テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
#ロマンス
柿
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
次の日僕は登校中、先輩に声をかけられた。
「俺、辻 奏斗って言うんだけど体験入部届け出したのお前?確か名前は、朝日 時矢。」
「え、あ、あぇ」
「違うならいいや」
そう言って先輩は僕を置いていって校門をスタスタと吸い込まれるように入っていった。
や、やばい。動揺しすぎた。体験入部届け出したの僕だし、名前呼ばれたのも僕だし、どうしよ、、、。
そんなことを考えていると、あっという間に2時間目が終わってしまった。なんも授業が頭に入っていないが、このままだとあの人も困るだろうと思い、休み時間に僕は先輩達に名前を聞き回った。
僕は勝手に3年生だろうと思ってしまい、「辻 奏斗さんという人を知りませんか?」
と3年生の3人に聞いていた。
初めの2人は知らなく、3人目になってやっと知れた。あの人はまず2年生で、2年3組だということを知った。僕の予想がすべて外れた。どれだけ鈍感なんだ、僕は。
休み時間は後5分程度あったので、僕は2年3組の教室に行った。
「すいません。辻奏斗さんっていますか?」
恐る恐る聞くと友達と話している、陽の気を放った先輩が来た。
「あれ?お前朝の、どうかした?」
やばい。緊張してきた。
鼓動がドクンドクンと早く動いているのがわかった。けれど、言わなければ。
「あ、あの。僕、自由学部の体験入部届け出しました。あ、朝は動揺しすぎて返事ができなかったけど、僕、自由学部体験入部したいです!」
「ふはっ」
と先輩は笑い、「勢いがすごいわ」と苦笑していた。
「おけ。じゃあ今日の部活動の時間、自分のやりたいことができるもの持って3年3組の隣の空き教室おいで。」
と言われた。
キーンコーンカーンコーンという予鈴が鳴り、僕は「失礼します」と言い、教室に戻った。何はともあれ僕の思いが伝わって安心し、3時間目の授業は集中して取り組めた。
6時間目の授業が終わり、皆各々自分のやる事をやり始めた。大体の人は部活の準備をし始めていたため、僕も執筆の為のタブレットとノート、そして手本となる小説を第2鞄に荒く入れて教室を出た。
約束の時間、僕は空き教室に行った。
ドアを開けると、僕の知らない顔が2人いた。
「あれ?体験入部の子〜?」
「こんにちは。ようこそ、自由学部へ。」
「こ、こんにちは。」
一番最初に僕に声をかけてくれた人は天野 春さん。何かふわっとしていて、髪はピンク、可愛らしい雰囲気だが男らしい。よく女の子に間違えられてしまうことが悩みだそう。聞いていないが。とツッコミそうになった。
そしてもう1人の部員は一ノ瀬 弥さん。いつでもどこでも誰にでも敬語で、謎の存在らしい。この部活ではいつも違うことをやっていて、何をやりたいのかは天野さんも辻先輩も知らないらしい。というか、自分の弱点を見せないようにしているらしい。本人曰く、いつどこで何があるか分からないから、弱点を見せないらしい。
「私たちはこの部活で自分の将来に向かって好きなことをやる部活です。ここでは誰の夢も馬鹿にしませんし、否定しません。なぜなら、私たちは自分たちの夢を馬鹿にされた経験があるからです。」
僕と同じだ。僕は夢を馬鹿にされたし、否定もされた。僕が信じていた人達に。
“誰も夢を否定しない”この言葉を聞いて、僕は入部しようと決めた。
「あ、あの、僕、入部します。」
いつの間にか、僕はそんなことを言っていた。