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2人の自己紹介と職業──ヒーローでもあり忍者とメカニックである、という事を聞いたわたしは、この世界がわたしの生きていた世界とは全くの別物である事に気づいた。学校の制度、とかは似たようなところもあるけれど、それでもやっぱり現実味が湧かない。夢じゃないことはわかっているのに。
「うーん、ちょっと空野さんの事調べてもらったけど何も出て来ないって」
『そう、ですか……』
「でも住む場所はいる訳だしね」
1度空野さんの事調べてもらおう!という伊波さんからの提案を受けてわたしの事を調べてもらったのだけれど、やっぱり収穫はナシ。面会の時間もギリギリ、というところでやっと口を開いたのは叢雲さんだった。
「なあ、それ僕の家じゃダメなん?」
『ええと……?』
「いつかは帰っちゃうって分かっとるけど、空野さんが倒れてるの見つけたんはぼくやし、ぼくが最後まで面倒見る」
「万事解決?確かに空野さんの事1番に見つけたのカゲツだもんな」
『いいん、ですか……?』
真っ直ぐにわたしを見つめる翡翠と紫水晶の瞳に、揺らぎはなかった。
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