美眼を満足させるに値するぞ」
お互いの「銃(魂)」を褒め合い、時折視線を交わすドイツと日本の旧国エリート二名。
「(……ッ!!? こ、こっちは【お互いのこだわりを認め合う大人の武器マニア同盟】……!? 普段はしっかり者の海兄様が、ナチス様の前では少し誇らしげに鮫のしっぽを揺らして……っ! これも新たな扉が開いてしまう……!!)」
さらに、ソファの奥へと視線を向ければ、そこにはガハハと豪快に笑いながらウォッカの瓶を交わし合う、超大型のソ連と現国のロシアの姿があった。
「親父、やっぱりお前と飲む酒が一番美味いよ。ほら、ピッツァも食べなよ」
「おお、ロシア! お前は本当に良い息子に育ったな! 乾杯だ!」
「(そして極めつけは【ウォッカの血脈で繋がった最強大型酒浸り親子】!! お互いに体格が良すぎてソファが狭そうに密着しているその距離感……!! なんですかここは、私を尊死させるために作られた天国か何かなんですかーーーっ!?!?)」
ピコピコ動く猫耳の陸、銃を自慢し合うナチスと海、そしてお互いにウォッカを酌み交わすソ連親子。全てのパズルピースが最高かつ最悪の形で噛み合わさった瞬間、にゃぽんの腐女子脳の安全弁が、ついに音を立てて完全に吹き飛んだ。
「――っ、は、鼻血のダムが決壊するぅぅぅ!!! 尊すぎて無理、世界線に感謝、みんなまとめて結婚して末永く爆発しろォォォーーーッッ!!!!!」
「うわあああ!? にゃぽんが急に奇声を上げて狂ったアル!!」
中国が持っていたピッツァを落としそうになり、日本は
「にゃぽん、落ち着いて! 戻ってきて、そっちの世界から戻ってきて!!」
と、白目を剥いてリビングをのたうち回り始めた双子の妹を必死に抑え込もうとする。しかし、妄想が限界突破したにゃぽんのパニックを止めることはできず、イギリス家のリビングは再びギャグ時空のカオスへと叩き落とされるのだった。◇その大騒ぎの最中、冷静にピッツァを食べていたドイツが、ふと陸(日帝)の手元を見て、前々から気になっていた疑問を口にした。
「……なぁ、日本。少し聞きたいんだが」「はい? 何ですかドイツさん、にゃぽんを押さえるのを手伝ってください……!」
「いや、そうじゃなくて。日帝のことなんだが……あいつ、左手の薬指の先が丸ごと無いのに、なんで普通に生活できてるんだ? 箸も普通に持ってるし、さっきも完璧に刀を研いでただろ。……それを言うなら、右目が潰れて眼帯をしてるソ連も、さっきから一ミリも手元を狂わせずにウォッカをラッパ飲みしてるし、距離感も完璧だ。二人とも、なんでそんなに普通に動けるんだ……?」
ドイツの極めて真っ当な指摘に、暴走中だったにゃぽんも
「はっ……!」
と正気に戻り、日本も動きを止めて日帝とソ連を見た。人間にしろ国にしろ、指の欠損や片目の失明は、日常生活のバランスや精密な作業に大きな支障をきたすはずだった。すると、箸で器用にピッツァの具を口に運んでいた陸(日帝)が、不思議そうに猫耳を傾けた。
「ん? 何かおかしいですか? ……ああ、なるほど。私たちは『ほぼ死んでいるようなもので死なない』旧国ですが、それ以上に『概念』としての性質が強いからですよ」
「概念、ですか?」日本が聞き返す。「うむ。私たちは肉体を持っていますが、その本質は『国家の意志そのもの』です。指が一本なかろうが、右目がなかろうが、『大日本帝国陸軍として刀を完璧に扱える』『ソビエト連邦として正確に酒を飲める』という、存在の前提(概念)が狂うことはないのです。ですから、肉体的な欠損があっても、私たちの脳や本能は、最初から五体満足であるかのように100%完璧に体を動かすことができるのですよ」
日帝がとことん生真面目な顔で解説する。
「ガハハ! その通りだ! 俺の右目はナチスに喰われたが、ソ連という国がロシアや現世の酒を見誤るわけがないからな! 視界が半分になろうが、気合いと概念で100%見えているのと同じだ!」
335
#カンヒュGL
ちびすけ📺️@🚥拡散希望
466
#シェアハウス
ソ連も片目でウインクしながらガハハと笑った。「なるほど……。肉体は欠損していても、国としての概念とプライドが、狂いなく身体を補正しているわけですか……。旧国の執念、恐るべしですね」
ドイツは感心したように頷き、日本も
「父さんたちが不便じゃなくて本当に良かったです」
と胸を撫でおろした。しかし、その解説を聞いたにゃぽんの目が、再び不穏な輝きを取り戻した。「(……ってことは……肉体は傷だらけで欠損の痛み(※神様のサービス)もあるのに、ナチス様の前では『陸軍としての完璧な動き』を崩さないってこと……!? どんな健気な受けなの……!? ああダメ、第二波が、妄想の第二波が来ちゃうぅぅ!!!)」
「にゃぽん、お願いだからもう寝ててーーー!!!」日本家の歴史の厚みと、にゃぽんの底なしの腐女子脳により、旧国復活のドタバタ日常は、まだまだ終わる気配を見せないのだった。
コメント
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第15話、めっちゃ面白かったわ!にゃぽんの腐女子脳が爆発しまくってるの笑ったw 猫耳ピコピコ陸父さん、ナチス×海の武器マニア同盟、ウォッカ親子…全部がカオスに噛み合ってて最高やん🔥 最後のドイツの真っ当な疑問と、日帝の「概念」解説でちょっとシリアス入ったのも良かった。でもすぐにゃぽんがまた暴走し始めたのには草生えたわw このカオス日常、永遠に続いてくれ~!