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はちみつレモン
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#メイ恋
かにいぬ
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知らない男と体を重ねる。
媚びるような声を出して、頬を赤らめる。
脚を開き、腰を浮かす。
そんな生物的行為に俺は喜んで参加する。
世間からは白い目で見られるこの仕事は、俺にしか務まらないとさえ思っている。
人を喜ばせ、気持ち良くし、尚且つ自分も気持ち良い。
そんな利点しかないサイクルを気持ち悪いと思う人が気持ち悪い。
そう思っていたのに、ある男に出会ってから一変してしまった。
アイツとやる性行為ほど気持ち悪いものはない。それなのに、アイツはいつも俺を指名してくる。
虫唾が走る。
「あの、竹田さんですか…?」
「う、うん。君がハルヒくん?可愛いなぁ。画像で見るより何倍も♡」
「ありがとうございます。行きましょうか」
売春、と言ったら人聞きが悪い。これはれっきとした仕事なのだ。
人に楽しんで、気持ちよくなってもらうための仕事。良いことなのだ。
「あぁんッ♡竹田さんッ優しくしてぇ//」
「こんな可愛い子に優しくするなんて、できないよ」
「んんッ!♡」
またこの人から指名が来たら絶対に断ろう。下手だし強引だし、好みじゃない。
この仕事は、相手を選べるほど楽な世界じゃない。けど、俺は選べる。なぜか?
それは、俺が優秀だから。この業界のトップに君臨する男だからだ。
金は無いが人望はあるし、ルックスも完璧にしている。このたゆまぬ努力のお陰で、俺はトップに君臨し続けられのだ。
「はい、これお小遣い♡」
「えぇっ?こんな、多いですよ…!」
多いほど嬉しい。こんなのはただの演技だ。俺はきっと俳優もできる。
「だって悠燈君可愛いし、また一緒に会ってくれるかな?」
「ありがとうございます」
絶対に、「もちろん」とか「ぜひ」とか言わない。俺が不利になるから。
「じゃあ、お時間になるので…」
ガチャッ
「警察です。近所の方から通報がありました。証拠も抑えました」
「えっ、ちょっとちょっと、何!?」
まずい。非常にまずい。
「竹田国夫さん、未成年強制わいせつ罪で現行犯逮捕します」
「えぇぇええ!?違う!俺は何もやっていない!」
それはれっきとした嘘だろう。通用するはずがない。
問題は俺がどうなるか、だ。これは仕事として活動しているから、俺にも罪が着せられると困る。
どうにかしてごまかして、被害者の振りをしなければならない。
「君、大丈夫?」
やけにタッパのある警察官だ。だが、心配しているということは仕事でやっているとは思われていない。チャンスだ。
「こ、怖かったです…」
「詳しく話を聞きたいんだ。どんな仕事なのか、責任者は誰なのか、ね」
「…は?」
コメント
1件
ふわあ…これはまたずいぶんと挑戦的な第一話ですね。冒頭の「生物的行為」という冷めた言い切りから、一気に惹き込まれました。主人公が仕事に誇りを持ちつつ、ある男だけは別格で嫌っている——その温度差が気になります。終盤の警察の登場からの、主人公が“被害者のふり”を一瞬で切り替える頭の回転の速さも、キャラの魅力になってる。それにしても、あの「ある男」がこの警察官だったりしませんか…?続きが気になる終わり方、好みです。